一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

冬の北海道旅行3・大誤算

2013-02-15 00:12:12 | 旅行記・北海道編
振り返ると、ドアの向こうに運転手さんの姿があった。手に缶コーヒーを持っている。ロビーで休憩していたわけで、いつもの光景である。もうバスが出るものだと、おねえさんが早合点したらしい。私も店を出る。
「すみません」
「いえいえ。出発時間はあってないようなものですから」
「へ?」
「(蕎麦屋に入ると)言ってくだされば待ちましたから」
「ああ…。私毎年ここに来てるんですけど、この蕎麦屋に一度入りたいと思っていて…。冬は待ち時間が15分ですよね。それで今年は食べてみようかと…」
私は時間を守ったし、赤字ローカルバスに乗って地元の蕎麦まで食べてるんだから、上客であろう。運転手さんもうれしそうだった。
話の流れで、「ルオント前」で下車する旨を伝えておく。JRバス深名線は、深川~幌加内間はまずまず本数があるのだが、幌加内~名寄間は(土休日)3本しかない。このまま名寄まで乗り通すか、途中下車するかは、けっこうな決断だった。
13時17分、幌加内発。私は最前席に座る。特等席である。20分ほど走って、(せいわ温泉)ルオント前着、下車。昨年は時間の関係で素通りせざるを得なかった。きのうは風呂に入ってないし、今年はこの後に何があろうと、この選択が正解と信じた。
さてルオントに行く前に、私はいま来た道を戻る。けっこうな山奥だが、それほど寒くない。風がないからだ。しばらく下っていくと、左手に緑色のトラス橋が見えてきた。JR深名線最大の遺構・第3雨竜川橋梁である。この橋の鑑賞も、毎年の定番である。
しかし今年は橋の全貌が見えない。そのくらい路肩の雪が積もっているわけで、こりゃ今年は豪雪だと思った。
ちょっと背伸びして写真を撮る。とはいえ今年の橋梁も優美だった。
ルオントに引き返し、いよいよ温泉に入る。2年振りだ。きょうの特殊風呂は「ラベンダー&カモミール」。湯は青色で、必ずしも健康的ではない。ちなみに2年前は「赤ワイン風呂」だったと記憶する。
次のバスは16時16分だから、たっぷり時間がある。しかし長風呂するほど、私は温泉が好きでもない。適当なところで上がる。
脱衣所に体重計があったので、思い切って乗ってみた。
94.6kg。
100kgは越えていると覚悟していただけに意外な数字だったが、それにしたってヒドイ数字だ。これは帰京したらダイエットしなければヤバイと思う。
休憩室で一休みしたあと、館内レストラン「そばの里」に向かう。ここで幌加内そばを食すのも恒例だ。
ところが「そばの里」が休憩中になっていて、愕然とした。2時から5時まで休みとのこと。いやいや…いつからこんな休憩を挟むようになったんだ!?
