一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

植山悦行七段との約束

2013-02-04 01:22:53 | 男性棋士
日付変わってきょう4日は、竜王戦6組・植山悦行七段と高見泰地四段の一戦が行われる。私(たち)が植山七段を応援しているのはいうまでもないが、本局は特別である。

私がLPSA駒込サロンに初めて訪れたのは2008年3月。植山七段が手合い係に着任したのはその翌月である。
その10月のサロンの後、W氏と植山七段から食事に誘われた。W氏はいつも、サロン後に植山七段と食事を摂っていたらしい。これが現在のジョナ研のルーツである。
その道中W氏が、
「植山先生が公式戦で2連勝したら、ご褒美として鍋パーティーをやることにしてるんだ」
と言った。それはけっこうなことだが、条件が2連勝とは緩すぎないか?
私は
「それは植山先生に失敬じゃないか!」
と返した。
だが時が経つと、これが絶妙の条件だったことが分かった。植山七段は将棋理論に優れているのに結果が伴わず、ラクに思えた「2連勝」がなかなかクリアできない。2連勝はおろか、勝つことさえかなわないのだ。
ようやく2連勝を達成したのは翌2009年の6月。鍋の時期はとっくに過ぎていた。しかし私たちはその間、植山七段の勝敗に一喜一憂し、大いに楽しむことができた。そしてW氏の見識に、改めて唸ったのだった(もっともW氏に言わせると、「2連勝」は植山七段と鍋をつつきたいがための方便で、すぐにでも達成できると思っていたらしい)。
鍋パーティーは7月の社団戦のあと、中井広恵女流六段も招待して、盛大に行われた。いまもそうだが中井女流六段は私にとって雲の上の存在で、当時も光り輝いて見えた。
中井女流六段は
「だけど2連勝で鍋パーティーなんて条件が緩すぎる!」
と不満を洩らしながらも、楽しそうだった。
だがパーティーも打ち解けてくると本音が出る。当時私は当ブログで、年配の女性をオバサン呼ばわりしていた。そのことに対し中井女流六段に真正面から諌められ、震え上がったものだった。
さて、2連勝はクリアした。W氏らは植山七段に対し、「3連勝で焼肉パーティー」という新たな条件を課した。しかし「2連勝」でさえ数か月かかっている。植山七段が現役のうち、3連勝が達成できるか、微妙なところであった。
その予想は当たり、植山七段は苦戦を強いられる。2連勝はたまにあるのだが、3つめが勝てない。女流棋士との対局もつき、これなどボーナスゲームだと思うのだが、それも負ける。まったく、歯がゆい日々が続いた。
その間、怒っている?中井女流六段は、「私は何連勝すればパーティーしてくれるのよッ!!」とばかり猛烈に勝ちだし、女流公式戦の新記録・19連勝を達成してしまった。私たちは半分歓び半分ふるえつつ、2010年7月、中井女流六段を招待し、「カラオケ&焼肉パーティー」を催したのだった。
時が経ち2012年暮れ。私たちは植山七段の「3連勝パーティー」の関心を、ややなくしかけていた。
だが植山七段は12月12日、竜王戦6組で、小林宏七段に勝利。2013年1月には棋王戦で泉正樹七段に勝利し、気がつけば3連勝に王手となったのである。最後に来て、私たちジョナ研メンバーの気勢は大いに上がった。
そしてきょう植山七段は3連勝をかけて、高見四段と戦うことになったのである。
もし植山七段が勝ってパーティーが開ければ、中井女流六段に同席いただけるのが大きい。また中井女流六段の笑顔を見たい。コトは植山七段の問題だけではないのである。植山七段が体調不良なのがアレだが、とにかくきょうは頑張ってほしいと思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする