諫早は「諫早グリーンホテル」に泊まる。3,900円。ここは大風呂がついており、久しぶりにさっぱりすることができた。
夜は午前2時ごろ就寝。翌18日(日)朝は8時に起きた。ホテルでの朝食はオーダーしなかったので、そのままホテルをチェックアウトしたいが、スマホの充電を忘れていた。充電器をコンセントに挿すが、旅先でこんなことをするようになるとは、私もオチたものだ。
九州最終日のきょうの予定は、とりあえず長崎駅に行き、どこか温泉に入るというものだ。
諫早バスターミナルに戻ると、長崎駅前行きのバスが、30分間隔で出ていた。
8時29分のバスが出てしまったので、次は59分だ。15分ほど待つと、バスが来た。しかし、諫早からの乗客は少ない。諫早-長崎なら、ふつうはJRを使う。「SUN Qパス」もかなり市民権を得たが、JRとの競合区間では、やはり分がわるい。
路線バスの特色は、あっちこっちに寄り道するルートがあることだ。このバスも、高台の団地街がルートになっており、景色がくるくる変わって愉快だった。
10時15分、長崎駅前着。まずは遅い朝食である。長崎駅前は「吉野家」。280円の牛鍋丼があったが、私は380円の牛丼を頼む。100円も余計に出費するとは、私もずいぶん偉くなったものだ。
牛丼専門店はいろいろあるが、やはり吉野家がいちばん美味い。
腹もくちくなって、駅中の観光案内所に行く。旅行にガイドブックは必携だが、私は携行しない。こうして駅前で聞くのがてっとり早い。
美人スタッフに、市内の有名観光地はいいから、どこか温泉に入りたいと要望を出すと、伊王島がいいと教えてくれた。伊王島! 去年だかおととしだか、「伊王島からの手紙」という映画があった。歴史の香り漂う島ではないか(注:読者からの指摘で、この映画は5年前に公開された「硫黄島からの手紙」でした。完全に錯覚していました)。
伊王島へは高速船が出ているが、「SUN Qパス」があるので、これをとことん使い尽くす。「SUN Qパス」の利用はきょうが最終だが、10,000円のモトは取ったのだろうか。
駅前の長崎県営バスターミナルに入るが、伊王島方面のバスは、長崎バスが運行しているという。
そこで、長崎バスが発着している長崎新地バスターミナルまで行き、窓口のおじさんに島への行き方を聞いた。ふむふむ。そこからグッドタイミングで、恵里行き、つまり伊王島方面行きのバスが来た。
11時43分、安保(あぼ)着。きょうは休日なので、伊王島直通のバスはないそうで、ここから島まで歩いて行く。
長さ600メートルの香焼トンネルに入る。トンネル内がずいぶん綺麗だが、最近開通したのだろうか? 前後に人がいないので、雅夢の「愛はかげろう」を口ずさむ。中井広恵女流六段とのカラオケ&焼肉パーティーでは、勝負だ。
伊王島大橋を渡る。橋のたもとには、「平成23年3月竣工」とあった。できたのは最近じゃないか! ということは伊王島は、それまで孤島だったのか。
橋を渡り終え、ついに伊王島に上陸する。しばらく歩くと、200メートル先に、マイクロバスが走っているのが見えた。あれはどういうルートを行くのだろう。
さらに歩くと、バス停が見えた。と、私のすぐ後ろから、バスが追い越して行った。あれは先ほどのバスが引き返して来たのだろうか。
バス停に着いた。「馬込浜」と書いてある。これは終点の伊王島灯台まで行くが、時刻表には12時19分発とある。あれっ? じゃあ、さっきのバスが…でもいまは、12時18分だぞ!? あのバス、予定時刻より早く、バス停を通過して行きやがった!
次のバスは14時24分発である。
なんだよ…すっかりクサッて、私はそのまま歩く。伊王島港が右手に見えた。高速船で来れば、ここに着くのだ。
さらに歩くと、オレンジ色の屋根で統一された、宿泊施設やレストラン、温泉センターがあった。ここが、「やすらぎ伊王島」と喧伝しているエリアらしい。
まずは温泉である。「天然温泉大浴場・ゆゆ」。入浴料は、貸しタオルつきで735円だった。
温泉は古風な感じで、人もいなかったので、思わず写真を撮る。と、戸のところに「撮影はご遠慮ください」との注意書きがあった。ヤベエ…。私と同じ考えをする手合いがいるらしい。
温泉内は、ぬるめの石風呂、熱めの檜風呂、樽風呂。サウナに水風呂、そして露天風呂があった。石風呂は、ローズマリー風呂となっていた。定員1名の樽風呂に浸かる。熱くもなくぬるくもなく、いい湯だ。何か、自分が醤油になった気がした。
露天風呂に入る。平日ではないが、休日に温泉に入るのも気分がいい。お湯はぬるく、吊るされている温度計は、38度を指していた。
露天風呂の似合う女流棋士といえば、LPSAでは中倉宏美女流二段、女流棋士会では岩根忍女流二段であろう。LPSAでちょっとマニアなところでは多田佳子女流四段だが、まあふつうは、宏美女流二段である。あの和風の顔立ちは、露天風呂によく似合う。彰子女流初段との姉妹入浴も絵になりそうである。乳白色の肌がちょっと桜色に染まって…。ふふっ。来年の妄想カレンダーは、宏美女流二段の了解を得て、「中倉宏美・禁断の温泉カレンダー」を発表しちゃおうか。…あっ、コーフンしてきた…。
いい感じに温まって湯を上がり、隣接のレストランに入る。「ファミリーダイニング・うららか」。綺麗なお姉さんとシャレたお兄さんにうやうやしく案内され、席につく。
店内は贅沢なまでに広く、眼前に広がる海が美しい。
スタッフの動作もキビキビしていて、よくサービスが行き届いている。これはいいレストランである。最終日の昼食は贅沢にしたいが、さんざん考えて、「ハーフポンドハンバーグさっぱりおろしソース」とご飯セットを頼んだ。合わせて1,180円。
あつあつのハンバーグは美味かった。大いに満足して店を出、「学校前」バス停でバスを待つ。次は「灯台入口」行きで、14時36分発だ。まだ時間はあるが、さっきの例があるから、到着時刻はアテにならない。と、14時32分にバスが来た。4分も早い!
