3丁目はHTB PARK AIR広場で、「白い恋人 PARK AIR ジャンプ台」。いつもの巨大ジャンプ台で、熟練のスキーヤーがプロの妙技を見せてくれるが、私はあまり興味がない。
4丁目はSTV・よみうり広場。大雪像は「伊勢 神話への旅」。今年は20年に一度行われる「式年遷宮」の年で、それでテーマに選ばれたらしい。伊勢神宮の大鳥居とその手前に架かる橋、巫女さんと白馬が綺麗に彫られている。
きょうは雪まつりの最終日ということもあり、物凄い人出である。会場は反時計回りの一方通行。前の人に続いて、そろそろ歩く。
ひとつ気付いたことがある。例年より、自分の視線が、「高い」のだ。大量の雪で踏み固められ、地面が数センチ盛り上がったのだろう。しかし体感温度はそれほど低くない。東京にいるときと変わらない。
5丁目、環境ひろばは「豊平館」。札幌に現存する、歴史ある建物のようだ。毎日氷の広場は「中正記念堂」。台北にある建物らしい。
TVクルーがいる。どこかのアイドルタレントが、ミニコンサートをやるようだ。
6丁目・市民の広場は「北海道・食の広場」。道内各地の名物が味わえる。数年前、真駒内会場が廃止になり、そこで開いていた店が移設した形だが、これで白一色の大通公園が賑やかになった。
6丁目には観光案内所がある。中に入って、さっぽろ雪まつりの公式ガイドを入手する。プログラムを見ると、私が毎年楽しみにしている陸上自衛隊北部方面音楽隊のコンサートは、14時半から5丁目で行われる。きょうはこれを軸にゆきまつりを堪能する。
数年前には、ここに缶バッジを売る売り子ちゃんがいたが、いなくなってしまった。公園を流れるBGMも、いつの年からか消えた。さっぽろ雪まつりも、細かいところで、経費節減をしているのである。
なお、旅行前は小樽も考えたが、「周遊きっぷ」を使用していないので、余計な出費は慎もうと思った。それに小樽は昨年、ある女性と観光し、それはそれは楽しいひとときを過ごした。私の半生で最高の1日で、あれ以上の小樽はもうないから、とても行く気にはなれなかった(なお「周遊きっぷ」は、今年の3月で全廃されることが決まった)。
7丁目・HBCタイ王国広場「ワット・ベンチャマボピット(大理石寺院)」。
8丁目・雪のHTB広場「歌舞伎座」。
9丁目・市民の広場は、「数々の動物」「北海道大学総合博物館」。
いずれも力作ぞろいだが、足を止めて見やる、という感じではない。ここまで雪像を観すぎて、目が肥えてしまったのか。いや、飽きてしまったのか。
「焼肉のタレ」の試食会なるものがあった。ミニミニ焼肉丼を食わせてくれるようだが、これが物凄い行列である。どうしてヒトは、タダだと並ぶことを苦にしないのか。私も、彼女が食べたいと言えばいっしょに並ぶが、ひとり旅ではごめんである。そのまま通り過ぎる。
その反対のブースでは、「緑効青汁」を配っていた。こちらはそれほど行列が長くないので、しばし並んで貰った。
ブースを出るとき、試供品もいただく。緑効青汁は青汁特有の青臭さがなく、飲みやすい。東京に戻ったら青汁パックを買おうといつも思うのだが、今年の冬はどうか。
9丁目には出張郵便局もあった。かわいらしい局員さんに引き寄せられる。いろいろ記念切手が売られていて、初音ミクの切手シートが目玉らしい。初音ミクは「北海道発」という話を聞いたことがあるが、どうなのだろう。
記念切手は1枚だけ欲しかったのだが、1枚単位では売っていないようだ。初音ミク切手シートは割高なので、買わなかった。おねえさんには申し訳なかった。
ちょっと小腹が空いたので、私はリュックからフィレオフィッシュを取り出し、頬張る。これが270円か…。バンズがちょっと小さくなった気がするが、どうだろう。
JTのブースがあった。JTは「将棋日本シリーズ」を主催している優良企業だ。いつものようにゴミ袋を配っていたので、それをいただく。道端に落ちているゴミは拾わないが、ジャンパーやリュックに残っているゴミを全部ここに放り込むつもりだ。そしてそれを返せば記念品がもらえる。例年どおり、ペットボトルのジュースだろうか。
