一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

今宮戎神社・巫女さんの美しさ&「Bins Gate Cup」を見に行く(序章)

2010-01-13 01:08:05 | 旅行記・G.W.編
11日(月・祝)は、起床するとさっそく1階に下り、フロント横にあるパソコンでブログを書く。この日は西九条駅の近くでLPSA主催の1dayトーナメント「Bins Gate Cup」を観戦する予定だが、10時30分までに会場へ入ればよい。
9時すぎにチェックアウト。この日も遅い時間になった。しかしまだ余裕である。近くに今宮戎神社があるのでお参りする。
参道に入ると両側に露店があり、朝も早いのに意外に人が多い。神社に入ると一層拍車がかかり、たいへんな人出だ。中央に本殿と思しき建物があり、その右手では、社務所風の建物から、金色の烏帽子をかぶった何人もの巫女さんが笹を持ち、黄色い声を挙げている。皆さんかわいらしい。彼女らを写真に収めているカメラ小僧(オジサン)もいる。なんだか今回の旅行は、意外な場所でカメラ小僧に遭遇する。
私はそのまま反時計回りに歩く。と、その風景が延々と続くのでおどろいた。
な、なんだこれは!? 巫女、巫女、巫女のオンパレードである。よく見ると、カメラ小僧も満遍なくいる。神社内には「ショーバイハンジョー、エベッ様! ショーバイハンジョー、笹モッテコイ!」のBGMが流れている。さすがは大阪、ノリがいい。
私は出入口右手にある社務所まで「Ω」のように1周し、ここで御朱印をいただく。300円。ちなみに御朱印の初穂料は、たいてい300円である。ときどき「お気持ちで」という神社があるが、そのときは200円にしている。以前、「お気持ちで…。でも皆さん300円ぐらい納められます」と言うから300円を納めようとしたが、小銭が250円しかない。だからそれを手渡したら、「50円足りませんが…」と言われた。それなら最初から「300円」と明示すべきであろう。
「――これは、いつもこんなにヒト(参拝者)がいるんですか」
私は「ふつう」の格好をした巫女さんに訊く。
「いつもはもっとすごいですよ」
そうなのか…。なんだかよく分からないが、参拝者はともかく、巫女さんの数がすごい。圧倒される。
そこで私もカメラ小僧に変身する。何度も書くがかわいいいコばかりで、血が騒いでしまう。あるカメラ小僧がカメラを向けると、巫女さんはにっこり微笑んでいる。写真に撮られるのもお勤めのうち、と割り切っているようだ。東京オートサロン…いや、大阪オートメッセの巫女版という感じか。巫女フェチにはたまらない環境であろう。
私もありがたく何枚か撮らせていただく。片手に御朱印帳を携えているので、ほかのカメラ小僧とは違うんだぞ、と主張しているつもりだが、恐らく彼女たちには通じていない。
もう西九条に向かわねばならないが、このまま撮影を続けてしまおうか。LPSAの公開対局は何度も拝見しているし、指導対局も申し込んでいない。1時間ぐらい遅れても、誰に咎められることもない。
しばらく逡巡したが、中倉宏美女流二段や島井咲緒里女流初段の顔が脳裏に浮かんでくる。
「バカだな…」
私は巫女さんの大群を振りきると、JR新今宮駅に戻るのだった。

