ああそうだ、この島には以前来たことがある…! しかしなぜ、気付かなかったのだろう。そうだ、前は高速船で来た上、灯台までは徒歩で行ったのだ。それに、レストランや温泉施設も、当時はなかった。私が別の島と認識したのもやむを得なかったのだ…とはいえない。一度訪れた島を忘れるとは、何たる不覚!!
数ヶ月前、LPSA芝浦サロンに来ていたS夫人が、以前旅行した場所を忘れてしまう、と言ったので、
「それなら同じ観光地へ旅行しても、いつも新鮮でいいですね」
と返したのだが、これでは私も、S夫人を笑えない。
ひどい自己嫌悪に陥りながら、資料館に入る。しかし私は、何も見ていなかった。
ポツポツ雨が降ってきた。上りのバスに乗る手もあるが、伊王島は小さく、港までは歩いて行けそうである。いや実際、数年前は往復とも徒歩だったのだ。次の長崎港行きは15時53分だから、時間的には大丈夫だ。
島中央の歩道を港まで歩いて行く。と、前を歩いていたカップルが、この近くに教会はありませんか、と聞いてきた。私も同じ旅人だが、即答できないのが、もどかしい。しかしまあいい。キミたちはカップルなんだから、ふたりでイチャつきながら、教会を見つければいい。
途中、何度か海沿いの道路に出る手があったのだが、私は高台の道をそのまま歩く。しかしこれが疑問手。途中で港を追い越してしまい、ヒヤッとした。
船の時間には辛うじて間に合い、乗船できた。港までは19分。バスとは比べものにならないくらい、早い。
長崎港ターミナルからは、タイミングよく諏訪神社前行きのバスがあったので、乗る。と、地元のおばあさんから、「これは○○に行きますか?」と聞かれた。しかし、私には分からない。国語算数理科社会…旅先において、勉強しておけばよかった、と痛感するのが「地理」である。伊王島でもそうだったが、自分が観光している周辺の地名ぐらい、頭に入れておきたい。
諏訪神社前で下車する。目指す「千寿庵」はここ、新大工町にある。とりあえず、新大工町商店街に入る。檀れいがレポートした店は川沿いにあった記憶があるのだが、見渡したところ、川はない。
「松翁軒」、「文明堂」。さすが長崎、カステラ専門店がすでにふたつもある。しかし肝心の「千寿庵」がない。「長崎屋」というカステラ屋もあるが、シャッターが下りている。千寿庵、千寿庵…ない。住所ではこのあたりなのだが…あっ、もしかして…。私はスマホを見る。「千寿庵長崎屋」とある。この長崎屋が千寿庵だったのか! しかし…日曜日だから仕方ないとはいえ、休みとは! 松翁軒や文明堂は店を開けているというのに。
このまま長崎駅に戻るのもバカバカしいので、うどん屋に入り、鍋焼うどんを食す。今回の旅行も、平凡な食事だったなあ、としみじみ思う。卓袱(しっぽく)料理ぐらい食べたかったが、あれはひとりで食べるものではない。一人旅は自由気ままだが、ときには不自由なこともある。
食後、せっかく商店街に来たのだからと、やや抵抗があったが、松翁軒と文明堂でカステラを買った。中井広恵女流六段や大野八一雄七段に差し上げたいが、賞味期限の関係で、これは自宅用である。
商店街を出ると、眼下に川が流れていた。長崎駅へは、徒歩で向かう。
駅に着いたが、時間が中途半端で、やることがない。私は駅前のバスターミナルから、長崎空港に向かった。18時54分、空港着。帰りの飛行機は、ソラシド航空(旧スカイネットアジア航空)42便・21時10分発だ。これは「バーゲン28」の適用で、11,170円である。九州に来たからには博多に寄りたかったが、今回は日程の関係で、叶わなかった。どうも、裏口から入って裏口から出ていく感じだが、やむを得ない。とはいえ、九州往復で21,140円は、激安だった。
チェックインをしたあと、土産物店をぶらつく。ANA FESTAの売店がある。ここはANAカードの提示で、料金が10%引きになる。すごくイヤな予感がしたのだが、中に入ると、「松翁軒」のカステラが置いてあった。やっぱり…。ここで買えば、10%引きだったのに!!
