一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

きょうの詰将棋

2010-01-26 18:48:58 | 将棋雑考
きょうの「LPSA日めくり詰め将棋カレンダー2010」は、小学6年生の女の子の作品。例年だと誕生日である中倉宏美女流二段の出題なのだが、この日が出題者の掲載第一希望日で、中倉女流二段が譲ったのかもしれない。
問題図はなかなか大掛かりで、パッと見、むずかしそうである。私もそうだが、オヤジも「なんだこりゃ?」としばらく考えていた。しかしそこはなるほどという好手があって、受け方の玉は見事に詰む。
詰将棋では、盤面に不要駒を配置しないことが暗黙の条件になっているが、この詰将棋には不要駒が多かった。しかしそれらの駒によって心理的不詰め感が漂っており、その意味ではすべての駒に意味がある、ともいえる。小学6年生の女の子が懸命に考えた、「ミニミニ構想物」といえよう。
手筋などない、どんなに簡単な詰将棋でも、解答者に訴えかける何かが問題の中にあればよい。だれもが詰将棋出題者になれる「LPSA日めくりカレンダー」の根底には、そんなコンセプトがある。
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中倉宏美先生、お誕生日おめでとうございます。

2010-01-26 00:04:20 | 女流棋士
中倉宏美先生、お誕生日おめでとうございます!!
中倉先生は、昨年度までのNHK杯将棋トーナメントの司会に加え、LPSA金曜サロンや子供スクールの講師、各種イベントの出演を精力的にこなし、幅広い世代から支持されていると察します。これは大きな勲章といえましょう。
また、天然自然の軽妙洒脱なトークは他の女流棋士の追随を許さず、私が文章を書く上での教科書にもなっています。
「私には将棋しかない!」という姿勢も素晴らしい。これからもLPSAの中核として、充実した毎日を過ごされることを祈っております。
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LPSA棋譜ノート

2010-01-25 00:14:29 | 将棋雑記
私は今年から、LPSA金曜サロンでの指導対局の棋譜を、「LPSA棋譜ノート」に、リアルタイムで記録することにした。このノートはLPSAホームページのオンラインショップで確認できるが、表紙と裏表紙がさわやかな青色、A5版(210mm×148mm)80頁で、40局分が収録できる。税込500円。
ノートを開くと、左頁は図面1つと数行のメモ欄があり、右頁は150手の指し手が記入できる。リング綴じなので切り取ることも可能だが、その場合は図面と指し手が表裏同じ紙になるよう、注意を要する。もっとも切り取って使う人はおらず、「見開きで1局」の体裁で使っている人が大半のようである。
私は最初、金曜サロンは夜の部に伺っていたので、女流棋士との指導対局は1局のみ。棋譜の記録は思考の妨げになると考え、つけなかった。その代わり帰宅するや将棋盤を出し、カップラーメンをすすりながら、その日の将棋を思い出し、大学ノートに記録していた。ちなみに当時LPSA棋譜ノートは存在せず、棋譜を残したい人は、日本将棋連盟販売の棋譜ノートなどを使用していた。
私はそんなパターンがしばらく続いていたが、一昨年の秋から、サロン終了後に有志と食事会に行くようになり、帰宅が深夜0時をまわるようになった。それから風呂に入って就寝すると、「棋譜再生」は翌日になる。
しかし半日から1日経つと、私の棋力では、ところどころで記憶が欠けてしまう。序盤の手順前後は大目に見るが、中盤の大事な局面で、ここでどう指したのだったか…と、指し手が思い浮かばないケースが多くなったのだ。
それに輪を掛けたのが、昨年のはじめ、不況により金曜日が休みになったことだった。皮肉にも金曜サロンを1日楽しめるようになり、LPSA女流棋士2人に教えていただけることになった。それは有難いことだったが、1局だって難儀なのに、2局分の指し手が頭に残るわけがない。
さらに私は4月から将棋ブログも始め、ブログに指導対局の一場面を書き込むことも始めた。こうなるとあやふやな局面を掲げるわけにはいかない。そこで今年から、ついに棋譜ノートをリアルタイムでつけることにしたのである。
実際おこなってみると、将棋を指しながら記録する不自由さはほとんど感じなかった。それどころか、指す前に一泊置くようになったので、手拍子で指すことがなくなった。また自宅で棋譜をつけるムダな時間がなくなったことも大きい。さらに書けば、棋譜を取り始めてから、女流棋士との対戦成績は、5勝1敗である。まさにいいことずくめだ。なぜもっと早くからつけなかったのだろう。
以前元奨励会三段のK氏が、指導対局時に棋譜を付けている会員の話を聞いて、「それはいいことですね」と感心していたが、なるほどそのとおりだと実感した。
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1月22日のLPSA金曜サロン・特別編

