一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

二十一たび大野教室に行く(前編)・大野八一雄七段との指導対局

2012-03-04 12:31:28 | 大野教室
ひなまつりの3日(土)は、埼玉県川口市にある「大野教室」に行った。きょうはポカポカ陽気で、どこか梅の名所にでも繰り出して梅を愛でるべきなのだろうが、将棋バカにはひなまつりも梅も関係ないのである。
午後1時45分に教室に入る。と、玄関のタタキにいくつもの靴が置かれていた。最近の大野教室は生徒が多いので靴を置き切れず、玄関を上がったところに新聞紙を敷き、そこにも靴を置くことになっている。
その新聞がきょうはない。この「仕事」は最近スタッフと化しているW氏の担当なので、新聞が敷かれてないということは、W氏がまだ来ていないということを意味する。
室内に入ると果たしてW氏の姿はなく、His氏と少年少女4人が、大野八一雄七段に指導対局を受けていた。奥の部屋では、Fuj氏と少年2人が、植山悦行七段に指導を受けていた。
大野七段の指示で、まず植山七段に指導を受けることになるが、あまり指導が多くなっても味が悪いので、私はFuj氏やMa君の対局を観戦する。Ma君は果敢に平手で挑んでいた。
10分ほど経って、Kun氏、Kuni氏、少年が来席する。私はKuni氏と対局することになった。
振り駒で私の先手。相掛かり調に進んだ。私は横歩を取って▲8七歩。もし△8五飛なら、角を換わって▲9六角のつもりだ。しかしKuni氏は穏やかに△8四飛。狙いを外された私は、新山崎流に構えた。
五段目に飛車の横利きがないので、私は▲4五桂と跳ねる。Kuni氏は△4四歩。私は▲2三歩△同銀▲2四歩△1二銀▲2三角だが、△2二歩と受けられ、▲1四角成に△4五歩、と桂をタダで取られては、苦戦を覚悟した。
▲2三角では▲7七桂ぐらいが良かったか。△4五歩は▲6六角の飛車香両取りがあるので、この桂は取れない。こう指すのだった。
しかし実戦は、私の端攻めが間に合い、逆転勝ち。中盤の指し手が雑だったのは、反省材料である。
2局目は大野七段に教えていただく。横ではHon氏が美少年と対局中。いつもは3時すぎに現れるHon氏、「(きょうは来るのが)早いよ」とみんなからジョークが飛んだ。
もちろんW氏も来席していた。これでレギュラーメンバーが揃った。
私は居飛車から矢倉に進める。▲6九玉、と寄ったところで、3時休憩という名の詰将棋タイムに入った。
しばらく頑張っていたが、大野七段に「外の空気も吸ってきたほうがいいよ」とアドバイスを受け、外へ。そこへHon氏が現われ、ふたりで人生を語り合った。
対局再開。私は▲2六銀と棒銀に出ていたが、△4四銀と備えられ▲3五歩を断念。▲3七銀と引き返した。では急所の局面を記す。

上手・大野七段(角落ち):1一香、1三歩、2一桂、2三歩、3二王、3三銀、3四歩、4二金、4四銀、4五歩、5一飛、5四金、6四歩、7三歩、8一桂、8五歩、9一香、9四歩 持駒:歩
下手・一公:1七歩、1九香、2九桂、3六歩、3七銀、4七歩、5六歩、5八飛、6六歩、6七金、6八角、6九玉、7六歩、7七銀、7八金、8七歩、8九桂、9六歩、9九香 持駒:歩

以下の指し手。
△6五歩▲同歩△同金▲6六銀△6一飛▲6五銀△同飛▲7七角△6一飛▲7九玉△4三金▲5五歩△7四歩▲5四金△5三歩▲4三金△同王▲2二歩△同銀▲5四歩△4二金▲4四角△同王▲5五銀△4三王▲6二歩△5一飛▲4四金△3二王▲6一歩成 まで、一公の勝ち。

大野七段の△6五歩~△同金に、私は▲6六銀とぶつけた。ここで▲6六歩とおとなしく謝るのは私の将棋ではない。事実▲6六銀が、局後大野七段にホメられた好手だった。△同金▲同金は手順に金が進出するので大野七段は△6一飛だが、私は金を取って▲7七角。この角上がりの味がよく、これで下手が指しやすくなった。
△6五歩では△7四歩と桂の活用を目指されたら、上手が十分の形勢だった。
「しかしここは、△6五歩を咎めた下手の指し方を褒めるべきなんでしょうね」
と大野七段。「▲6六銀と出させて、大沢さん好みの将棋にしちゃいましたね。(▲7七角で)これで上手ダメですね」と、感想戦はここで終わりになった。
しかし下手の立場から言うと、ここから下手が勝つのが大変なのだ。
だが本譜は、私の攻めがバカにうまくいった。▲2二歩をノータイムで△同銀と取ってくれたのが意外だったが、これが指導対局である。
私は▲5四歩。これを△同歩なら▲4四角△同王▲5二銀が、飛車取りと▲4三金の詰みを見て下手勝ち。よって大野七段は△4二金の辛抱だが、私はやはり▲4四角から▲5五銀と攻め(▲6二歩△同飛▲5一銀が優ったか)、優位を確保した。
以下数手で私の勝ち。これはうれしい勝利だった。
(つづく)
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