(前日のつづき)
9日(土)宿泊のビジネスホテルは、意外に早く見つけられた。3階建ての、外観はなんてことない建物である。とくに花輪もなく、この日が開業初日とは思えない。電車や高速道路とは違うのだ。
チェックインすると、フロント係がふたりいる。若い方が相手をしてくれたが、なにしろ初日だから、「ガチガチ」だ。そこが初々しくてよかった。説明も丁寧だった。
建物の規模は小さいが、60室近くあったのではないか。ただ1階も宿泊室になっていて、キャパシティの問題もあったのだろうが、これは疑問符をつけた。
以前も開業ホヤホヤのホテルに宿泊したことがあったが、ここも1階を宿泊室に充てていた。これ、泊まるほうは何となく落ち着かないものなのだ。もっとも今回私の部屋は、3階だったが。
「開業キャンペーン」につき、朝食付き2,980円。こんなに安くては申し訳ないので、階段横にある有料ビデオカード(1,000円)を購入し、部屋に入った。
室内は可もなく不可もない感じ。もとよりビジネスホテルなので、多くは期待しない。それより、せっかく買ったカードを無駄にはしたくないので、早速ビデオを観ることにする。これがかなり充実しており、大いに感心した。
ふつう有料ビデオというと、室内にアダルトビデオの番組表が置いてあって、それを観るのが定跡であろう。ところがこのホテルはその類の番組表がなく、リモコンで操作する。
一般映画とアダルトに分かれ、それがさらに5つのジャンルに分かれている。アダルトは「アイドル・巨乳」「女子校生・コスプレ」「人妻・熟女」「素人・モデル」「その他」という塩梅である。
それぞれのジャンルには、10本以上のビデオがハードディスクに収められ、好きなビデオを見放題というわけだ。いままでだと、ビデオが番組表どおりに淡々と流れ、こちらに女優選択の余地はなかった。しかしこのシステムは、こちらにアドバンテージがある。一目見て肌に合わない内容だったら、ほかのビデオに変えてしまえばいいのだ。
これは画期的である。
早送り、巻き戻し、一時停止も自由自在。どうでもいい会話の部分はすっ飛ばし、メインの場面をじっくり見る。あっ、いまのところ! と思えば巻き戻して一時停止する。時間の経つのを忘れてしまう。
私は9時ごろにチェックインしたのだが、「恋のから騒ぎ」を観たときとシャワーを浴びたとき以外は、ずーっとビデオを観賞していた。結局この日は、午前2時半ごろまで頑張って、就寝。麻美ゆまは、やはり素晴らしいと思った。
翌10日(日)。無料の朝食をいただいたあと、もう十分にモトは取ってグロッキー状態だったのだが、またビデオを1時間ほど観る。9時過ぎにチェックアウトは、異例の遅さであった。
この日の行動は、もう書いてもつまらないだろう。鉄道ファンなら誰でも知っている大垣まで行き、そこから養老鉄道に乗り換える。「養老鉄道」とは聞いたことがないが、もと近畿日本鉄道の一部だった路線で、2007年10月に開業した。女流棋士会とLPSAの関係のようなものだ。
「養老線休日フリーきっぷ」が1,000円で売られていたのでそれを買い、全線を乗りつぶすことにする。
まずは大垣から北へ向かい、終点の揖斐(いび)で下車。そこから徒歩で30分はある三輪神社へ向かう。おさい銭を投げて、おみくじを買う。先日浅草寺へ行ったときもお参りすらしなかったので、これが私の初詣ということになる。おみくじは「大吉」だった。
駅前に戻り、中華料理屋でチャーハン・ラーメンセットを頼む。前日の昼もチャーハンだったし、東京にいるときと変わり映えのしない食事である。
腹もくち、13時43分の列車で引き返す。大垣で乗り換え、桑名方面に向かう。この鉄道の名前にもなっている養老で下車。駅前からてくてく坂道を登り、養老の滝を目指した。
