一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

九州旅行2011年5月4日(前編)・博多どんたくにビッグゲスト登場!!

2011-05-12 17:41:15 | 旅行記・G.W.編
ガサガサッ…、ガサササッ…。
耳障りな音で、目が覚める。時刻は午前4時50分。ここは鹿児島-福岡行きの夜行バスの中だ。音の主は左の席のおばさん。この人、昨夜私が席にすわったときから、手提げ袋の中をガサガサやっていた。たぶんこのおばさん、一晩中この作業をやっていたのだろう。強迫観念にかられているのか、何かが気になってしょうがない、おばさんの持病なのだろう。
その前の席、つまり私の左ナナメ前の席の女性は、ノースリーブの服からのぞく二の腕が、艶めかしいほど、白い。
その腕をぼんやりと眺めながら、昨夜私は、眠りに落ちたのだった。
いったん目が覚めると、もう寝つけない。博多バスターミナルの到着予定時刻は、5時51分。あと1時間だ。
5時すぎ、左のおばさんが、カーテンを少し開けて、外を見る。暗かったバスの車内が、少し明るくなる。やがて、車内の蛍光灯が、パッと点いた。もう起きろ、ということだ。
定刻より7分早い5時44分、バスは博多バスターミナルに到着した。きょうの予定は、一日中「博多どんたく港まつり」を楽しむこと。今回の旅行のメインイベントでもある。下車したおばさんが、荷物を運び出している運転手さんに話しかけているのを横目に、私はバスターミナルの中を8階に上る。ここのネットカフェで、とりあえず仮眠をするためだ。
早暁なので、まだ「ナイトパック」が適用された。しかし個室は満室で、パソコンが数台並んでいる、オープンスペースが充てられた。
それでも、24時間営業の店ができて、ありがたいことだと思う。4~5年前だったら時間を持て余し、彷徨していたところだ。
10時半すぎ、ネットカフェを出る。きのうの雨とはうって変わり、きょうはいい天気だ。JR博多駅の駅ビルは、九州新幹線の全通に合わせリニューアルオープンしたばかり。駅前にも博多どんたくの会場があり、早くも大勢の人々でごった返している。
早速その輪の中に入る。と、その中にロリ系ファッションの団体が目に入った。博多どんたくにはいくつもの団体がエントリし、各舞台で演舞をするが、彼女らもそのひとつらしい。
幟を見ると、「Qun Qun 九州発 部活系アイドルユニット」と書いてある。
部活系――。素晴らしい響きである。九州のAKB48みたいなものだろうか。これはカメラ小僧の血が騒ぐところである。私はふらふらと彼女らの後を追ったが、まずはパンフレットを貰って、イベントプログラムを把握するのが先決と考え直した。
私は駅前に戻り、パンフレットを貰う。博多どんたくは今年で50回目。まさに節目の年で、何か大物ゲストが登場しそうな予感である。
博多どんたくと一口にいっても、ひとつところでイベントが行われるわけではなく、それは博多駅前から中洲、天神まで、広範囲に亘る。どんたくのメインは午後3時に始まる明治通りでのパレードではあるが、それまでどの舞台を楽しむか、その取捨選択もカギとなる。
Qun Qun(キュンキュン)は、「はかた駅前通りどんたく広場」で、11時からの「ダンス&ソング」の回で登場するらしい。
それを楽しみに、博多駅前の演舞台で待っていたが、どうも様子がおかしい。そこでパンフレットをもう一度見ると、「はかた駅前通り」と「博多駅本舞台」は別で、駅前の大通りで彼女らの演舞があるのだった。あぶなく見過ごすところだった。
「はかた駅前通り」は、私の記憶では、今年新設された舞台。明治通りパレードのミニ版といったところで、約100mの車道を、めいめいがパフォーマンスをしながら練り歩くのだ。
観客もさすがに多く、二重三重の人垣ができていた。私はカメラを携え、スタート付近に陣取る。幸い、Qun Qunの登場はまだだった。
ダンススタジオや踊りの同好会の演舞が続いたあと、Qun Qunの面々が見えた。
つ…ついに、彼女らの演舞が見られるのだ!!
注目の中、彼女らがスタートした。場内放送によると、彼女らは総勢98人。見たところいずれも10代で、ヒラヒラのミニスカートがまぶしい。その存在自体が神である。いったい、どんな演舞を見せてくれるのだろう。まさかAKB48のナンバーを歌うわけではあるまいな、と見ていると、彼女らは観客に手を振って、歩くだけだ。
…ん? 不審に思いながら、私は彼女らを追いかける。パレードの中間地点まで来た。ここで何か歌うんだろうと思いきや、そこも過ぎる。やっぱり、艶然と笑って、手を振るだけだ。そして彼女らは、そのままゴール地点まで達してしまった。
…ええっ!? 何も歌わないの?? ただ手を振って終わり!? な、何しに出て来たんだよ…!!
などと憤慨してはいけない。ここは10代の健康的な女子の笑顔を見られたことで、佳としなければならない。ま、まだ、先は長いのだ。
すぐにでもほかの会場を巡りたいところだが、まだ後続の団体がパフォーマンスを続けているので、拝見することにする。
「マーチング&パフォーマンス」の部では、バトンや吹奏楽など、見事な演舞に、大きな拍手を送った。
しかし、どうも消化不良である。…と、スタート地点が騒がしい。
と、派手なトラックが現れた。あれは? 
あああっ!! ミッキーマウスだ!!
ミッキーマウスが、ミッキーマウスが、展望台に現れた!!
ミニーマウスもいる!! かわいらしいしぐさで、観客に手を振っている! 本当なのか!? この光景は、夢じゃないのか!?
ドナルドダックがいる! プルートもいる!
スティッチは綺麗なお姉さんに手を引かれ、手を振っている。たぶん、反対側にも別のキャラクターがいるのだろう。
でも彼らはいま、東京ディズニーランドにいるんじゃないのか!? そうか…博多どんたくの50回を記念して、遊びに来てくれたのだ!!
本当なんだ! これは、夢じゃないんだ!!
観客の誰もがミッキーの登場に歓喜し、大きな声援を送った。いまこの場所が、シンデレラ城や、It’s a Small Worldになった。ディズニーの世界に変わったのだ。みんながケータイを手にし、彼らを撮影した。もちろん私も、そうした。
実は私は、生のミッキーマウスを見たのは初めて。東京ディズニーランドに行ったこともない。しかし今回、思わぬことから夢の世界に誘われ、感激に浸ることになった。
「ミッキー、ありがとう!!」
私は心の中で、ミッキーとその仲間たちに、感謝の言葉を贈ったのだった。
(つづく)
コメント (2)
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