一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

LPSA指し初め式(中編)・LPSA18人に聞きました

2010-01-07 00:20:05 | LPSAイベント
指し初め式は、古作登氏が銀の両取りの☗4五桂を見送って☗9六歩と指すなど均衡を保ち、いい局面で指し掛けとなった。
そのあとはしばしの歓談である。中井広恵天河が通ったので、
「今日はまた素晴らしいですね」
と言うと、
「この帯がですか?」
と苦笑する。見ると、帯に将棋の駒が編まれている。呉服店かどこかに入ったときに見つけ、「これは私のために創られたものだ」と、即購入したという。
しかし私はもちろん、中井天河自身をほめたのだ。どうも中井天河、「私が勝手に選ぶ女性ファンランキング」で圏外に葬り去られてから、私に対して卑屈になっている気がする。
中井天河をランクするのは畏れ多く、敢えて外したのだが、真面目に検討すれば上位に入るのだ。
私のコップが空なのを見て、船戸陽子女流二段が「お酒は(もう)飲まないのよね」と、ウーロン茶を取りにいってくれる。職業柄か、船戸女流二段の動きは早い。私は下戸なので、酒は最初の1杯で十分なのだ。
その間、中倉彰子女流初段が私の前を通る。あっ、と言って、私のコップにワインをつごうとする。ピュアピュアな中倉女流初段にこう迫られて、断れる男性はいない。ありがたくいただく。そのあと船戸女流二段が戻ってきたので、平謝りする。
私は気分を直してもらおうと、傍らにあったワインの瓶をとりあえず取った。
「こ、このワインはどうなんでしょうか?」
「美味しいです」
船戸女流二段はエチケット(ラベル)に書かれてある銘柄をフランス語で流暢に読み、産地やエピソードを述べる。船戸女流二段がソムリエールでもあることを実感する瞬間だ。しかし情けないことに、私(たち)にはチンプンカンプンである。
将棋にたとえれば、初心者がプロ棋士の難解な終盤戦を解説してもらっている感じか。もう少し私が酒に詳しかったら…と思う。
「ヨーコ先生は洋服がいいって、一公さんが言ってましたよ」
と、サロン会員のW氏が余計なことを言う。
「ちち、違いますよ! 船戸先生は背が高いから、和服よりも洋服のほうが似合うかなと――」
と、私は慌てて取り繕った。
そうこうしている間に、中倉彰子女流初段・宏美女流二段プロデュースの、「クイズ・LPSA18人に聞きました」が始まった。
むかし関口宏の司会で高視聴率を取った、「クイズ100人に聞きました」のLPSA版である。解答者は、石橋幸緒女流四段、船戸女流二段、島井咲緒里女流初段、藤田麻衣子女流1級の4人と、LPSAスタッフ、駒込サロン会員ら4人である。男女混合チームに分かれ、対戦する。正解の回答者数がそのままポイントになり、より高いポイントを獲得したチーム(の男性)に、勝利者賞が贈られる、という仕組みだ。
ホワイトボードには正解が書かれた紙が裏返しに貼られ、当てると表に返される。なかなか凝ったツクリである。
問題は「LPSAで最もお酒が強いと思う女流棋士は?」「好きな駒は?」「好きなタイプの男性棋士は?」「好きな戦法は?」「好きな寿司ネタは?」「好きなお酒の種類は?」「好きな乗り物は?」「得意な料理は?」など、10問あった。
それぞれ興味深い回答ばかりで、「LPSAで最もお酒が強いと思う女流棋士は?」は、私の予想した女流棋士が、9ポイントを集めて断トツだった。ちなみに松尾香織女流初段は、肩書が「天神」となっていた。このあたりの遊び心もニクイ。
「好きなタイプの男性棋士は?」の1位に、植山悦行七段が同点3ポイントで出てきたのはご愛嬌。とはいえ羽生善治名人・王座・棋聖・王将が2ポイントだったから、大したものである。盛大な拍手を浴びて照れる植山七段が、かわいらしかった。しかし対象範囲が広過ぎたか、このあとはあまり正解が出ない。
1ポイントは不正解なので、そのたびに宏美女流二段が、無表情で腕を交差させ、「×」を作る。マニアにはたまらないポーズである。彰子女流初段もソツなく進行をこなす。姉妹の司会は息が合い、いつ見ても絶品である。
この問題は時間切れとなり、答えを披露する。
と、回答に升田幸三実力制第四代名人(3ポイント)の名前が出てきたので、会場がどよめいた。こ、故人もアリなのか? さらに会場を絶叫させたのが、桐山清澄九段(2ポイント)だった。渋い! 渋すぎる!! し、しかしLPSAの女流棋士…守りに入ってないか!? もっとイケメン棋士を選べばいいではないか!! 私のような中年独身組に、希望を持たせたということだろうか。
とにかくLPSA女流棋士には将棋同様、もっと攻勢を取ってほしいところであった。
ちなみに最終得点は、78ポイント対76ポイントで、僅差の勝負だった。
その後、LPSA相談役・蛸島彰子女流五段による御礼の言葉があり、いま考えればこれが中締めだったようなのだが、私たちは我関せずと、再び歓談に戻るのだった。
(つづく)
コメント (6)
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