ではここに着いたとき、すぐにそばの里に入るべきだったか。しかし知らなかったものはしょうがない。こうなると、幌加内バスターミナルで蕎麦を食したのは隠れた妙手だった。
まだバスの時間まで1時間あるが、バス待合室にて待つ。室内には「大改造!!劇的ビフォーアフターSeason2」のテーマ局が流れており、癒される。
しかしヒマだ。私はリュックから「将棋世界」を取り出す。さらにスマホをいじる。閉鎖された空間ではほかにやることがない。
やがて名寄行きのバスが来た。45人乗りだったが、乗客は私ひとり。個人でこの規模のバスをチャーターしたら、いくら取られるか。ここから名寄までのバス代は1,200円前後だろうが、激安だと思った。
16時47分、朱鞠内着。人造湖である朱鞠内湖を一度は観光してみたいのだが、いつも厳冬の時期に訪れているので、叶わない。
「まどか前」を通過。以前も書いたが、ここから「エンジン橋」までの景色が、深名線の白眉である。しかし眠気が襲ってきて、うつらうつらしていたら、エンジン橋を過ぎてしまった。
そろそろ夜の帳が下りてきた。もう乗客はないようである。
17時53分、西3条南6丁目着。名寄駅前のひとつ手前の停留所だが、ここで降りる。ここまででローカル線の旅は終わり。ここからは冬まつりの鑑賞がメインとなる。
まずは「なよろ森林館」で開かれている「なよろ雪質日本一フェスティバル」を観に行く。これは「なよろ国際雪像彫刻ジャパンカップ」とほぼ同義で、全国に数々の冬まつり・雪像あれど、ここの雪像が最も見応えがあると信じる。
雪像のもとへ行くと、やたらと背が高い西洋人の女性が2人いた。どう考えてもモデルで、彼女らが仕事のために来日したのは想像に難くない。
近くには屋台が並んでいるが、なぜか営業を終了している。ここで120円のたいやきを食すのが定番なのだが、アテが外れた。
しかし諦めずにその店へ行ってお願いすると、店じまい間際のおじさんが、一匹売ってくれた。
振り向くと先ほどの外国人女性がいる。き、綺麗だ…!! 室谷由紀女流初段といい勝負だった。
今年の世界雪像は8基。いずれも素晴らしい。雪像や氷像は夜空で観るに限る。ライトアップされて、作品に命が吹き込まれるからだ。
韓国の作品は、巨大な女性の顔を彫ったもの。それがMinamiちゃんそっくりでドキッとした。Minamiちゃんは愛らしいから、タレントを目指す手はあると思う。
事務所前に貼られてあるポスターを見ると、このジャパンカップの表彰式が、きょうの午後5時からになっていた。…あっ、ひょっとしてさっきの彼女たち、ここで登場する予定だったのか!?
こりゃ1本前のバスで来るんだったと思うが、それだと私は、5時前にここを離れていたに違いない。しょせん、彼女らとは縁がなかったということだ。
さて、夕食である。その前に100円ショップで、缶コーヒーを2本調達する。これが後で利いてくるのは、経験上分かっている。
ちょっと天丼などを食べたい気分である。名寄といえば気になる寿司屋があるのだが、ビビっていままで入れなかった。今年は入ってみる。
天ぷらぐらい食わせてくれそうだったが、メニューを一瞥したところそれはなかった。1,890円の上生寿司を頼む。私としては、結構な冒険である。
上寿司は、大トロ、ウニ、いくらなど9貫。見た目は割と平凡で、これといった特色もないように感じたが、これが抜群にうまかった。ネタが新鮮で、プリプリしており、甘い。シャリの甘さもほどよい。まさに寿司一本で勝負してますという感じで、回転寿司にはない職人魂を感じた。
きょうは旭川のネットカフェで泊まる予定である。しかし旭川までの路線バスはもう終了している。不本意?ながら鉄道を利用するしかない。
19時38分の札幌行きは特急なので、お呼びでない。20時11分発の普通列車に乗った。車内では缶コーヒーを開ける。これがまた至福の時間である。
21時47分、定刻より4分遅れて旭川着。旭川ももちろん冬まつりがあり、駅前の買物公園通りには、「氷彫刻世界大会」がある。しかしもう、ライトアップは終了していた。
このままネットカフェに投宿するのもいいが、ラーメンなどを食したい感じである。こじんまりした店で、店頭にメニューの値段を掲示してあるところが望ましいが、なかなかない。「敦煌」はあす入る予定なので、別の店にしたい。
けっきょく昭和通り沿いにある、やや大きめのラーメン屋に入った。
しかし店員に「いらっしゃい!!!」の掛け声がない。何人従業員がいようとも、これではダメである。ラーメンを頼んだが、味はいたって平凡だった。
よく考えたら、1日で蕎麦、寿司、ラーメンを食べたのは初めて。北海道を堪能した。
午後10時20分、「COMIC BUSTER Compa3.7」に入る。この時間ならと「9時間ナイトパック」にしたが、これが問題だった。
(17日につづく)
コメント (2)
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