一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

「大沢さんって、いじわるなんだ」

2011-05-20 00:15:35 | LPSA木曜ワインサロン
きのうのフジテレビ系「とんねるずのみなさんのおかげでした」の「きたな美味い店」で、JR久留里駅近くの中華料理店が出たが、ここは数年前、私が入ったことのある店だった。

12日は、船戸陽子女流二段主宰のLPSA木曜ワインサロンに行った。前回お邪魔したのは2週間前だが、それから旅行をして、ここまで駒には全く触らなかった。船戸女流二段に対しても、将棋に対しても、若干の禁断症状が出ていたころだった。
またもや雨の降る中、午後6時半ごろ、サロンに入る。もちろん一番乗りである。束の間の2人の時間を楽しみたいからだが、これが図に当たった。
前回の回想に戻るが、あのときは船戸女流二段が体調不良で、ハナ声だった。女性のハナ声は魅力的だと思う。過去に私は、藤森奈津子女流四段、中井広恵女流六段のハナ声を聞いている。ことに藤森女流四段のそれはアニメ声で、私は一遍にファンになってしまった。しかしハナ声は期間限定。その次に会った時、藤森女流四段はふつうの声に戻っていて、大いに落胆した覚えがある。
前回の船戸女流二段の声は道端ジェシカそっくりで、船戸女流二段には申し訳ないが、この時は彼女の顔を見ないようにして声だけを楽しみ、道端ジェシカと将棋を指している妄想を楽しんだのだった。
今回は船戸女流二段も全快し、いつもの声である。ちょっとガッカリしたが、まあいい。
船戸女流二段と他愛もない会話を楽しむが、一段落すると、もう話すネタがない。妙に緊張してきて、私はとりあえず夕食に出た。
隣の吉野家に入り10分でサロンに戻ってくるが、客はまだ私しかいない。
「あ、船戸先生、きょうの対局はどうでした?」
きょう12日は、女流王将戦予選の対局があったのである。しかし船戸女流二段は答えない。私はなおも追及する。
「あれ? きょうじゃなかったっけ…女流王将戦の対局がありましたよね」
「大沢さんって、いじわるなんだ」
「あっ…負けた? 負けたんですか?」
「……」
これはイケナイことを聞いたようである。気まずい雰囲気になってしまった。
「このままだと1対1のサロンになっちゃいますね」
私の船戸女流二段への想いを知ってか知らずか、船戸女流二段がドキッとすることを言う。
ワインサロンは午後7時からだが、もう6時55分である。テーブルには6脚のワイングラスが乗っているから誰かは来るだろうが、船戸女流二段の言葉が、冗談と言えなくなってきた。
1対1…。個人授業…。プライベートレッスン…。ああっ、イケナイ妄想をしてしまう。
6時57分、ミスター中飛車氏が来る。ホッとした半面、どこかで残念に思う自分がいた。
7時を過ぎたが、ほかに客が来ないので、じゃあ先に将棋を指しましょうと、とりあえず駒を並べる。と、中飛車氏が、
「あれ、船戸さん、きょうは対局でしたよね」
と問う。
げえっ!! そ、それを言うのか!? 船戸女流二段は、案の定答えない。しかし中飛車氏もさらに突っ込む。「たしかきょうでしたよね。対局予定に船戸さんの名前があったから――」
「中飛車さん、女流王将戦はなかったことにしたほうがいいみたいよ」
これ以上突っ込んで、船戸女流二段にヘソを曲げられては敵わない。慌てて私が制す。
「…240手もかかっちゃいました。今期は長手数ばっかり。『オンナ淡路』ですね」
と、これは船戸女流二段。ようやくジョークらしきものが出て、ほっと一息つく私であった。
その後はKun氏、K・T氏と見え、いつものメンバーの中、ワイン講義が始まった。ちなみに残りの2名は、そのまま欠席のようだった。
きょう出されたワインは、「Chablis(シャブリ)」。世界中でいちばん売れている白ワインらしい。日本では長野県小諸産が有名とのこと。小諸といえば、私には寅さん記念館と小諸そばしか連想できない。
このシャブリ、ピンからキリまであるが、たとえば牡蠣を食すときには、リーズナブルなシャブリがよく合うらしい。いずれにしてもシャブリはわりと高価なようで、木曜ワインサロンは、けっこう出血サービスをしている。
指導対局開始。きょうの船戸女流二段のテーマは、「いつもは指さない戦型」らしく、私とは相矢倉になった。確かに珍しく、これで船戸女流二段との平手戦は43局に上るが、相矢倉はこれが初めてであった。
蛇足ながら、船戸女流二段との指導対局はこれが50局目(ほかに10秒将棋が3局ある)。よくこれだけの数になったものだと、感慨深いものがあった。
中盤、船戸女流二段が穴熊に潜る。私は端攻めに出て有利になったが、決め手を逸してからは混戦模様。否、非勢を感じていた。
私は左右挟撃態勢を整えたいが、わずかな隙を衝いて、船戸女流二段の△9六歩~△9八歩~△9七歩に、私が▲同香と取ったのが疑問手。すかさず△9八銀と打たれ、苦戦を覚悟した。
対局中にこんな気持ちになってはいけない。以下は6手進んだところで、私の投了となった。投了1手前の私の手が疑問手で、ここで正着を指せばまだこれからの将棋だった。また投了の局面もむずかしい形勢だったのだが、私が戦意喪失してしまったのだからしょうがない。
感想戦では、船戸女流二段も形勢不利を自認していたとのこと。ただ、私の悲観のほうがひどかったようである。つくづく将棋はメンタルなゲームだと感じた。
感想戦が一区切りすると、8時20分、私は早々とサロンを後にした。前回よりも早い退出だった。
コメント (6)
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