居並ぶ土産物店をやり過ごし、雪でシャーベット状になった道をそろそろ登ると、養老の滝が見えた。日光華厳の滝のような迫力はないが、名所を見物した、ということで満足する。日本人の旅のほとんどが、こんなスタイルではないだろうか。
帰り道で120円のラムネを飲む。昨年9月に北海道・稚内の宗谷岬でコカコーラを飲んだことを、なんとなく思い出す。稚内出身の中井広恵天河は8日のLPSA金曜サロンに顔を見せたが、ハッとするくらい、美しかった。
16時33分の電車で、一路桑名へ向かう。電車は3両編成なのに、乗客が私も含めて8人しかいなかった。鉄道を生かすも殺すも、地元住民の利用に尽きる。新生養老鉄道の発展を祈りつつ、私は桑名で下車した。
そこからは、路線名は立派だがローカル線と化している関西本線に乗り、亀山、加茂と乗り継いで、新今宮下車。この日のビジネスホテルに旅装を解いた。
和室の部屋で一息ついたあと、遅い晩飯を摂りに外出する。安い中華料理屋があったので、そこに入る。牛丼とラーメンセットを注文。570円。ホントにこんな食事ばかりでいいのか。まあ一人旅なので、私が何を食べようと自由ではある。
ホテルに戻る。ここも前日のホテルと同じ要領で、有料ビデオが見ることができた。しかしさすがにカラダがもたないので、この日は寝るだけに留めた。
というわけでいよいよこれから、LPSA主催の1dayトーナメント「Bins Gate Cup」を見に行く。2年前に行われた前回は、鹿野圭生女流初段の将棋と、島井咲緒里女流初段の鑑賞が目的だったが、鹿野女流初段は緒戦敗退、島井女流初段も別室での対局で、いささか消化不良だった。
今年はどんな戦いが繰り広げられるだろうか。将棋はもちろん、出場女流棋士の表情を、しかとこの目に焼き付けてこようと思う。
9日(土)宿泊のビジネスホテルは、意外に早く見つけられた。3階建ての、外観はなんてことない建物である。とくに花輪もなく、この日が開業初日とは思えない。電車や高速道路とは違うのだ。
チェックインすると、フロント係がふたりいる。若い方が相手をしてくれたが、なにしろ初日だから、「ガチガチ」だ。そこが初々しくてよかった。説明も丁寧だった。
建物の規模は小さいが、60室近くあったのではないか。ただ1階も宿泊室になっていて、キャパシティの問題もあったのだろうが、これは疑問符をつけた。
以前も開業ホヤホヤのホテルに宿泊したことがあったが、ここも1階を宿泊室に充てていた。これ、泊まるほうは何となく落ち着かないものなのだ。もっとも今回私の部屋は、3階だったが。
「開業キャンペーン」につき、朝食付き2,980円。こんなに安くては申し訳ないので、階段横にある有料ビデオカード(1,000円)を購入し、部屋に入った。
室内は可もなく不可もない感じ。もとよりビジネスホテルなので、多くは期待しない。それより、せっかく買ったカードを無駄にはしたくないので、早速ビデオを観ることにする。これがかなり充実しており、大いに感心した。
ふつう有料ビデオというと、室内にアダルトビデオの番組表が置いてあって、それを観るのが定跡であろう。ところがこのホテルはその類の番組表がなく、リモコンで操作する。
一般映画とアダルトに分かれ、それがさらに5つのジャンルに分かれている。アダルトは「アイドル・巨乳」「女子校生・コスプレ」「人妻・熟女」「素人・モデル」「その他」という塩梅である。
それぞれのジャンルには、10本以上のビデオがハードディスクに収められ、好きなビデオを見放題というわけだ。いままでだと、ビデオが番組表どおりに淡々と流れ、こちらに女優選択の余地はなかった。しかしこのシステムは、こちらにアドバンテージがある。一目見て肌に合わない内容だったら、ほかのビデオに変えてしまえばいいのだ。