大阪環状線9時57分発の電車に乗る。シートに座り先ほどの光景を思い出すと、ハッと気がついた。
巫女さんだ! 中倉女流二段は巫女さんの姿が似合う!
いままでモヤモヤしていた霧が晴れた気分だった。その直後、電車は弁天町に着いた。弁天…弁天様…。
さらにひとつ先の西九条で下車し、対局場である「クレオ大阪西」へ向かう。目指す建物の手前に公園があったので、トイレで用を足していると、公園内を横切る、見覚えのある顔が見えた。東京の駒込サロンで顔を合わせるTo氏だった。彼は今回の観戦予約はしていなかったはずだが、フト思い立ち関東から訪れたものか。
会場に入ったのは10時14分。結局開会の10時30分に、余裕で間に合ってしまった。鉄道ファンは、遅刻はしない。なぜなら、列車の乗り遅れが命取りになるケースがあるからだ。だから時間にはシビアなのである。もし遅刻する場合は、確信犯と見ていい。ついでに書くと、遅刻常習のプロ棋士は、私は応援しない。
解説室となる3階の研修室入口でスリッパに履き替える。もう何人もの観客がいる。関西在住の、将棋ペンクラブ会員・H氏が座っていた。
「夜行バスで来たんですか?」
と訊かれるが、苦笑してやりすごす。2日かけて鈍行列車で来ました、とも言えない。
定刻を2分すぎて、今回の対局者である中井広恵天河、石橋幸緒女流四段、鹿野圭生女流初段、中倉女流二段、島井女流初段、大庭美樹女流初段、そして解説者である安用寺孝功(あんようじ・たかのり)六段が登場した。
中井天河・代表理事の挨拶のあと、本大会の協賛社のひとつである社団法人此花工業会からも祝辞があった。同会は、2年前の協賛社でもある。あのときは同社内で「Bins Gate Cup」が行われた。西九条からひとつ先の阪神電鉄・千鳥橋が最寄り駅で、「昭和」を感じるレトロな外観だった。
いまもそうだが当時も島井女流初段はたいそう綺麗で、危なげなく決勝に進出すると、北尾まどか女流初段との激戦を制し、見事優勝した。このときはほとんどの観客が島井女流初段の優勝を予想していた。当時の島井女流初段は、そのくらい勢いと信用があったのである。
そんな島井女流初段は昨年、女流名人位戦でB級から陥落した。2年前が島井女流初段のピークだったとは思いたくない。
いっぽうの北尾女流初段はというと、同じ女流名人位戦でA級に昇級し、この日も「とちぎ将棋まつり」で奮闘するはずだ。「どうぶつしょうぎ」という商品がなかったあの頃が、なぜか懐かしい。
さらに昔話を続けると、このときの指導対局は変則的で、すべての対局が終わってから行われた。私は藤田麻衣子女流1級から指導対局を受けて大いに感激し、その日の模様を「将棋ペン倶楽部」に投稿したのだった。
――現在に戻る。
今回も恒例の勝者予想クイズがある。先月の「フランボワーズカップ」に続いて、全局の星を当てるのだ。
今回も中井天河の優勝と予想、対抗は石橋女流四段とした。石橋女流四段のキャンキャンした指し手に、中井天河が抑え込む展開になりそうである。
おふたりはシードで両端から出てくるので、必然的に3局の予想が決まった。問題は残りの2局、鹿野女流初段-島井女流初段、中倉女流二段-大庭女流初段である。
LPSAは、中井・石橋に次ぐ実力ナンバー3が不在だ。過去に入れ替わりがあったが、現在はドングリの背比べで、混沌としている。ゆえにこちらの勝敗予想が難しいのだ。
鹿野-島井戦は、鹿野女流初段の実力を買っているし応援したいが、直近の天河戦予選リーグ、フランボワーズカップ、女流名人位戦予選では悉く敗れている。もう勝利は期待できない。さりとて島井女流初段が勝つとも言い切れないが、何といってもディフェンディングチャンピオンである。私はその実績に賭けた。
中倉-大庭戦も難しい。互角、と言うしかないが、年末年始の中倉女流二段の意気込みに賭けた。両局とも、多少の願望は入れたことになる。
対局は10時40分から、2階で行われる。1回戦の4名が対局室に向かうのを見て、私もあとに続く。対局室は椅子席で、向かって左から中倉-大庭、島井-鹿野と位置されていた。
観客席は椅子が2列に並んでいるのみだった。私は後方中央の椅子にすわる。対局室は思ったより狭く、背もたれが壁についている。ともあれここが対局者4人を俯瞰できるベストの席だ。と、右に座った紳士氏が、
「いつもブログ読んでます」
と小声で言うので、「ブフォ」と苦笑してしまった。たいへんありがたいことでそのまま話をしたいが、静謐の対局室では私語を憚られる。地声が大きい私にはヒソヒソ話が難儀だ。私はそのまま前を向いたままでいると、やがて対局が開始された。
紳士氏は用は済んだということか、しばらくすると部屋を出ていく。と、私の前にいた老紳士が、コンパクトデジタルカメラで中倉-大庭戦の写真を撮った。対局中の撮影は厳禁である。私はイヤな予感がした。
(つづく)
コメント (9)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする