一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

九州旅行2011年4月29日(後編)・味わいのある宿

2011-05-06 23:01:43 | 旅行記・G.W.編
今回の旅行の目的は例年のように、鹿児島で行われる「吹上浜 砂の祭典・世界砂像フェスティバル」と、博多で行われる「港まつり博多どんたく」を観ること、それと吹上浜ユースホステルのペアレントさん(主人)と、JR枕崎駅前にあるブティック「歩揺(ほよう)」の女性主人と会うことである。
予定が鹿児島県に固まっているが、それなら最初から鹿児島空港便にすればいいじゃないか、と意見するのは読みが浅く、楽しみは少しでも先に伸ばしたいのだ。
5月5日も休みが取れたので、6日まで九州に滞在するつもり。ただしどこの空港から帰るかは、決めていない。
北九州空港のロビーに着くと、案内カウンターの中に、銀河鉄道999・メーテルの等身大?人形があった。なぜメーテルなのかよく分からぬが、北九州空港のイメージガールでもしているのだろうか。
ともかくこれで、船戸陽子女流二段への土産話はできた。
北九州空港から、ふつうは小倉へ向かうのだろうが、私は連絡バスで朽網(くさみ)へ向かった。このみどりの窓口で、日豊本線経由で枕崎までの切符を買う。引き返すことのできない片道切符だ。通用期間は4日間、9,140円だった。
ここ数年の傾向として、私は大判時刻表を携行しない。少しでも身軽に行動したいからだ。必要とあらばその都度、駅備え付けの時刻表で調べればよく、それでほとんどが事足りてしまう。
ただし、宿に入って計画を立てるという楽しみはなくなる。もっとも最近はネットカフェという名の宿に泊まることも多く、旅行に行ってるんだかブログを書きに行ってるんだか、なんだか訳の分からないことになっている。
普通列車に乗り、12時34分、中津に着く。中津といえば鶏の天ぷらだが、街には福沢諭吉に関する記述が多い。駅前には銅像もある。福沢諭吉と中津は深い関係があるのだろう。
いったん改札を出たが、13分の待ち合わせで大分行きがあるので、それに乗る。14時20分、大分着。
ここで遅い昼食を摂ることにする。ところでこの駅前、どこか見たような気がすると思いきや、1年前のG.W.にも私はこの駅で降りていたのだった。いつだったか、私が毎年同じ時期に同じ場所へ旅行に行っていることを、W氏に笑われたことがあったが、この有様では笑われても仕方がない。
ランチタイムは過ぎていたが、駅構内にとり天定食を食べさせる店があり、そこで食事。とり天はサクッとしていて、うまかった。
駅構内で、胸元が強調された服を着ている女性を2人見る。これは大分だけのものなのか、九州全体に云えるのか。長居したくなるが、先を急ぐ。
15時10分、幸崎(こうさき)行きの普通列車に乗る。しばらくして、「床に座るのはご遠慮ください」の放送が入った。JR九州ではおなじみの放送で、ドアには「しゃがみこみ禁止」のステッカーも貼ってあるが、これはJR九州だけだと思う。数年前、床に座っている男子高校生に、車掌が注意をしていたのを見たことがあるが、
「九州男児が、情けなか」
とか言っていた記憶がある。
JR九州の車両デザインは、工業デザイナーの水戸岡鋭治が手がけているが、みな素晴らしいデザインである。高校生が床に座ってしまうのも、無理ない気がする。
幸崎で佐伯(さいき)行きの列車待ち。ホームでボーっとしていると、駅員さんが
「大分方面はこれです!!」
と、3番線にいた女子高生らに叫んだ。
「ウソーッ!!」
と叫び返し、慌てて1番線に移動する彼女ら。どうも、待っているホームを間違えたようだ。山田洋次監督作品のワンシーンのような、微笑ましい光景だった。
佐伯から、本日の最終ランナー、延岡行きの普通列車に乗る。なぜきょうの行程がこうまでキチキチだったかといえば、この列車に乗りたかったからだ。佐伯-延岡間の下り普通列車は1日3本。6時20分の列車を逃すと、次は私がこれから乗る17時14分までないのだ。その次は18時39分だが、これだと車窓が暗くなってしまい、おもしろくない。
むろん特急列車はバンバン走っているが、特急料金を払うほど私はおカネ持ちではないし、それより何より、1日に3本しか走っていない普通列車のひとつに乗ることが、鉄道マニアとして、えも言われぬ快感なのである。
山の中を走る日豊本線を堪能して延岡着、駅前で夕食を摂る。テレビではウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式の模様が流れている。そういえばウィリアム王子のお母さんであるダイアナ妃が亡くなったときも、私は旅の空にいたのだった。
キャサリン妃はハッと息をのむ美人。不釣り合いのカップルだと思った。
さらに一駅先の南延岡にあるネットカフェに行くつもりだったが、延岡駅近くに銭湯があることを駅構内の貼り紙で知り、一風呂浴びてから行くことにした。
ところがその銭湯への途次、素泊まり3,000円のビジネス旅館と和風旅館を発見。ビジネス旅館のほうは断られたが、和風旅館のほうは空きがあったので、ここに泊まることにした。こうやって予定をコロコロ変えられるのも、ひとり旅の身軽さである。
旅館は築ウン十年らしい、味わいのあるたたずまいだった。中に入ると床がギシギシいって、いまにも抜け落ちそうだ。北海道の旭川にもこんな雰囲気の宿があった。
若主人が、お茶を持ってきてくれる。それがなんと500mlのペットボトル。これは予期しなかった「お茶」で、うれしくなった私はその夜、おかげで熟睡することができた。
(つづく)
コメント (3)
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