15日(火)夜、散歩コースをちょっと外れた古本屋に寄ったら、「pj・2009年冬号」が100円で売られていた。「pj」とは、ピーチ・ジョン社が発行する女性下着のカタログ誌である。カタログ誌だから、定価で買っても250円と、驚くほど安い。女性アイドルの水着写真集を買うぐらいなら、こちらのほうがよほど官能的である。しかしさすがにこの雑誌は買うわけにはいかない。
なぜなら1ヶ月前に、すでに書店で購入していたからである。
13日(日)と15日(火)の2日間で行われた第2期天河戦予選は、Aブロックから船戸陽子女流二段、Bブロックから蛸島彰子女流五段、石橋幸緒女流四段、藤田麻衣子女流1級、Cブロックから松尾香織女流初段、渡部愛ツアー女子プロ、小野ゆかり女子アマ王位の計7名が勝ち抜き、本戦トーナメントの切符を手にした。
戦前の勝ち抜き者予想は、6名の正解で終わった。間違えた1名とは蛸島女流五段-鹿野圭生女流初段のブロック枠を越えた1勝1敗決戦で、この星がひっくり返っていれば完全正解だった。この将棋、予想が外れて悔しいから八つ当たり気味で書くのだが、鹿野女流初段の拙局だった。
熱心な将棋ファンはLPSAのサイトですでにご存じだと思うが、76手目鹿野女流初段の☖4七歩成が、次の☗1三角成と後手角を取った手が、☗8一角までの1手詰を見落とした大悪手。…と当初は思った。しかしその1手前の☗2一飛成で☖1三角の進退が窮まっており、捨て置けば☗1一竜があるため、やむにやまれぬ☖4七歩成だったと思う。
とすれば、それまでの鹿野女流初段の将棋の造りが悪かったことになる。そこで解せないのが鹿野女流初段の時間の使い方だ。その局面まで、約10分しか使っていない。トーナメント入りの大事な一局なのに、なぜもっと腰を落として読みを掘り下げなかったのだろう。時間一杯使っての敗退なら諦めもつくが、ポンポン指して敗勢では、こちらも消化不良になってしまう。返すがえすも残念な一局だった。
残念な一局といえば、13日の中倉宏美女流二段-渡部ツアー女子プロとの一局もそうである。中倉女流二段が、終盤で簡単な詰みを逃した将棋だ。これは本人が最もショックを受けているだろうからあまり触れたくないが、女流棋士会が分裂しLPSAが発足してから、LPSA女流棋士の勝敗は格段に注目されている。いままでは予選で負けても大した反応もなかったかもしれないが、現在は違う。LPSA女流棋士でもトップクラスの人気を誇る中倉女流二段の勝敗は、もう個人の問題ではなくなっているのだ。
中倉女流二段は女流名人位戦の元A級であり、実力はある。そしてこれからの勉強次第で、まだまだ棋力は伸びる。全国のヒロミファンを元気づけるためにも、これからも精進してもらいたい。結果は必ずついてくる。
もうひとつ残念だったのは、同じく13日に指された山下カズ子女流五段-松尾女流初段の将棋である。山下女流五段が序盤で角交換をし☗5三角と打ちこんだ手に対し、松尾女流初段に☖5五角と打ち返され、9九の香取りが受からなくなったものだ。
山下女流五段は以前も同じ将棋で角を打たれ、惨敗したことがあった。この筋は定跡書に書いてある、基本的注意事項である。一度ならず二度までも同じ手を喰うとは、ちょっとこれ、信じられない。もう、よく分からない。
15日の船戸女流二段-大庭美樹女流初段も、大庭女流初段の力が全然発揮されていなかった。大庭女流初段は、金曜サロンの指導対局ではアマ強豪にちょくちょく勝つし、地力はある。6月に行われた「とちのきカップ」でも、同じ船戸女流二段を土俵際まで追いつめた。それなのに今回は中盤の入口で早々と大勢が決してしまい、まったく見どころがなかった。もっと好局を期待していただけに、残念だった。
明るい話題としては、藤田女流1級の勝ち抜けである。藤田女流1級はその肩書から、実力を低く見られているフシもあるが、私は以前から藤田女流1級の将棋を買っていた。あのセンスのいい指し回しは、「女流1級」のそれではない。対中倉彰子女流初段戦も堂々とした将棋で、見事な勝利であった。
石橋女流四段、船戸女流二段の2連勝通過はさすがの一言。渡部ツアー女子プロ、小野女子アマ王位も、危ない将棋はあったものの、予選通過は立派であった。
トーナメント入りした7名はしかし、ここからが本当のスタートである。タイトル戦が「中井-石橋3番勝負」ではおもしろくない。石橋女流四段はもちろんだが、あとの6選手も、そのカードを阻むべく、精一杯いい将棋を指してもらいたい。
なぜなら1ヶ月前に、すでに書店で購入していたからである。
13日(日)と15日(火)の2日間で行われた第2期天河戦予選は、Aブロックから船戸陽子女流二段、Bブロックから蛸島彰子女流五段、石橋幸緒女流四段、藤田麻衣子女流1級、Cブロックから松尾香織女流初段、渡部愛ツアー女子プロ、小野ゆかり女子アマ王位の計7名が勝ち抜き、本戦トーナメントの切符を手にした。
戦前の勝ち抜き者予想は、6名の正解で終わった。間違えた1名とは蛸島女流五段-鹿野圭生女流初段のブロック枠を越えた1勝1敗決戦で、この星がひっくり返っていれば完全正解だった。この将棋、予想が外れて悔しいから八つ当たり気味で書くのだが、鹿野女流初段の拙局だった。
熱心な将棋ファンはLPSAのサイトですでにご存じだと思うが、76手目鹿野女流初段の☖4七歩成が、次の☗1三角成と後手角を取った手が、☗8一角までの1手詰を見落とした大悪手。…と当初は思った。しかしその1手前の☗2一飛成で☖1三角の進退が窮まっており、捨て置けば☗1一竜があるため、やむにやまれぬ☖4七歩成だったと思う。
とすれば、それまでの鹿野女流初段の将棋の造りが悪かったことになる。そこで解せないのが鹿野女流初段の時間の使い方だ。その局面まで、約10分しか使っていない。トーナメント入りの大事な一局なのに、なぜもっと腰を落として読みを掘り下げなかったのだろう。時間一杯使っての敗退なら諦めもつくが、ポンポン指して敗勢では、こちらも消化不良になってしまう。返すがえすも残念な一局だった。
残念な一局といえば、13日の中倉宏美女流二段-渡部ツアー女子プロとの一局もそうである。中倉女流二段が、終盤で簡単な詰みを逃した将棋だ。これは本人が最もショックを受けているだろうからあまり触れたくないが、女流棋士会が分裂しLPSAが発足してから、LPSA女流棋士の勝敗は格段に注目されている。いままでは予選で負けても大した反応もなかったかもしれないが、現在は違う。LPSA女流棋士でもトップクラスの人気を誇る中倉女流二段の勝敗は、もう個人の問題ではなくなっているのだ。
中倉女流二段は女流名人位戦の元A級であり、実力はある。そしてこれからの勉強次第で、まだまだ棋力は伸びる。全国のヒロミファンを元気づけるためにも、これからも精進してもらいたい。結果は必ずついてくる。
もうひとつ残念だったのは、同じく13日に指された山下カズ子女流五段-松尾女流初段の将棋である。山下女流五段が序盤で角交換をし☗5三角と打ちこんだ手に対し、松尾女流初段に☖5五角と打ち返され、9九の香取りが受からなくなったものだ。
山下女流五段は以前も同じ将棋で角を打たれ、惨敗したことがあった。この筋は定跡書に書いてある、基本的注意事項である。一度ならず二度までも同じ手を喰うとは、ちょっとこれ、信じられない。もう、よく分からない。
15日の船戸女流二段-大庭美樹女流初段も、大庭女流初段の力が全然発揮されていなかった。大庭女流初段は、金曜サロンの指導対局ではアマ強豪にちょくちょく勝つし、地力はある。6月に行われた「とちのきカップ」でも、同じ船戸女流二段を土俵際まで追いつめた。それなのに今回は中盤の入口で早々と大勢が決してしまい、まったく見どころがなかった。もっと好局を期待していただけに、残念だった。
明るい話題としては、藤田女流1級の勝ち抜けである。藤田女流1級はその肩書から、実力を低く見られているフシもあるが、私は以前から藤田女流1級の将棋を買っていた。あのセンスのいい指し回しは、「女流1級」のそれではない。対中倉彰子女流初段戦も堂々とした将棋で、見事な勝利であった。
石橋女流四段、船戸女流二段の2連勝通過はさすがの一言。渡部ツアー女子プロ、小野女子アマ王位も、危ない将棋はあったものの、予選通過は立派であった。
トーナメント入りした7名はしかし、ここからが本当のスタートである。タイトル戦が「中井-石橋3番勝負」ではおもしろくない。石橋女流四段はもちろんだが、あとの6選手も、そのカードを阻むべく、精一杯いい将棋を指してもらいたい。