10丁目・UHBファミリーランド。大雪像は「ちびまる子ちゃん in Hawai'i」。中雪像は「どん兵衛くん・すべり台」。どん兵衛ブースで、各カップめんが200円で食べられる。
ミニSL広場も併設されている。ミニSLにはいつも乗りたいと思うのだが、大人ひとりではさすがに無理だ。
11丁目は「国際雪像コンクール」。今年は11か国からの参加があり、これも見応え十分なのだが、雪まつりも最終日となると雪がくたびれており、若干見にくい。名寄と比べると、札幌の雪は水分が多く、それもネックとなっている。私は北海道の雪には厳しいのである。
12丁目は「市民の雪像」。半分だけ観て、折り返し…はせず、私はそのまま直進し、札幌市資料館に入る。これも毎年の定番である。
まずはトイレに入り、大を一発。旅先でのトイレは、「もうけた」気分になる。
資料室の隅で、JTのゴミ袋に、マクドナルドのゴミ袋や、空き缶などを放り込んだ。ゴミが処分できて、記念品がもらえる。これぞ一石二鳥である。
2階に上がって、乞望さんの店に入る。お地蔵さんのイラストに、気の利いた一言がしたためられたハガキなどが売られている。買わないまでも、眺めるだけで心が洗われる気分になる。
「苦労は人生の隠し味」
ちょっといい言葉のハガキがあったので、購入した(150円)。今月上旬、将棋ペンクラブの湯川博士幹事から手紙をいただいた。まだ返事を出していないが、このハガキを使おうと思う。50円の記念切手が欲しかったのは、このためであった。
隣の部屋は「懐かしのレコード館」。新冠のレコード館からの出張らしい。いまは懐かしいレコード盤をかけている。いまはジャズが流れている。室内にはレコード盤が豊富にあり、私たちもリクエストできることになっている。傍らのテーブルの上には、細川たかし、ピンクレディー、中森明菜らのレコードが置いてある。
私も何かリクエストしよう…と選んだのは、ちあきなおみの「喝采」。しばらく経つと、それがかけられた。
「いつものように幕が開き…」と室内に流れる。ここから入室した客は、私がリクエストしたことを知らない。「いい曲ね」とおばちゃんがつぶやく。ちあきなおみは歌手としても一流だが、女優にこそその真価が発揮されると思う。
ゆきみどりの部屋に入る。みどりさんは元気そうだった。
「昨年はあんな状態だったから、どうなることかと思いました。でも元気そうでよかった」
八嶋智人似の女性が、笑いながら言う。私も苦笑するしかない。
今年の作品は、緑を主張した作品にまとめたという。緑と一口にいっても、青や黄緑、碧や蒼などいろいろある。今年も味わい深い作品が並んだ。
しばし談笑したあと、ここでも1枚だけ、絵葉書を購入する。私製の50円切手付きで400円はちと痛いが、こういうところでケチってはいけない。
同じフロアでは午後1時から、恒例のホワイトコンサートがある。今年は4組登場するようだ。プロの演奏をタダで聴けるのはありがたいが、雪まつりそっちのけでこれらをすべて聴いていたら、本末転倒になってしまう。
あとで時間を作って、再度聴きに来ようと思う。
資料館を出て、再び雪像の鑑賞に戻る。昼食はすすきの近くの狸小路商店街で摂るつもりだったが、時間がもったいないので、大通公園で済ませることにする。
9丁目で、「北方領土返還」の署名をする。これも毎年の恒例である。記念品はポケットティッシュひとつだった。ちなみに旭川冬まつりは、同3コだった。
JTにゴミ袋を返しに行かなければならない。しかしその場所が分からなくなってしまった。
仕方がないので、とりあえず5丁目に急行する。前述したが、自衛隊コンサートの1時間前に、アイドルのコンサートがあるから、それを観るのだ。しかし人が多すぎて、容易に前に進めない。今年は例年以上に観光客が多いのではなかろうか。
5丁目には1時20分ごろに着いた。すでに何人かのアイドルがステージに登っている。何を聴かせてくれるのか、楽しみである。
