一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

謎のおじさんの正体

2011-08-16 09:11:28 | 旅行記・沖縄編
「いやあ、久しぶり」
おじさんは振り向くと、人なつこい笑顔を見せた。「どちらから来てたかな」
私のことは忘れているのだ。まあ、それはそうだろう。
「東京から毎年来てる者です」
挨拶もそこそこに、とりあえずコトの真偽を聞いてみる。
読売新聞のコラムでは、そのおじさんは「勝っちゃん」と呼ばれているらしい。だが、「もじゃもじゃ頭にヒゲ面」はいいとして、「クルマを持っている」、「9年前に宮古島に戻ってきた」、「旅人にアクセサリーを売っている」などの記述は、こちらのおじさんとはイメージが合わない。おじさんがクルマを持っているとは思えぬし、11年前にはすでに吉野海岸で会っている。以前は缶ジュースを定価で売っていたが、アクセサリーを売るような商売もしていなかった。
では謎のおじさんはふたりいるということか。
「勝っちゃんなら、あっちにいるよ」
やはり、別人だった。そして、よかった、と思う。おじさんは、新聞などのニュースで取り上げられてはいけない人なのだ。何人にも拘束されず、自由気儘に行動するのがいいのだ。
これでおじさんとの対面はオワリ。お互い、「サラッと」がいいのだ。
しかし浜辺で佇んでいると、おじさんが来た。おじさんはポケットからサンゴのかけらを取り出すと、それを紐にくくりつけ、即席のアクセサリーを作った。それを私の首に掛けてくれる。もちろんおカネは取らない。おじさんがこんなことをしてくれたのは初めてである。
「はは、ありがとうございます」
「シナモンティーを沸かしたから、飲みに来なさい」
近くにいた若者のグループもこちらに興味を示していたので、おじさんは彼らも呼ぶ。よく見ると、おじさんはヒゲもたくわえていなかった。
シナモンティーは「地の物」を使っているのだろう。汚いヤカンから注がれたティーは品のいい香りで、美味かった。
勝っちゃんの話が出たからか、おじさんは自分の話をし始めた。これは珍しいことだ。聞くと、おじさんは5年前にブログを開設していて、「吉野のおじさん」で検索すればヒットするという。これまでに40万件以上のアクセスがあったというから、かなり有名らしい。
おじさんは日本全国に「仙人村」を造るという大構想を持っていて、ブログはこれについて書いている。何だかよく分からないが、とにかくスゴイことを考えているのだ。
もうこれだけでも十分衝撃的なのだが、さらにおじさんが「本業は、都市開発のコンサルタントをしています」と言ったので、ズッコケた。はあ? 定職があるのか!? 言葉は悪いが、おじさんは宮古島のホームレスかと思った。
若者のグループは、おじさんがもう少しやわらかい話をするとフンでいたようだが、妙な話になったので、三々五々その場を離れていった。
私は読売新聞の例のコラムの切り抜きを持ってきたので、それを読んでもらう。
「11日の木曜日までのしかないんですけど」
おじさんは興味津々でそれを読む。しかし表情は固い。どうも、切り抜きを返してもらえる雰囲気ではなかったので、そのまま差し上げた。
これはあくまで私の印象だが、おじさんは勝っちゃんをあまり快く思っていないようだった。勝っちゃんがここ吉野海岸で商売をしているなら、それはおじさんのポリシーに反する。おじさんは、吉野を訪れた人に、吉野海岸の素晴らしさを知ってほしいと願うだけ。そこに己の金銭欲はからんでいない。
もっとおじさんと話をしていたいが、バスの時間が迫ってきた。公共交通機関を利用している旅行者は、時間に縛られる。私はおじさんとの再会を約束し、場を離れた。
帰り際、「勝っちゃん号」と書かれたライトバンを見る。運転しているのは、ヒゲ面の勝っちゃんだ。そういえば、彼の顔は何度か見たことがある。
「読売新聞、読みましたよ」
というと、満更でもない顔だ。そのまま坂の上まで乗せていってくれそうだったが固辞し、歩きで登る。私の旅はハードなのだ。
ようやっと海岸入口まで着いた。見ると、その先に「勝ちゃん無料駐車場」なるスペースがあった。この駐車場も勝ちゃんの所有だったのか。勝ちゃん、手広く営業をしているようである。彼のどこが謎なのか、まったく分からない。私に言わせれば、吉野のおじさんのほうがよっぽど謎である。新聞記者はコトの真相をよく確かめて、記事にしてもらいたい。

