一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

新春特別企画・私が勝手に選ぶ男性棋士ファントップ10

2010-01-02 00:11:20 | ランキング
昨年の「紅白歌合戦」は、私の予想が外れて白組の大勝。なんと5連勝である。特別審査員10名の判定は紅組のほうが多かっただけに残念だが、やはり白組のほうが聴きごたえがあった。
注目の福山雅治は、長崎県からの中継。NHK大河ドラマの主人公のからみで出場となったようだが、私はこうした中継や特別扱いは認めない。やはりNHKホールで歌ってほしかった。福山雅治に限らず、今回の紅白は、大河ドラマ関係の審査員も多く、やや興醒めだった。
AKB48は72名が登場。ピチピチの女の子が舞台を所狭しと駆け回って歌うさまは、健康的で壮観だった。テレビ東京系「開運!なんでも鑑定団」の北原照久が、「数は力」と言ったが、まさにその通りだと思った。この時点では、紅組が勝ったと思ったのだが…。
金杯は「チャンピオン」を歌ったアリス、銀杯は「手紙~拝啓 十五歳の君へ~」を歌ったアンジェラ・アキに差し上げたい。

さて、このブログの読者にはどうでもいい話に違いないが、新春特別企画として、「私が勝手に選ぶ男性棋士トップ10」を挙げてみる。なおこれには、故人も含んでいる。

1位 大山康晴十五世名人
タイトル通算80期、公式戦通算勝利1433勝、69歳にして順位戦A級在位と、記録と記憶に残る大名人である。日本将棋連盟会長としても八面六臂の活躍で、ほかの歴代会長の追随を許さない。文字どおり将棋界が誇る大きな山であった。「将棋世界」を読むと、いまだにどこかで「大山名人」の名前が出てくる。その存在感は、没後17年半を経たいまでも、いささかも衰えることはない。

2位 植山悦行七段
私が高校生のとき、近くの女子高校で指導対局をしていただいたのが、植山七段である。東京・新宿でのLPSA設立イベントや、LPSA金曜サロンで再会したのも、見えない糸で繋がっていたのかもしれない。そんな糸で繋がりたくはないが、それが実感である。

3位 真部一男九段
私が高校生のとき、毎年文化祭で指導対局にきてくださった。学校側は、わが将棋部には全然部費を出さなかったくせに、プロ棋士の招待には、多額のおカネを出していた。その文化祭では、3年間で真部七段(当時)に1局も勝てず、プロ棋士の強さをまざまざと見せつけられた。しかし真部九段へ畏敬の念を持ったのは、後年「将棋世界」に連載された「将棋論考」を読んでからで、その文才には舌を巻いたものだった。将棋の勝負に淡泊なのも、なぜか好感が持てた。

4位 石田和雄九段
石田九段はA級在位数期の名棋士である。対局中に扇子を開いては閉じ、頭をバシバシ叩く。その扇子は1日でボロボロになるという。しかし石田九段の真骨頂は、NHK杯将棋トーナメントでの名解説に尽きる。あのかすれ気味の声で、「なるほど! こんな手があったんですねぇ」と唸るさまはどこかユーモアを漂わせ、思わずクスリとしてしまう。石田九段は柏将棋センターの席主として普及に務めており、常連客も多いと聞く。これも石田九段の人徳のなせる業であろう。将棋界に欠かせない棋士である。

5位 藤井猛九段
藤井九段はNHK杯トーナメントでの解説がおもしろい。局面の変化よりも、考え方に重点を置いて解説してくれるので、全般的に参考になる。しゃべりはボソボソしているが、そこも「味」である。また直近の丸山忠久九段とのNHK杯で「ココセ」を指し、大逆転負けをしたときのボヤキは絶品だった。勝っても負けてもムッツリ顔で感想戦をされたって、おもしろくない。本音をさらけだしてくれるところがよい。今期の順位戦ではパッとしない成績だが、踏ん張って残留を決めてもらいたい。

6位 大野八一雄七段
大野七段は植山七段の盟友である。もし植山七段と知己になっていなかったら、大野七段もただの棋士としか認識していなかった。大野七段は気さくな方で、私のような者にも、気軽に声を掛けてくださる。自宅教室では、自ら指導対局をこなし(中には客同士で対局をさせる教室もあるのだ)、その姿勢には頭が下がる。公式戦で勝ちまくって、順位戦に復帰してほしい棋士である。

7位 木村一基八段
誰がつけたか「千駄ヶ谷の受け師」。LPSAファンクラブのシークレットゲストとして招ばれた際、衝立の向こうで1時間もじっとしていたというエピソードを持つ。タイトルを獲ってほしい棋士のひとりではあるが、すんでのところで獲れない。若かりし頃の米長邦雄永世棋聖を彷彿とさせる無冠の状態も、それはそれでなんとなく好きだ。

8位 窪田義行六段
窪田六段は、むかしから将棋ペンクラブを応援されている。関東交流会や大賞贈呈式でも、必ず出席してくださる。年会費だけ出して、ペンクラブの活動には無関心という棋士が多いなか、これはなかなかできないことだ。将棋に対する考え方も独特で、仕種や言葉遣いも含め、魅力満載の棋士である。

9位 佐藤康光九段
佐藤九段といえば、定跡最前線に精通する学究肌に見えたが、ここ数年の奔放な指し回しに大きな魅力を感じた。しかし最近はその反動からか、A級順位戦の成績が芳しくない。ま、命を取られるわけではないし、落ちたらまた上がればいい。勝敗はもちろん大事だが、これからも「佐藤康光」の将棋を見せてもらいたい。

10位 森安秀光九段
森安九段は、七段時代に十段戦リーグに入っていたころが、いちばん脂がのっていたと思う。その粘着流振り飛車にはしびれたものだった。昭和59年の名人戦で、当時の谷川浩司名人に挑戦したときは、森安八段(当時)の名人奪取も十分あるとフンでいたが、1勝4敗で敗れた。叩き上げの森安九段には、旅館やホテルで指す2日制の将棋は性に合わなかったのかもしれない。44歳での早逝が、返すがえすも惜しまれる。

次点 郷田真隆九段
郷田九段は剛毅な棋士だ。流行りの戦法に目もくれない、という姿勢が素晴らしい。最近まで、携帯電話はもちろん、パソコンも保有していなかった。その後どちらかを購入したと聞いたが、いずれにしても、自分の生き方、指し方を貫いている人だと思う。おととしのLPSA「1dayトーナメント・フランボワーズカップ」では、郷田九段の「分かりません」という名解説が、伝説の決勝戦に花を添えた。

以上、故人3名、順位戦A級4名、B級2組1名、フリークラス3名となった。ちょっと偏りがあるだろうか。まあ、これも私らしい。
コメント (16)
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