2010-01-24 00:29:24 | LPSA金曜サロン
22日のLPSA金曜サロンは、昼が中倉彰子女流初段、夜が中倉宏美女流二段の担当だった。私の記憶では、彰子・宏美姉妹の組み合わせは初めて。おふたりの天然ボケぶりはつとに有名で、姉の彰子女流初段が「切れ味鋭いボケ」とすれば、妹の宏美女流二段は「力強いボケ」といったところか。指導対局はもちろんだが、そんなPositive girlsによる夕方からの大盤解説も、大いに楽しみにしていた。
この日は中倉姉妹自身がブログで告知していたこともあり、多くの人出が予想された。私は例によって午後3時すぎに入室したが、早くも12、3人くらいいる。彰子女流初段の人気の高さを示すものである。
金曜サロンの机のレイアウトでは、指導対局以外の一般対局は4面用意されている。しかしすでに満席状態で、この日はそれが最後まで続いた。
4時すぎに、宏美女流二段が見える。きょうは黒系の洋服で、銀縁のメガネをかけている。駒込化学研究所の有能な助手、という感じだ。
4時30分から宏美女流二段の指導対局が始まったあと、5時30分ごろ、ようやく彰子女流初段との指導対局が回ってきた。しかし私のあとに、まだ対局を待っている人が何人もいる。私は何局か教えてもらっているので、やせ我慢をして指導対局の見送りを申し出たのだが、彰子女流初段は「どうぞどうぞ!!」とピュアピュアな笑顔で招いてくれる。な、なんて綺麗なんだ彰子先生!!
私はお言葉に甘えて盤の前にすわる。しかし楽しみにしていた5時30分からの大盤解説は、カットになってしまった。最近、金曜サロンへの来客が着実に伸びており、時間の関係で大盤解説をしないケースもふえてきた。解説はサービス的な意味もあるので、やがて廃止になるかもしれない。
彰子女流初段との対局が早く終わり、私は宏美女流二段の盤の前にスタンバイ。
「あ、負けましたー。そんな手があったんですねー」
と、彰子女流初段の頓狂な声が聞こえる。
宏美女流二段は先日の「1dayトーナンメント・Bins Gate Cup」で苦杯を喫し、相当落ち込んだようである。しかし負けたときの悔しさは忘れず、負けた事実だけ忘れて、来たる次の対局に気持ちを切り替えるべきである。
宏美女流二段との指導対局開始。中盤に入ったころか、彰子女流初段が
「アーッ!?」
と叫ぶ。また何か見落としがあったか。宏美女流二段がボソッとつぶやく。
「まただよ…」
いい味である。実にいい味である。中倉姉妹にはぜひとも大盤解説をしてほしかった。
夜になって、また客が増える。手合い係の植山悦行氏は、どう手合いをつけるものか、頭を抱えている。
けっきょくこの日は、彰子女流初段は7時すぎに上がりとなった。定時は6時までだから、いつもより1時間以上も指導対局に精を出してくれたことになる。不満をもらさず、真剣ながらも美しい表情で黙々と指導対局をこなしてくれた、彰子女流初段の矜持を特筆大書しておきたい。
宏美女流二段も、定時を1時間近くすぎた9時20分ごろに上がり。宏美女流二段もまた、この日は遅くまで指導対局をこなしてくれた。その数、金曜サロン新記録の20人。ちなみに客の総数は、最終的に23人に上った。
それにしても中倉姉妹の人気はすごい。もしこのおふたりがLPSAにいなかったら、LPSAがこの形で存続していただろうか。それほど中倉姉妹の存在は大きいのだと再認識させられた。
宏美女流二段が引き揚げたあとも、まだ客同士の対局は続いていた。それはいいが、私はなにか大きな忘れ物をした気がする。…アッ! 宏美女流二段に、「バイクの大型免許をいつ取ったか」、聞くのを忘れた!!
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第37期女流名人位戦予選・リーグ入り予想

2010-01-23 02:18:48 | 女流棋戦
第36期女流名人位戦5番勝負は24日(日)から開幕するが、すでに来期の予選が始まっている。ちょっと遅くなったが、きょうはB級リーグ入り5名を予想してみよう。

1枠・分からない
いきなり「分からない」はないが、この枠は熊倉紫野女流初段のリーグ入りでキマリだと思っていた。伏兵・古河彩子女流二段に屈したのは想定外。熊倉女流初段は当然タイトル獲得を目標にしていると思うが、中堅の女流棋士ぐらいはしっかり破らないと、タイトルはほど遠い。1枠は現在4名が残っているが、誰が勝ちぬくか、まったく予想がつかなくなってしまった。

2枠・竹部さゆり女流三段
竹部女流三段はあまり目立った存在ではないが、実力者である。第2期マイナビ一斉予選対局で、船戸陽子女流二段との枠抜けの一戦を制した将棋が印象に残っている。対抗は反対の山の高群佐知子女流三段。竹部女流三段の攻め、高群女流三段の受けという展開になり、ねじりあいの戦いのすえ、竹部女流三段に凱歌が上がると予想する。

3枠・中村真梨花女流二段
ここは進境著しい中村女流二段の枠抜けと予想する。前も書いたように、私は中村女流二段を将来の女流名人と見込んでいる。いつまでも予選で敗退しているようではいけない。先日の倉敷藤花戦3番勝負は、優勢だった第1局を勝ち切れなかった。まだ将棋が甘いということか。対抗は反対の山の船戸女流二段。中村女流二段怒濤の攻めが、船戸女流二段のそれを上回るのではなかろうか。

4枠・山田朱未女流二段
山田女流二段は、今期もマイナビ本戦入りするなど、実力がある。対抗は関西の村田智穂女流初段と予想するが、村田女流初段の実力はどうなのだろう。いずれにしても、山田女流二段の豪快な捌きが見られそうである。

5枠・山口恵梨子女流1級
女流将棋は、強い攻めが通って道理が引っ込むケースが少なくない。山口女流1級の攻めは、現在勝ち残っている4名の中で最も強いと思う。対抗は松尾香織女流初段。ただ松尾女流初段は中盤まで丁寧に指していながら、終盤時間に追われて暴発することがある。時間配分を慎重にすれば、勝機はある。

とにかく女流名人位リーグ入りすれば、9局指せる。これは大きい。毎月公式戦の対局が組まれれば、大きな励みになるだろう。もちろん、現在勝ち残っている全員に、リーグ入りの可能性がある。
「もっと勉強しておくんだった…」「あそこでああ指せば良かった…」ということのないよう、女流棋士の皆さまは、どうか悔いのない将棋を指してください。
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