これは画期的である。
早送り、巻き戻し、一時停止も自由自在。どうでもいい会話の部分はすっ飛ばし、メインの場面をじっくり見る。あっ、いまのところ! と思えば巻き戻して一時停止する。時間の経つのを忘れてしまう。
私は9時ごろにチェックインしたのだが、「恋のから騒ぎ」を観たときとシャワーを浴びたとき以外は、ずーっとビデオを観賞していた。結局この日は、午前2時半ごろまで頑張って、就寝。麻美ゆまは、やはり素晴らしいと思った。
翌10日(日)。無料の朝食をいただいたあと、もう十分にモトは取ってグロッキー状態だったのだが、またビデオを1時間ほど観る。9時過ぎにチェックアウトは、異例の遅さであった。
この日の行動は、もう書いてもつまらないだろう。鉄道ファンなら誰でも知っている大垣まで行き、そこから養老鉄道に乗り換える。「養老鉄道」とは聞いたことがないが、もと近畿日本鉄道の一部だった路線で、2007年10月に開業した。女流棋士会とLPSAの関係のようなものだ。
「養老線休日フリーきっぷ」が1,000円で売られていたのでそれを買い、全線を乗りつぶすことにする。
まずは大垣から北へ向かい、終点の揖斐(いび)で下車。そこから徒歩で30分はある三輪神社へ向かう。おさい銭を投げて、おみくじを買う。先日浅草寺へ行ったときもお参りすらしなかったので、これが私の初詣ということになる。おみくじは「大吉」だった。
駅前に戻り、中華料理屋でチャーハン・ラーメンセットを頼む。前日の昼もチャーハンだったし、東京にいるときと変わり映えのしない食事である。
腹もくち、13時43分の列車で引き返す。大垣で乗り換え、桑名方面に向かう。この鉄道の名前にもなっている養老で下車。駅前からてくてく坂道を登り、養老の滝を目指した。
居並ぶ土産物店をやり過ごし、雪でシャーベット状になった道をそろそろ登ると、養老の滝が見えた。日光華厳の滝のような迫力はないが、名所を見物した、ということで満足する。日本人の旅のほとんどが、こんなスタイルではないだろうか。
帰り道で120円のラムネを飲む。昨年9月に北海道・稚内の宗谷岬でコカコーラを飲んだことを、なんとなく思い出す。稚内出身の中井広恵天河は8日のLPSA金曜サロンに顔を見せたが、ハッとするくらい、美しかった。
16時33分の電車で、一路桑名へ向かう。電車は3両編成なのに、乗客が私も含めて8人しかいなかった。鉄道を生かすも殺すも、地元住民の利用に尽きる。新生養老鉄道の発展を祈りつつ、私は桑名で下車した。
そこからは、路線名は立派だがローカル線と化している関西本線に乗り、亀山、加茂と乗り継いで、新今宮下車。この日のビジネスホテルに旅装を解いた。
和室の部屋で一息ついたあと、遅い晩飯を摂りに外出する。安い中華料理屋があったので、そこに入る。牛丼とラーメンセットを注文。570円。ホントにこんな食事ばかりでいいのか。まあ一人旅なので、私が何を食べようと自由ではある。
ホテルに戻る。ここも前日のホテルと同じ要領で、有料ビデオが見ることができた。しかしさすがにカラダがもたないので、この日は寝るだけに留めた。
というわけでいよいよこれから、LPSA主催の1dayトーナメント「Bins Gate Cup」を見に行く。2年前に行われた前回は、鹿野圭生女流初段の将棋と、島井咲緒里女流初段の鑑賞が目的だったが、鹿野女流初段は緒戦敗退、島井女流初段も別室での対局で、いささか消化不良だった。
今年はどんな戦いが繰り広げられるだろうか。将棋はもちろん、出場女流棋士の表情を、しかとこの目に焼き付けてこようと思う。