きのう7日夜、散歩の復路コースの途中にあるエロビデオ専門店に向かうと、店頭に小向美奈子のポスターがあったので、目を剥いた。見ると、この日SOFT ON DEMAND社から、「浅草ロック座 小向美奈子」のビデオが発売されたのだ。
現在発売中の「週刊ポスト」に、小向美奈子のグラビアが掲載されているので(私は見ていない)、写真集の宣伝かとフンでいたのだが、ビデオの発売とは驚いた。小向美奈子が「週刊ヤングサンデー」の表紙&グラビアに初登場したのが14歳のとき。それから約10年、この日が来たことに感慨深いものがある。いつか買おう。
前日の続き。
石橋幸緒女流四段が前を通り、
「よく数えましたねぇ」
と、呆れたように笑う。3日にエントリした、「このブログへの、棋士の登場回数」のことである。たしかにあれは無駄に時間を費やすだけのバカバカしい行為で、自己嫌悪に陥りつつ集計していた。
中井広恵天河は、
「一公さんのブログは、いつもどのくらい時間をかけて書いてるんですか?」
と問う。
「2時間ぐらいです」
と答えると、
「はあ…やっぱりそのくらいかかりますよねえ」
と、私を哀れむような目をして言う。
中井天河、石橋女流四段とも、ふだんは目が回るほどの忙しさで、私のように暢気にしている時間はない。おふたりとも、「あなたの時間をちょうだい!!」と言いたかったに違いない。
中倉宏美女流二段の周りは、ファンでいっぱいだ。やはり、あのきもの姿は人を惹きつける。船戸陽子女流二段が、私の横に再びいらっしゃる。
「せ、先生、中倉先生、綺麗ですよねぇ…」
と、私は放心したように中倉女流二段を指し、船戸女流二段に話しかける。
「……」
しかし船戸女流二段は首をタテに振らない。
「いや、あの、中倉先生、い、いいカンジだと思いませんか?」
「……私はどうせ宏美ちゃんに負けると思ったから、地味な色のきものにしたんですケド」
「あっ…!! いや、ふ、船戸先生がもちろんイチバンですよ!」
「……」
マズい。同性にこの話題はマズかった。これじゃまるで、船戸先生より中倉先生のほうが将棋が強いですよね? と訊いているようなものだ。船戸女流二段からすれば、
(アナタ、ワタシと話してるのに、宏美ちゃんをホメるの?)
と嫌味のひとつも言いたいところだろう。私は話題を変える。
「そ、そういえば船戸先生、今年は年オンナでしたよね」
「はい、24になります」
「………。あ、せ、先生、女流王位リーグは絶対勝ってください!! あの、先生はもちろん、王位リーグは全勝するつもりで戦ってるんですよね!?」
私は動揺して、訊かずもがなの質問をする。
「もちろんです。負けたら悔しいし、そういう気持ちがなくなったらオワリです」
「そ、そうですよね。指導対局のときもそうですものね」
「フランボワーズカップのときも、もちろん2連覇をするつもりでいましたよ」
「ああ、あれは残念でした。石橋先生との将棋は、☖5八銀の一手だったでしょ? もし船戸先生が決勝戦に出てれば前回の再戦になって、私のブログも長期連載になったのに…」
私がそう言うと、船戸女流二段は芯から残念そうな顔をした。ファイター船戸女流二段、昨年で最も悔しい敗戦だったに違いない。
「一公さんは、今年の旅行の予定はどうなんですか?」
「はい、来週は大阪の『Bins Gate Cup』に行きます。あと来月は『さっぽろ雪まつり』に行きます。ついでだから14日まで北海道にいようと思うんですけど、14日がLPSAファンクラブイベントなんですよねぇ…」
これは本当に迷っていた。ふだんLPSA女流棋士に会えないファンなら別だが、私は毎週のように、どなたかにお会いしている。貴重な冬の北海道旅行を削ってまで、イベントに参加するほどの価値があるのか。
「ええー? 冬の北海道はいつでも行けるけど、バレンタインデーが日曜日で、ファンクラブイベントになるのは、今回しかないんですよ」
そう言って、船戸女流二段がじっと私を見る。私がどこかで書いたような言い回しだが、船戸女流二段にそう説得されては、イベントに行かざるを得ない。
「わ、分かりました。当日は参加させていただきます」
これ、クラブで女性におねだりされて、つい首をタテに振ってしまうオジサンの図にそっくりではないか? まあ、オトコが美人に弱いのは世界共通だから、ここはこれでよしとする。