結果論だが、新大工町に足を伸ばしたことが、完全な悪手になった。
帰りの飛行機まで、まだ時間がある。気を取り直して、空港を出た。長さ970mの蓑島大橋を渡り終えると、その先に和風ファミリーレストラン「庄屋」があるので、入った。1年前にも訪れた店だ。
「ざるそば」をオーダーする。ウエイトレスさんが、それだけですか? という顔をしたように見えたが、先ほどの鍋焼うどんが意外に利いている。
ざるそばが来る間、やっと一息つく。去年は帰京するにも楽しみがあったが、今年はない。宴のあとの虚しさが残るのみだ。帰京したら、青春18きっぷを買って、また旅行しちゃおうか。
出されたざるそばをたぐり、空港に戻る。売店のほとんどは、営業を終えていた。これがあるから、私は早めにカステラを買ったのだ。ところが、ANAやJALの売店は、まだ開いていた。やっぱり、新大工町でカステラを買ったのは早まった。
ANAとの共同便・42便は、定刻に離陸した。スッチーは3人。ひとりのスッチーは、関根麻里と伊藤つかさと岩崎ひろみを足して3で割ったような顔。もうひとりは、上品な上戸彩。もうひとりは、二卵性双生児?の松尾香織女流初段の妹、のような顔をしていた。
この3人なら、岩崎ひろみが入っているスッチーが一押しに思えるが、意外にも「上品な上戸彩」がよい。よく見ると彼女、星野真里や山口百恵も入っている。その彼女からコーヒーをもらい、私は癒された気分になった。
22時40分、飛行機は定刻に、羽田空港に着いた。
ここから連絡バスで、空港出口まで向かう。車内には、機内でも見た、某中年レポーターが乗っていた。
時刻は23時になろうとしている。空港快速のモノレールに乗った。と、スマホにコールがあった。が、出る前に切れてしまった。番号を確認すると、大野七段からだった。
またもや、ものすごくイヤな予感がする。最近の当ブログは暴走気味で、大野七段や中井女流六段には、だいぶ迷惑を掛けている。いよいよ大野七段も堪忍袋の緒が切れて、抗議の電話をしたものだろうか。
電車内なのですぐには折り返さず、浜松町駅の到着を待って、大野七段にコールした。一公→大野七段、は初めてのケースである。
「大野です」
「大沢です」
「ああいや、別に用はなかったんだけど、もう東京に帰ってるころかと思って」
よかった…。なんでもなかった。私は大野七段に軽い土産話をすると、電話がW氏に代わった。
「ああ大沢さん? いま大野教室のアフターなんだけど、盛り上がっちゃってさー」
こちらも十分楽しんできたつもりだが、あちらも楽しそうだ。そのメンバーに入りたいな、と思う。
私は山手線に乗る。楽しい3泊4日だった。あすからはいつもの生活である。
数ヶ月前、LPSA芝浦サロンに来ていたS夫人が、以前旅行した場所を忘れてしまう、と言ったので、
「それなら同じ観光地へ旅行しても、いつも新鮮でいいですね」
と返したのだが、これでは私も、S夫人を笑えない。
ひどい自己嫌悪に陥りながら、資料館に入る。しかし私は、何も見ていなかった。
ポツポツ雨が降ってきた。上りのバスに乗る手もあるが、伊王島は小さく、港までは歩いて行けそうである。いや実際、数年前は往復とも徒歩だったのだ。次の長崎港行きは15時53分だから、時間的には大丈夫だ。
島中央の歩道を港まで歩いて行く。と、前を歩いていたカップルが、この近くに教会はありませんか、と聞いてきた。私も同じ旅人だが、即答できないのが、もどかしい。しかしまあいい。キミたちはカップルなんだから、ふたりでイチャつきながら、教会を見つければいい。
途中、何度か海沿いの道路に出る手があったのだが、私は高台の道をそのまま歩く。しかしこれが疑問手。途中で港を追い越してしまい、ヒヤッとした。
船の時間には辛うじて間に合い、乗船できた。港までは19分。バスとは比べものにならないくらい、早い。
長崎港ターミナルからは、タイミングよく諏訪神社前行きのバスがあったので、乗る。と、地元のおばあさんから、「これは○○に行きますか?」と聞かれた。しかし、私には分からない。国語算数理科社会…旅先において、勉強しておけばよかった、と痛感するのが「地理」である。伊王島でもそうだったが、自分が観光している周辺の地名ぐらい、頭に入れておきたい。
諏訪神社前で下車する。目指す「千寿庵」はここ、新大工町にある。とりあえず、新大工町商店街に入る。檀れいがレポートした店は川沿いにあった記憶があるのだが、見渡したところ、川はない。