伊王島はコミュニティバスで、どこまで乗っても一律100円。「SUN Qパス」は利かないが、乗って損はない。
バスは「灯台入口」を通り越し、「伊王島灯台」まで行ってくれた。このため、バスの発着時間が少し早目だったのだろうか。
灯台に挨拶して、これで一応の目的は果たした。帰りはまた、バスで長崎駅前まで戻る手はあるが、いささか味気ない。片道ぐらいは、高速船を使おうと思う。となれば、夕方の時間に余裕ができる。
家へのお土産に、カステラを買おうと思う。以前たまたま見たBS番組で、最近結婚した元宝塚の女優が、カステラの名店をレポートしていた。あそこに行きたい。しかし女優の名前はド忘れするし、新郎の名前もド忘れするし、店の名前は知らないし、探しようがない。
だが、私にはスマホがある。「相棒 テレビ朝日」→「及川光博 結婚」→「檀れい BS 長崎県 カステラ」と検索を重ね、「千寿庵」の名前を導き出した。むろん所在地も分かった。なんとも便利な世の中になったものだが、味気なくもある。
夕方の予定も決まったので、坂下の灯台資料館に行く。…あれっ? あれあれっ!? この白い建物…以前見た記憶がある。この錆ついた給水塔も…。オレ、ここに、以前来たことがあるんじゃないか!? 私はその場に立ちつくした。
(つづく)
夜は午前2時ごろ就寝。翌18日(日)朝は8時に起きた。ホテルでの朝食はオーダーしなかったので、そのままホテルをチェックアウトしたいが、スマホの充電を忘れていた。充電器をコンセントに挿すが、旅先でこんなことをするようになるとは、私もオチたものだ。
九州最終日のきょうの予定は、とりあえず長崎駅に行き、どこか温泉に入るというものだ。
諫早バスターミナルに戻ると、長崎駅前行きのバスが、30分間隔で出ていた。
8時29分のバスが出てしまったので、次は59分だ。15分ほど待つと、バスが来た。しかし、諫早からの乗客は少ない。諫早-長崎なら、ふつうはJRを使う。「SUN Qパス」もかなり市民権を得たが、JRとの競合区間では、やはり分がわるい。
路線バスの特色は、あっちこっちに寄り道するルートがあることだ。このバスも、高台の団地街がルートになっており、景色がくるくる変わって愉快だった。
10時15分、長崎駅前着。まずは遅い朝食である。長崎駅前は「吉野家」。280円の牛鍋丼があったが、私は380円の牛丼を頼む。100円も余計に出費するとは、私もずいぶん偉くなったものだ。
牛丼専門店はいろいろあるが、やはり吉野家がいちばん美味い。
腹もくちくなって、駅中の観光案内所に行く。旅行にガイドブックは必携だが、私は携行しない。こうして駅前で聞くのがてっとり早い。
美人スタッフに、市内の有名観光地はいいから、どこか温泉に入りたいと要望を出すと、伊王島がいいと教えてくれた。伊王島! 去年だかおととしだか、「伊王島からの手紙」という映画があった。歴史の香り漂う島ではないか(注:読者からの指摘で、この映画は5年前に公開された「硫黄島からの手紙」でした。完全に錯覚していました)。
伊王島へは高速船が出ているが、「SUN Qパス」があるので、これをとことん使い尽くす。「SUN Qパス」の利用はきょうが最終だが、10,000円のモトは取ったのだろうか。
駅前の長崎県営バスターミナルに入るが、伊王島方面のバスは、長崎バスが運行しているという。
そこで、長崎バスが発着している長崎新地バスターミナルまで行き、窓口のおじさんに島への行き方を聞いた。ふむふむ。そこからグッドタイミングで、恵里行き、つまり伊王島方面行きのバスが来た。
11時43分、安保(あぼ)着。きょうは休日なので、伊王島直通のバスはないそうで、ここから島まで歩いて行く。
長さ600メートルの香焼トンネルに入る。トンネル内がずいぶん綺麗だが、最近開通したのだろうか? 前後に人がいないので、雅夢の「愛はかげろう」を口ずさむ。中井広恵女流六段とのカラオケ&焼肉パーティーでは、勝負だ。
伊王島大橋を渡る。橋のたもとには、「平成23年3月竣工」とあった。できたのは最近じゃないか! ということは伊王島は、それまで孤島だったのか。
橋を渡り終え、ついに伊王島に上陸する。しばらく歩くと、200メートル先に、マイクロバスが走っているのが見えた。あれはどういうルートを行くのだろう。
さらに歩くと、バス停が見えた。と、私のすぐ後ろから、バスが追い越して行った。あれは先ほどのバスが引き返して来たのだろうか。
バス停に着いた。「馬込浜」と書いてある。これは終点の伊王島灯台まで行くが、時刻表には12時19分発とある。あれっ? じゃあ、さっきのバスが…でもいまは、12時18分だぞ!? あのバス、予定時刻より早く、バス停を通過して行きやがった!
次のバスは14時24分発である。
なんだよ…すっかりクサッて、私はそのまま歩く。伊王島港が右手に見えた。高速船で来れば、ここに着くのだ。
さらに歩くと、オレンジ色の屋根で統一された、宿泊施設やレストラン、温泉センターがあった。ここが、「やすらぎ伊王島」と喧伝しているエリアらしい。
まずは温泉である。「天然温泉大浴場・ゆゆ」。入浴料は、貸しタオルつきで735円だった。
温泉は古風な感じで、人もいなかったので、思わず写真を撮る。と、戸のところに「撮影はご遠慮ください」との注意書きがあった。ヤベエ…。私と同じ考えをする手合いがいるらしい。
温泉内は、ぬるめの石風呂、熱めの檜風呂、樽風呂。サウナに水風呂、そして露天風呂があった。石風呂は、ローズマリー風呂となっていた。定員1名の樽風呂に浸かる。熱くもなくぬるくもなく、いい湯だ。何か、自分が醤油になった気がした。
露天風呂に入る。平日ではないが、休日に温泉に入るのも気分がいい。お湯はぬるく、吊るされている温度計は、38度を指していた。
露天風呂の似合う女流棋士といえば、LPSAでは中倉宏美女流二段、女流棋士会では岩根忍女流二段であろう。LPSAでちょっとマニアなところでは多田佳子女流四段だが、まあふつうは、宏美女流二段である。あの和風の顔立ちは、露天風呂によく似合う。彰子女流初段との姉妹入浴も絵になりそうである。乳白色の肌がちょっと桜色に染まって…。ふふっ。来年の妄想カレンダーは、宏美女流二段の了解を得て、「中倉宏美・禁断の温泉カレンダー」を発表しちゃおうか。…あっ、コーフンしてきた…。
いい感じに温まって湯を上がり、隣接のレストランに入る。「ファミリーダイニング・うららか」。綺麗なお姉さんとシャレたお兄さんにうやうやしく案内され、席につく。
店内は贅沢なまでに広く、眼前に広がる海が美しい。
スタッフの動作もキビキビしていて、よくサービスが行き届いている。これはいいレストランである。最終日の昼食は贅沢にしたいが、さんざん考えて、「ハーフポンドハンバーグさっぱりおろしソース」とご飯セットを頼んだ。合わせて1,180円。
あつあつのハンバーグは美味かった。大いに満足して店を出、「学校前」バス停でバスを待つ。次は「灯台入口」行きで、14時36分発だ。まだ時間はあるが、さっきの例があるから、到着時刻はアテにならない。と、14時32分にバスが来た。4分も早い!
伊王島はコミュニティバスで、どこまで乗っても一律100円。「SUN Qパス」は利かないが、乗って損はない。
バスは「灯台入口」を通り越し、「伊王島灯台」まで行ってくれた。このため、バスの発着時間が少し早目だったのだろうか。
灯台に挨拶して、これで一応の目的は果たした。帰りはまた、バスで長崎駅前まで戻る手はあるが、いささか味気ない。片道ぐらいは、高速船を使おうと思う。となれば、夕方の時間に余裕ができる。
家へのお土産に、カステラを買おうと思う。以前たまたま見たBS番組で、最近結婚した元宝塚の女優が、カステラの名店をレポートしていた。あそこに行きたい。しかし女優の名前はド忘れするし、新郎の名前もド忘れするし、店の名前は知らないし、探しようがない。
だが、私にはスマホがある。「相棒 テレビ朝日」→「及川光博 結婚」→「檀れい BS 長崎県 カステラ」と検索を重ね、「千寿庵」の名前を導き出した。むろん所在地も分かった。なんとも便利な世の中になったものだが、味気なくもある。
夕方の予定も決まったので、坂下の灯台資料館に行く。…あれっ? あれあれっ!? この白い建物…以前見た記憶がある。この錆ついた給水塔も…。オレ、ここに、以前来たことがあるんじゃないか!? 私はその場に立ちつくした。
(つづく)