ところでいま思い返すと、周りに大勢ヒトがいたということもあるが、このときは船戸女流二段と、けっこう至近距離で話していた気がする。
その後も少し雑談したあと、船戸女流二段が私をまっすぐに見て、
「私、LPSAに来て本当に良かった」
と、キッパリと言った。
船戸女流二段がLPSAに移籍し、収入がどうなったかは知らぬが、真剣勝負を指す機会が増えたことは確かだ。私こと粘着型ファンがまとわりついたのは想定外だったろうが、多くのファンと接する機会が増えたことも、よい刺激になったと思う。社交性のある船戸女流二段には、LPSAの水が合っていたのだろう。船戸女流二段のこの言葉を、中井代表理事に聞かせたかった。
奥を見ると、藤田麻衣子女流1級が、ミスターX氏と「どうぶつしょうぎ」を指している。LPSAの今年の年賀状は、藤田女流1級デザインの、「どうぶつしょうぎ」の終了図だった。LPSAホームページでご覧になった方も多いと思うが、駒数は少ないのに、今年の干支の「寅」に見える。玉に相当するライオンも寅になっている特別バージョンだ。藤田女流1級のどうぶつしょうぎに懸ける情熱が窺える。
と、ドアのあたりがざわつく。渡部愛ツアー女子プロが訪れたのだ。女子高生の特権である、制服姿での登場である。朝の飛行機で札幌を発ち、ギリギリで到着したらしい。室内がたちまち大きな拍手に包まれた。
やはり制服姿はいい、と見とれていると、H氏が、
「一公さん、ニヤケすぎですよ」
と茶化す。渡部ツアー女子プロがそんな私を見て、
「あけましておめでとうございます」
と言う。現役女子高生に新年の挨拶をされるのは、私が高校生以来ではなかろうか。嬉しい。
奥を見ると、「10秒将棋大会」を行うようである。しかしよく聞いてみると、どうも関係者のみの催しのようだった。
このあとも私は、古作登氏やYa氏から興味深い話を聞き、残り少なくなった時間を有意義にすごす。
石橋女流四段が
「あの、もう中締めは終えたつもりだったんですけど…あの~皆さん、今日は本当に有難うございました。また今年1年、LPSAをよろしくお願いします!」
と明るく述べて、楽しい指し初め式は終了となった。
私はLPSAのますますの繁栄を願うと、サッとビルを出て、浅草に向かうのだった。
現在発売中の「週刊ポスト」に、小向美奈子のグラビアが掲載されているので(私は見ていない)、写真集の宣伝かとフンでいたのだが、ビデオの発売とは驚いた。小向美奈子が「週刊ヤングサンデー」の表紙&グラビアに初登場したのが14歳のとき。それから約10年、この日が来たことに感慨深いものがある。いつか買おう。
前日の続き。
石橋幸緒女流四段が前を通り、
「よく数えましたねぇ」
と、呆れたように笑う。3日にエントリした、「このブログへの、棋士の登場回数」のことである。たしかにあれは無駄に時間を費やすだけのバカバカしい行為で、自己嫌悪に陥りつつ集計していた。
中井広恵天河は、
「一公さんのブログは、いつもどのくらい時間をかけて書いてるんですか?」
と問う。
「2時間ぐらいです」
と答えると、
「はあ…やっぱりそのくらいかかりますよねえ」
と、私を哀れむような目をして言う。
中井天河、石橋女流四段とも、ふだんは目が回るほどの忙しさで、私のように暢気にしている時間はない。おふたりとも、「あなたの時間をちょうだい!!」と言いたかったに違いない。
中倉宏美女流二段の周りは、ファンでいっぱいだ。やはり、あのきもの姿は人を惹きつける。船戸陽子女流二段が、私の横に再びいらっしゃる。
「せ、先生、中倉先生、綺麗ですよねぇ…」
と、私は放心したように中倉女流二段を指し、船戸女流二段に話しかける。
「……」
しかし船戸女流二段は首をタテに振らない。
「いや、あの、中倉先生、い、いいカンジだと思いませんか?」
「……私はどうせ宏美ちゃんに負けると思ったから、地味な色のきものにしたんですケド」
「あっ…!! いや、ふ、船戸先生がもちろんイチバンですよ!」
「……」
マズい。同性にこの話題はマズかった。これじゃまるで、船戸先生より中倉先生のほうが将棋が強いですよね? と訊いているようなものだ。船戸女流二段からすれば、
(アナタ、ワタシと話してるのに、宏美ちゃんをホメるの?)
