今月15日のLPSA金曜サロンは、昼が藤田麻衣子女流1級、夜が松尾香織女流初段の担当だった。
午後3時ごろ入室しただろうか。指導対局の前に、To氏との金曜リーグ戦。
私の四間飛車に、To氏の採った作戦は左美濃。やや手詰まり状態になり、私が☗6七銀を☗5八銀と引いたのが疑問だった。さらに☗9七香~☗9八飛の間に☗9五歩の突き捨てを入れなかったため、☖7五歩~☖6五歩と先攻され、数手後☖7七桂成と飛車角を抑え込まれたところで、戦意喪失して投了した。
まったくアマ有段とは思えないひどい将棋で、棋譜を載せる気にもならない。これでリーグ戦は2勝2敗。優勝に黄信号が灯った。
さて、藤田女流1級との指導対局である。駒を並べながら、藤田女流1級が
「ホテルのことはあんなに細かく書かなくていいです」
と言う。先日愛知県で泊まった、開業初日のホテルのことをいっているのだろう。しかし何と言っても「開業初日」である。後に泊まる方のためにも、ホテル内の設備や居心地を書くことは、それなりに意義がある。その判断に、誤りはなかったと思う。
「一公さんさァ、宏美ちゃんのことばっかり書くんだもん」
とも言う。これは先日の指し初め式の記事のことらしい。しかしあの日の中倉宏美女流二段はダイナマイトきものだったから、触れて然るべきである。それに後日加筆したものではあるが、藤田女流1級がミスターX氏と「どうぶつしょうぎ」を指していた時の模様は、ちゃんと書いている。不満を言われる筋合いはないのだ。
それでも藤田女流1級は何か言いたそうである。「マイコはご機嫌ナナメ」というところか。
すべての指導将棋が終わったあと聞いてみると、どうも指し初め式で藤田女流1級もきものを着ていたのに、それについての言及がなかったことが不服だったらしい。藤田女流1級も中井広恵天河同様、負けず嫌いなところがあり、意外なところから手(イチャモン)を作ってくる。なにしろ私がつけた女性ファンランキングで、「AV女優に負けた…」と悔しがったくらいである。
しかし今回の件で言い訳をさせてもらえば、藤田女流1級は和服が好きで、ふだんからよく着ている(と思う)のだ。たしか昨年のマイナビ就位式でお目にかかったときも、きものだった。だから藤田女流1級の和服は珍しいことではなく、今回もその姿は目に入っていたが、LPSAサイトにもその模様は載っていたし、あえて記すまでもないと判断したのだ。
さらに余計なことを付け加えれば、あの日は中倉女流二段に終始目を奪われていて、藤田女流1級が何色のきものを着ていたかまでは、記憶になかった。
だがとにかく藤田女流1級からすれば、指し初め式できものを着ていた中井天河、船戸陽子女流二段、中倉女流二段には触れて、自分のことが書かれてないのは、おもしろくなかったわけだ。まったく、オンナ心は長編詰将棋より難しい。
松尾女流初段との指導対局に入る。この日の私は、夜にヤボ用があった。そこで植山悦行手合い係が、早めに対局をつけてくれたようだ。その心遣いに感謝したい。
「松尾先生、あさっての対局、頑張ってください」
「あさって?」
「天河戦です」
「ああ…でも一公さんは陽子ちゃんを応援してるんでしょ?」
「ぐっ…いやそんなことないですよ」
ダメだ…。言葉に感情がこもっていないから、形だけの応援とバレてしまう。
「もう、一公さんには今年は絶対負けませんから!」
松尾女流初段が、苦笑いして言う。
なんだか知らないが、ヤブヘビになってしまった。
藤田女流1級が帰り際、W、R両氏と何か話している。聞いてみると、今月下旬に指される、女流名人位戦予選のことらしい。
「でも一公さんは陽子ちゃんを応援してるんでしょ?」
松尾女流初段と同じことを言われる。藤田女流1級は、船戸女流二段との対局だったのか。しまった…。
「い、いやいや、わ、私は藤田先生を応援してますよ。だって私が初めて女流棋士に指導対局を教わったのは藤田先生だし、先生を師匠と思ってます。そ、そこは信じてもらわないと…」
私は慌て気味に弁明する。今度は感情を込めて言ったつもりだったが、通じたのか、藤田女流1級がかすかに笑みをもらした。
危ないところだった。
午後3時ごろ入室しただろうか。指導対局の前に、To氏との金曜リーグ戦。
私の四間飛車に、To氏の採った作戦は左美濃。やや手詰まり状態になり、私が☗6七銀を☗5八銀と引いたのが疑問だった。さらに☗9七香~☗9八飛の間に☗9五歩の突き捨てを入れなかったため、☖7五歩~☖6五歩と先攻され、数手後☖7七桂成と飛車角を抑え込まれたところで、戦意喪失して投了した。
まったくアマ有段とは思えないひどい将棋で、棋譜を載せる気にもならない。これでリーグ戦は2勝2敗。優勝に黄信号が灯った。
さて、藤田女流1級との指導対局である。駒を並べながら、藤田女流1級が
「ホテルのことはあんなに細かく書かなくていいです」
と言う。先日愛知県で泊まった、開業初日のホテルのことをいっているのだろう。しかし何と言っても「開業初日」である。後に泊まる方のためにも、ホテル内の設備や居心地を書くことは、それなりに意義がある。その判断に、誤りはなかったと思う。
「一公さんさァ、宏美ちゃんのことばっかり書くんだもん」
とも言う。これは先日の指し初め式の記事のことらしい。しかしあの日の中倉宏美女流二段はダイナマイトきものだったから、触れて然るべきである。それに後日加筆したものではあるが、藤田女流1級がミスターX氏と「どうぶつしょうぎ」を指していた時の模様は、ちゃんと書いている。不満を言われる筋合いはないのだ。
それでも藤田女流1級は何か言いたそうである。「マイコはご機嫌ナナメ」というところか。
すべての指導将棋が終わったあと聞いてみると、どうも指し初め式で藤田女流1級もきものを着ていたのに、それについての言及がなかったことが不服だったらしい。藤田女流1級も中井広恵天河同様、負けず嫌いなところがあり、意外なところから手(イチャモン)を作ってくる。なにしろ私がつけた女性ファンランキングで、「AV女優に負けた…」と悔しがったくらいである。
しかし今回の件で言い訳をさせてもらえば、藤田女流1級は和服が好きで、ふだんからよく着ている(と思う)のだ。たしか昨年のマイナビ就位式でお目にかかったときも、きものだった。だから藤田女流1級の和服は珍しいことではなく、今回もその姿は目に入っていたが、LPSAサイトにもその模様は載っていたし、あえて記すまでもないと判断したのだ。
さらに余計なことを付け加えれば、あの日は中倉女流二段に終始目を奪われていて、藤田女流1級が何色のきものを着ていたかまでは、記憶になかった。
だがとにかく藤田女流1級からすれば、指し初め式できものを着ていた中井天河、船戸陽子女流二段、中倉女流二段には触れて、自分のことが書かれてないのは、おもしろくなかったわけだ。まったく、オンナ心は長編詰将棋より難しい。
松尾女流初段との指導対局に入る。この日の私は、夜にヤボ用があった。そこで植山悦行手合い係が、早めに対局をつけてくれたようだ。その心遣いに感謝したい。
「松尾先生、あさっての対局、頑張ってください」
「あさって?」
「天河戦です」
「ああ…でも一公さんは陽子ちゃんを応援してるんでしょ?」
「ぐっ…いやそんなことないですよ」
ダメだ…。言葉に感情がこもっていないから、形だけの応援とバレてしまう。
「もう、一公さんには今年は絶対負けませんから!」
松尾女流初段が、苦笑いして言う。
なんだか知らないが、ヤブヘビになってしまった。
藤田女流1級が帰り際、W、R両氏と何か話している。聞いてみると、今月下旬に指される、女流名人位戦予選のことらしい。
「でも一公さんは陽子ちゃんを応援してるんでしょ?」
松尾女流初段と同じことを言われる。藤田女流1級は、船戸女流二段との対局だったのか。しまった…。
「い、いやいや、わ、私は藤田先生を応援してますよ。だって私が初めて女流棋士に指導対局を教わったのは藤田先生だし、先生を師匠と思ってます。そ、そこは信じてもらわないと…」
私は慌て気味に弁明する。今度は感情を込めて言ったつもりだったが、通じたのか、藤田女流1級がかすかに笑みをもらした。
危ないところだった。