ところが、女性の司会者が意外なことを言った。
(つづく)
4丁目はSTV・よみうり広場。大雪像は「伊勢 神話への旅」。今年は20年に一度行われる「式年遷宮」の年で、それでテーマに選ばれたらしい。伊勢神宮の大鳥居とその手前に架かる橋、巫女さんと白馬が綺麗に彫られている。
きょうは雪まつりの最終日ということもあり、物凄い人出である。会場は反時計回りの一方通行。前の人に続いて、そろそろ歩く。
ひとつ気付いたことがある。例年より、自分の視線が、「高い」のだ。大量の雪で踏み固められ、地面が数センチ盛り上がったのだろう。しかし体感温度はそれほど低くない。東京にいるときと変わらない。
5丁目、環境ひろばは「豊平館」。札幌に現存する、歴史ある建物のようだ。毎日氷の広場は「中正記念堂」。台北にある建物らしい。
TVクルーがいる。どこかのアイドルタレントが、ミニコンサートをやるようだ。
6丁目・市民の広場は「北海道・食の広場」。道内各地の名物が味わえる。数年前、真駒内会場が廃止になり、そこで開いていた店が移設した形だが、これで白一色の大通公園が賑やかになった。
6丁目には観光案内所がある。中に入って、さっぽろ雪まつりの公式ガイドを入手する。プログラムを見ると、私が毎年楽しみにしている陸上自衛隊北部方面音楽隊のコンサートは、14時半から5丁目で行われる。きょうはこれを軸にゆきまつりを堪能する。
数年前には、ここに缶バッジを売る売り子ちゃんがいたが、いなくなってしまった。公園を流れるBGMも、いつの年からか消えた。さっぽろ雪まつりも、細かいところで、経費節減をしているのである。
なお、旅行前は小樽も考えたが、「周遊きっぷ」を使用していないので、余計な出費は慎もうと思った。それに小樽は昨年、ある女性と観光し、それはそれは楽しいひとときを過ごした。私の半生で最高の1日で、あれ以上の小樽はもうないから、とても行く気にはなれなかった(なお「周遊きっぷ」は、今年の3月で全廃されることが決まった)。
7丁目・HBCタイ王国広場「ワット・ベンチャマボピット(大理石寺院)」。
8丁目・雪のHTB広場「歌舞伎座」。
9丁目・市民の広場は、「数々の動物」「北海道大学総合博物館」。
いずれも力作ぞろいだが、足を止めて見やる、という感じではない。ここまで雪像を観すぎて、目が肥えてしまったのか。いや、飽きてしまったのか。
「焼肉のタレ」の試食会なるものがあった。ミニミニ焼肉丼を食わせてくれるようだが、これが物凄い行列である。どうしてヒトは、タダだと並ぶことを苦にしないのか。私も、彼女が食べたいと言えばいっしょに並ぶが、ひとり旅ではごめんである。そのまま通り過ぎる。
その反対のブースでは、「緑効青汁」を配っていた。こちらはそれほど行列が長くないので、しばし並んで貰った。
ブースを出るとき、試供品もいただく。緑効青汁は青汁特有の青臭さがなく、飲みやすい。東京に戻ったら青汁パックを買おうといつも思うのだが、今年の冬はどうか。
9丁目には出張郵便局もあった。かわいらしい局員さんに引き寄せられる。いろいろ記念切手が売られていて、初音ミクの切手シートが目玉らしい。初音ミクは「北海道発」という話を聞いたことがあるが、どうなのだろう。
記念切手は1枚だけ欲しかったのだが、1枚単位では売っていないようだ。初音ミク切手シートは割高なので、買わなかった。おねえさんには申し訳なかった。
ちょっと小腹が空いたので、私はリュックからフィレオフィッシュを取り出し、頬張る。これが270円か…。バンズがちょっと小さくなった気がするが、どうだろう。
JTのブースがあった。JTは「将棋日本シリーズ」を主催している優良企業だ。いつものようにゴミ袋を配っていたので、それをいただく。道端に落ちているゴミは拾わないが、ジャンパーやリュックに残っているゴミを全部ここに放り込むつもりだ。そしてそれを返せば記念品がもらえる。例年どおり、ペットボトルのジュースだろうか。