と嫌味のひとつも言いたいところだろう。私は話題を変える。
「そ、そういえば船戸先生、今年は年オンナでしたよね」
「はい、24になります」
「………。あ、せ、先生、女流王位リーグは絶対勝ってください!! あの、先生はもちろん、王位リーグは全勝するつもりで戦ってるんですよね!?」
私は動揺して、訊かずもがなの質問をする。
「もちろんです。負けたら悔しいし、そういう気持ちがなくなったらオワリです」
「そ、そうですよね。指導対局のときもそうですものね」
「フランボワーズカップのときも、もちろん2連覇をするつもりでいましたよ」
「ああ、あれは残念でした。石橋先生との将棋は、☖5八銀の一手だったでしょ? もし船戸先生が決勝戦に出てれば前回の再戦になって、私のブログも長期連載になったのに…」
私がそう言うと、船戸女流二段は芯から残念そうな顔をした。ファイター船戸女流二段、昨年で最も悔しい敗戦だったに違いない。
「一公さんは、今年の旅行の予定はどうなんですか?」
「はい、来週は大阪の『Bins Gate Cup』に行きます。あと来月は『さっぽろ雪まつり』に行きます。ついでだから14日まで北海道にいようと思うんですけど、14日がLPSAファンクラブイベントなんですよねぇ…」
これは本当に迷っていた。ふだんLPSA女流棋士に会えないファンなら別だが、私は毎週のように、どなたかにお会いしている。貴重な冬の北海道旅行を削ってまで、イベントに参加するほどの価値があるのか。
「ええー? 冬の北海道はいつでも行けるけど、バレンタインデーが日曜日で、ファンクラブイベントになるのは、今回しかないんですよ」
そう言って、船戸女流二段がじっと私を見る。私がどこかで書いたような言い回しだが、船戸女流二段にそう説得されては、イベントに行かざるを得ない。
「わ、分かりました。当日は参加させていただきます」
これ、クラブで女性におねだりされて、つい首をタテに振ってしまうオジサンの図にそっくりではないか? まあ、オトコが美人に弱いのは世界共通だから、ここはこれでよしとする。
ところでいま思い返すと、周りに大勢ヒトがいたということもあるが、このときは船戸女流二段と、けっこう至近距離で話していた気がする。
その後も少し雑談したあと、船戸女流二段が私をまっすぐに見て、
「私、LPSAに来て本当に良かった」
と、キッパリと言った。
船戸女流二段がLPSAに移籍し、収入がどうなったかは知らぬが、真剣勝負を指す機会が増えたことは確かだ。私こと粘着型ファンがまとわりついたのは想定外だったろうが、多くのファンと接する機会が増えたことも、よい刺激になったと思う。社交性のある船戸女流二段には、LPSAの水が合っていたのだろう。船戸女流二段のこの言葉を、中井代表理事に聞かせたかった。
奥を見ると、藤田麻衣子女流1級が、ミスターX氏と「どうぶつしょうぎ」を指している。LPSAの今年の年賀状は、藤田女流1級デザインの、「どうぶつしょうぎ」の終了図だった。LPSAホームページでご覧になった方も多いと思うが、駒数は少ないのに、今年の干支の「寅」に見える。玉に相当するライオンも寅になっている特別バージョンだ。藤田女流1級のどうぶつしょうぎに懸ける情熱が窺える。
と、ドアのあたりがざわつく。渡部愛ツアー女子プロが訪れたのだ。女子高生の特権である、制服姿での登場である。朝の飛行機で札幌を発ち、ギリギリで到着したらしい。室内がたちまち大きな拍手に包まれた。
やはり制服姿はいい、と見とれていると、H氏が、
「一公さん、ニヤケすぎですよ」
と茶化す。渡部ツアー女子プロがそんな私を見て、
「あけましておめでとうございます」
と言う。現役女子高生に新年の挨拶をされるのは、私が高校生以来ではなかろうか。嬉しい。
奥を見ると、「10秒将棋大会」を行うようである。しかしよく聞いてみると、どうも関係者のみの催しのようだった。
このあとも私は、古作登氏やYa氏から興味深い話を聞き、残り少なくなった時間を有意義にすごす。
石橋女流四段が
「あの、もう中締めは終えたつもりだったんですけど…あの~皆さん、今日は本当に有難うございました。また今年1年、LPSAをよろしくお願いします!」
と明るく述べて、楽しい指し初め式は終了となった。
私はLPSAのますますの繁栄を願うと、サッとビルを出て、浅草に向かうのだった。