「松翁軒」、「文明堂」。さすが長崎、カステラ専門店がすでにふたつもある。しかし肝心の「千寿庵」がない。「長崎屋」というカステラ屋もあるが、シャッターが下りている。千寿庵、千寿庵…ない。住所ではこのあたりなのだが…あっ、もしかして…。私はスマホを見る。「千寿庵長崎屋」とある。この長崎屋が千寿庵だったのか! しかし…日曜日だから仕方ないとはいえ、休みとは! 松翁軒や文明堂は店を開けているというのに。
このまま長崎駅に戻るのもバカバカしいので、うどん屋に入り、鍋焼うどんを食す。今回の旅行も、平凡な食事だったなあ、としみじみ思う。卓袱(しっぽく)料理ぐらい食べたかったが、あれはひとりで食べるものではない。一人旅は自由気ままだが、ときには不自由なこともある。
食後、せっかく商店街に来たのだからと、やや抵抗があったが、松翁軒と文明堂でカステラを買った。中井広恵女流六段や大野八一雄七段に差し上げたいが、賞味期限の関係で、これは自宅用である。
商店街を出ると、眼下に川が流れていた。長崎駅へは、徒歩で向かう。
駅に着いたが、時間が中途半端で、やることがない。私は駅前のバスターミナルから、長崎空港に向かった。18時54分、空港着。帰りの飛行機は、ソラシド航空(旧スカイネットアジア航空)42便・21時10分発だ。これは「バーゲン28」の適用で、11,170円である。九州に来たからには博多に寄りたかったが、今回は日程の関係で、叶わなかった。どうも、裏口から入って裏口から出ていく感じだが、やむを得ない。とはいえ、九州往復で21,140円は、激安だった。
チェックインをしたあと、土産物店をぶらつく。ANA FESTAの売店がある。ここはANAカードの提示で、料金が10%引きになる。すごくイヤな予感がしたのだが、中に入ると、「松翁軒」のカステラが置いてあった。やっぱり…。ここで買えば、10%引きだったのに!!
結果論だが、新大工町に足を伸ばしたことが、完全な悪手になった。
帰りの飛行機まで、まだ時間がある。気を取り直して、空港を出た。長さ970mの蓑島大橋を渡り終えると、その先に和風ファミリーレストラン「庄屋」があるので、入った。1年前にも訪れた店だ。
「ざるそば」をオーダーする。ウエイトレスさんが、それだけですか? という顔をしたように見えたが、先ほどの鍋焼うどんが意外に利いている。
ざるそばが来る間、やっと一息つく。去年は帰京するにも楽しみがあったが、今年はない。宴のあとの虚しさが残るのみだ。帰京したら、青春18きっぷを買って、また旅行しちゃおうか。
出されたざるそばをたぐり、空港に戻る。売店のほとんどは、営業を終えていた。これがあるから、私は早めにカステラを買ったのだ。ところが、ANAやJALの売店は、まだ開いていた。やっぱり、新大工町でカステラを買ったのは早まった。
ANAとの共同便・42便は、定刻に離陸した。スッチーは3人。ひとりのスッチーは、関根麻里と伊藤つかさと岩崎ひろみを足して3で割ったような顔。もうひとりは、上品な上戸彩。もうひとりは、二卵性双生児?の松尾香織女流初段の妹、のような顔をしていた。
この3人なら、岩崎ひろみが入っているスッチーが一押しに思えるが、意外にも「上品な上戸彩」がよい。よく見ると彼女、星野真里や山口百恵も入っている。その彼女からコーヒーをもらい、私は癒された気分になった。
22時40分、飛行機は定刻に、羽田空港に着いた。
ここから連絡バスで、空港出口まで向かう。車内には、機内でも見た、某中年レポーターが乗っていた。
時刻は23時になろうとしている。空港快速のモノレールに乗った。と、スマホにコールがあった。が、出る前に切れてしまった。番号を確認すると、大野七段からだった。
またもや、ものすごくイヤな予感がする。最近の当ブログは暴走気味で、大野七段や中井女流六段には、だいぶ迷惑を掛けている。いよいよ大野七段も堪忍袋の緒が切れて、抗議の電話をしたものだろうか。
電車内なのですぐには折り返さず、浜松町駅の到着を待って、大野七段にコールした。一公→大野七段、は初めてのケースである。
「大野です」
「大沢です」
「ああいや、別に用はなかったんだけど、もう東京に帰ってるころかと思って」
よかった…。なんでもなかった。私は大野七段に軽い土産話をすると、電話がW氏に代わった。
「ああ大沢さん? いま大野教室のアフターなんだけど、盛り上がっちゃってさー」
こちらも十分楽しんできたつもりだが、あちらも楽しそうだ。そのメンバーに入りたいな、と思う。
私は山手線に乗る。楽しい3泊4日だった。あすからはいつもの生活である。