10丁目・UHBファミリーランド。大雪像は「ちびまる子ちゃん in Hawai'i」。中雪像は「どん兵衛くん・すべり台」。どん兵衛ブースで、各カップめんが200円で食べられる。
ミニSL広場も併設されている。ミニSLにはいつも乗りたいと思うのだが、大人ひとりではさすがに無理だ。
11丁目は「国際雪像コンクール」。今年は11か国からの参加があり、これも見応え十分なのだが、雪まつりも最終日となると雪がくたびれており、若干見にくい。名寄と比べると、札幌の雪は水分が多く、それもネックとなっている。私は北海道の雪には厳しいのである。
12丁目は「市民の雪像」。半分だけ観て、折り返し…はせず、私はそのまま直進し、札幌市資料館に入る。これも毎年の定番である。
まずはトイレに入り、大を一発。旅先でのトイレは、「もうけた」気分になる。
資料室の隅で、JTのゴミ袋に、マクドナルドのゴミ袋や、空き缶などを放り込んだ。ゴミが処分できて、記念品がもらえる。これぞ一石二鳥である。
2階に上がって、乞望さんの店に入る。お地蔵さんのイラストに、気の利いた一言がしたためられたハガキなどが売られている。買わないまでも、眺めるだけで心が洗われる気分になる。
「苦労は人生の隠し味」
ちょっといい言葉のハガキがあったので、購入した(150円)。今月上旬、将棋ペンクラブの湯川博士幹事から手紙をいただいた。まだ返事を出していないが、このハガキを使おうと思う。50円の記念切手が欲しかったのは、このためであった。
隣の部屋は「懐かしのレコード館」。新冠のレコード館からの出張らしい。いまは懐かしいレコード盤をかけている。いまはジャズが流れている。室内にはレコード盤が豊富にあり、私たちもリクエストできることになっている。傍らのテーブルの上には、細川たかし、ピンクレディー、中森明菜らのレコードが置いてある。
私も何かリクエストしよう…と選んだのは、ちあきなおみの「喝采」。しばらく経つと、それがかけられた。
「いつものように幕が開き…」と室内に流れる。ここから入室した客は、私がリクエストしたことを知らない。「いい曲ね」とおばちゃんがつぶやく。ちあきなおみは歌手としても一流だが、女優にこそその真価が発揮されると思う。
ゆきみどりの部屋に入る。みどりさんは元気そうだった。
「昨年はあんな状態だったから、どうなることかと思いました。でも元気そうでよかった」
八嶋智人似の女性が、笑いながら言う。私も苦笑するしかない。
今年の作品は、緑を主張した作品にまとめたという。緑と一口にいっても、青や黄緑、碧や蒼などいろいろある。今年も味わい深い作品が並んだ。
しばし談笑したあと、ここでも1枚だけ、絵葉書を購入する。私製の50円切手付きで400円はちと痛いが、こういうところでケチってはいけない。
同じフロアでは午後1時から、恒例のホワイトコンサートがある。今年は4組登場するようだ。プロの演奏をタダで聴けるのはありがたいが、雪まつりそっちのけでこれらをすべて聴いていたら、本末転倒になってしまう。
あとで時間を作って、再度聴きに来ようと思う。
資料館を出て、再び雪像の鑑賞に戻る。昼食はすすきの近くの狸小路商店街で摂るつもりだったが、時間がもったいないので、大通公園で済ませることにする。
9丁目で、「北方領土返還」の署名をする。これも毎年の恒例である。記念品はポケットティッシュひとつだった。ちなみに旭川冬まつりは、同3コだった。
JTにゴミ袋を返しに行かなければならない。しかしその場所が分からなくなってしまった。
仕方がないので、とりあえず5丁目に急行する。前述したが、自衛隊コンサートの1時間前に、アイドルのコンサートがあるから、それを観るのだ。しかし人が多すぎて、容易に前に進めない。今年は例年以上に観光客が多いのではなかろうか。
5丁目には1時20分ごろに着いた。すでに何人かのアイドルがステージに登っている。何を聴かせてくれるのか、楽しみである。
ところが、女性の司会者が意外なことを言った。
(つづく)