一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

中倉宏美は、タイトルに挑戦できるか

2012-03-02 01:27:34 | 将棋雑考
1月にブログを再開した中倉宏美女流二段、タイトルに賭ける意気込みはなかなかのものである。長谷川優貴女流初段がマイナビ女子オープン挑戦を決めたときの切ない述懐は、読者の心を打った。
その宏美女流二段、タイトル戦に挑戦する可能性はあるのだろうか。そこで私はとりあえず、平成以降でタイトル戦に初登場した(する)女流棋士と、その年齢を調べてみた。それが以下である。

1995年 15歳・矢内理絵子女流初段 第6期女流王位戦
1996年 15歳・石橋幸緒女流二段 第7期女流王位戦
2008年 16歳・里見香奈女流二段 第16期倉敷藤花戦
2012年 16歳・長谷川優貴女流二段 第5期マイナビ女子オープン
2011年 16歳・加藤桃子奨励会1級 第1期女流王座戦
1996年 18歳・木村(竹部)さゆり女流初段 第4期倉敷藤花戦
1998年 18歳・碓井(千葉)涼子女流二段 第6期倉敷藤花戦
2009年 20歳・上田初美女流二段 第31期女流王将戦
1991年 22歳・植村真理女流二段 第2期女流王位戦
1990年 23歳・山田久美女流二段 第12期女流王将戦
1991年 24歳・斎田晴子女流二段 第13期女流王将戦
2008年 24歳・甲斐智美女流二段 第1期マイナビ女子オープン
2009年 28歳・岩根忍女流二段 第2期マイナビ女子オープン

以上13名。最年少は矢内女流四段の15歳8ヶ月、最年長は岩根女流二段の28歳3ヶ月だった。実力者・岩根女流二段が高齢なのは、10代のころは奨励会員だったため、女流棋戦に参加できなかったこともあると思う。
タイトル戦に登場するのに年齢は関係なさそうだが、歳を取ればそれだけイキのいい若手が台頭してくるので、困難になってくるのは確かだ。宏美女流二段はとうに三十路を越えており、これは不安材料である。
しかし、たんに「タイトル戦に挑戦」と間口を拡げて調べてみると、1997年に当時46歳の関根紀代子女流三段が、第9期女流王将戦で挑戦者になっている。
当時の女流王将戦は、林葉直子女流王将をのぞく現役全女流棋士17名がA級リーグとB級リーグに参加しており、関根女流三段はA級リーグで5勝1敗の成績を取り、見事挑戦を決めたものである。
当時のメンバーには中井広恵女流名人、蛸島彰子女流四段、清水市代女流初段など錚々たるメンバーがおり、ここを勝ち抜いたのは立派だった。
この例を見れば、宏美女流二段だって、まだまだタイトル挑戦の可能性はある。あとは当人の気持ちの問題である。
では、どうすればタイトル戦に挑戦できるだろう。
まずは、とにかく将棋、将棋、将棋。毎日将棋の勉強をすることである。本人は勉強をしている自覚があるだろうが、まだまだ足りない。
次に、自分は勝てる、というイメージを持つことである。自己暗示をかけてしまうのだ。具体的には、以前も書いたことだが、対戦相手が決まったら、その女流棋士の敗戦譜を、繰り返し並べる。なんだ、この女流棋士、大したことないじゃない、と考えるのだ。
そして今度は、自分の快勝譜を繰り返し並べる。そのとき、次の対局で現れるであろう戦法を中心に並べるのがよい。勝ちのイメージを、自分の脳と指に覚え込ませるのだ。
最後に、これは根気のいることだが、ブログを毎日書くことである。365日、1日も休まずアップするのだ。そしてその内容も、将棋に関することでなければならない。その日勉強したこと、思ったことを、すべてブログに綴るのだ。こうして四六時中、将棋づけの毎日を送るのである。
これを3年間続ければ、大丈夫、タイトルに挑戦できる。
現在の現役女流棋士は51名。タイトル保持者や休場者を除くともう少し減るが、ひとつの棋戦でタイトル戦に出場できる確率は約50人に1人、2%しかないのだ。それを100パーセントにしようと思ったら、死に物狂いで勉強するしかない。
長谷川女流二段をのぞく12名のうち、のちのタイトル戦も含めてタイトルを獲得した女流棋士(奨励会員)は、8名だった。タイトル戦に出れば、タイトルはすぐそこである。
私は本当に、宏美女流二段の活躍を祈っている。
コメント (7)
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