一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

冬の北海道旅行0・周遊きっぷの是非

2013-02-12 00:50:02 | 旅行記・北海道編
2月といえば待望の北海道旅行である。これは毎年の定番だから、何か月も前から飛行機の予約を入れることはできる。
しかし仕事を休むか何かで行きの日程が1日伸びる可能性があり、そう簡単には決められない。それに、あまり早くから便を決めると、当日までの楽しみがなくなる。旅は、旅に出るまであれこれ考えるのが楽しいのだ。
そんなわけで今年もグズグズしていたら、8日(金)夜の飛行機が厄介なことになっていた。スカイマークやAIR DOのそれに、安い便がなくなっていたのである。
何日か経てばキャンセルが発生すると思いきや、その気配はなし。さすがに私も諦め、今回ははなはだ異例ながら、往路は鉄道を利用することにした。
切符はJR東日本の株主優待券を購入することも考えたが、JR北海道との併用となるので、まったく得にならない。ふつうに買うしかなかった。
1月30日(水)、最寄り駅のみどりの窓口で、「東京都区内→新十津川」の普通切符と、新青森までの新幹線特急券、青森からの急行券を購入した。〆て21,880円だった。これならスカイマークやAIR DOなどの普通料金と変わらないんじゃないか? と思うかもしれないがそれは早計で、青森からの急行は夜行のため、宿泊料金がかからない。トータルすると、鉄道のほうが安くなるのであった。
さて、これであとは北海道へ向かうのみ、というところで、私は重大な誤りを犯していたことに気が付いた。
JRの切符には、あまり知られていないが、「周遊きっぷ」というのがある。以前あった周遊券の複雑版というべきもので、使いようによっては重宝する。しかし購入するまでがかなり厄介なのだ。
乗客は購入するにあたり、「行き券」「周遊ゾーン」「帰り券」をそれぞれ申請しなければならない。問題はここからで、いつに旅行を始めていつ周遊ゾーンに入り、いつ帰るかの日にちまで、克明に知らせなければならないのだ。これがこの切符のガンなのである。
たとえば東京在住者が北海道に旅行するとする。仮に2月8日に行き券を使うとして、北海道には何日後に入るかを、この時点で決めなければならない。9日なら9日に入ると、用紙に記入しなければならない。つまり、行きの途中に盛岡や青森で途中下車して、そこが楽しかったから予定を変更してもう1日行程を延ばす、ということができないのである。
帰りもそうで、何日に帰るかを予め決めなければならない。札幌が楽しかったから滞在をもう1日延ばす、ということができない。
しかも周遊ゾーンの有効期間は5日間しかない。たとえば9日に北海道に入ったら、泣いても笑っても、13日までには北海道を出なければならないのである(厳密には違うのだが、ここでは煩雑を避ける)。
いままでの周遊券だったら、たとえば「北海道ワイド周遊券」なら、有効期間が20日もあり、期間内ならいつ北海道に入ってもいいし、いつ帰京してもよかった。
まったくこの「周遊きっぷ」というのは厄介で、これならふつうに切符を買えばいいんじゃないか、となるが、そうもいかないのである。
旅行先では当然鉄道で動くが、たとえば「北海道ゾーン」は特急電車の自由席が乗り放題である。
また、行きまたは帰りの普通乗車料金が2割引になる。これが大きい。さらに北海道や九州を旅行する場合、行きまたは帰りのどちらかを飛行機に代えてもいいのだ。
今回の私はまさにそれで、私のようにひとつの観光地でじっとせず、あちこち動き回る向きには、この「周遊きっぷ」が重宝なのだ。
私もかつて何度か利用したが、このところ北海道や九州に向かうのは往復とも飛行機利用で、周遊きっぷの存在をすっかり忘れていたのだ。
私は今回イメージしている行程を、ふつうに切符を買った場合と、周遊きっぷを買った場合で計算してみた。
すると概算では、ふつうに買ったほうが約2,000円近く高くつくことが分かった。しかもこれ、名寄→旭川、旭川→札幌を廉価なバスで移動したと考えた場合だった。まあ、当然といえば当然である。
それならば今回購入した切符をキャンセルして、周遊きっぷに買い直せばいい、という考えができる。もちろんキャンセル料はかかるが、それでも現在のシミュレーションよりも安くなる。
しかし1回買った切符を買い直す、というのも鉄道マニアのプライドが許さない感じである。つまり一度▲2四歩と打ったものを、間違えましたと▲2三歩成とは成り捨てたくないのだ。
私は将棋では高島弘光にはなれなかったけれど、鉄道旅行では高島弘光を気取りたいのである。
そうこうしているうち日にちが経ち、結局私は最初に購入した切符のまま、北海道に入ることにしたのだった。
これで吉となることは絶対にないが、被害は最小限に留めようと思った。

2月8日夕方。空のペットボトルにお茶を入れて、家を出る。山手線で上野駅まで向かい、新幹線ホームに下りた。
私が乗るべきは19時02分発「はやて39号」で、まだ10分ほどある。はやてには秋田行きの「こまち39号」が連結されている。こまちに乗ればここから乗り換えなしで角館に行けるわけだ。まったく便利になったものだが、角館に行ったところで、郁子さんはもういない。
上野からの新幹線は東北、新潟、長野、秋田、山形とあっちこっちに伸びているので、ひっきりなしに発着している。いまは18時58分発の「とき343号・新潟行き」の入線を待っていた。
しかし大雪の影響で、数分遅れている。我がはやて39号はそんなことでは困る。以降の乗り継ぎに、遅延は許されないのだ。
それでなのにはやて39号は、4分遅れで入線した。私は前の列の人が乗車するのをボーッと眺めている。
ところが発車のベルが鳴った。!? ああっ、この人たちは次の新幹線に乗るのか!!
私は慌ててはやてに飛び乗った。こんなところで新幹線に乗り遅れたら、笑い話では済まない。
これは前途多難のスタートとなった。こんな調子で、今回の旅行は大丈夫なのだろうか。
(つづく)
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