吉野バス停に戻る。私の乗るべきバスは16時33分で、これが平良方面へ戻る最終である。東京では考えられない時刻だ。
ところがその時刻が過ぎても、一向にバスが来ない。休日時刻でバスが運休ではあるまいな。しかしバス停の時刻表は、16時33分のところに特別な印はない。全然客がいないから運休したのか? と妙なことも考える。7分が過ぎた。もし船戸陽子女流二段とデートをしたとして、その待ち合わせに彼女が遅れたら何とするか。5分を過ぎた時点で、デートをすっぽかされたと考えるだろう。
こちらのバスは10分を過ぎても来ない。そのとき「あっ」と思った。そうだ、たしかこの時間のバスは、数年前に時刻を改定し、吉野発が16時43分だった。と、16時46分、宮古協栄バスがようやく姿を見せた。
それにしても、バス停に掲げられている時刻が数年前のものなのに文句を言わない住民、そのままにしておくバス会社。沖縄県民は、そういう小さなことに拘らないのだ。
平良営業所のひとつ手前、下地鮮魚店前で下車。定時は17時18分だが、停留所の時刻表は、ここも17時08分だった。
ここで降りたのは、近くに私の行きつけの喫茶店があるからだ。ここのアイスコーヒーとブルーベリーケーキが絶品で、備え付けの女性誌を読みながらのんびりするのは、至福の時間だ。ところがこの喫茶店は休みだった。あのシャッターの閉まり方は人を寄せ付けない感じだ。まさか閉店したのではあるまいな。ちょっとイヤな予感がした。
仕方がないので、本日の宿、「宮古島ユースホステル」に向かう。ここのペアレントさんは元「ミス宮古」で、とても綺麗な女主人だ。私は彼女に会いたくて、毎年宮古島を訪れている。
その途中、スーパーかねひでがあるので寄ってみる。飲料水のコーナーに行くと、POKKAさんぴん茶の2リットルペットボトルが138円で売られている。那覇のサンエーでは、同じ商品が158円だった。さらに奥を見ると、ハイサイさんぴん茶の2リットルが98円で売られていた。これは涙が出るような安さである。沖縄を旅行するのだったら、水分はつねに携帯しておくのがよい。私は大いに感激して、ハイサイさんぴん茶を買った。
宮古島ユースホステルに投宿する。ペアレントさんと1年振りの再会か。と思いきや、応対に出た人は若い男性だった。ペアレントさんのご子息だと思うが、記憶がない。三男さんか四男さんだろう。
まあいい。シャワーを浴びたあと、港近くまで夕食を摂りに行く。宿の夕食を申し込んでいない場合、外で摂る夕食は楽しみである。沖縄料理にするか、牛肉料理にするか、魚料理にするか。
と、大通りの反対側に、ちょっとこ洒落た日本蕎麦屋が目に入った。ちょっと迷ったが、そこに入る。宮古島まで来て、日本蕎麦。このポリシーのなさが私流である。頼んだ「合い盛り」は、蕎麦は香り高く、うどんはコシがあって、美味かった。
腹もくちくなって宿に戻るが、フロントは静かだった。ペアレントさんとの再会は翌日に持ち越し。ほかにやることもなく、12時に就寝した。
(つづく)
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宮古島・吉野海岸の謎のおじさん

2011-08-15 20:33:49 | 旅行記・沖縄編
8月8日(月)~12日(金)の読売新聞夕刊の社会面「しあわせ小箱」欄に、沖縄県宮古島の吉野海岸に出没する、謎のおじさんが紹介されている。
当ブログの熱心な読者ならご記憶だろうが、ここの旅行記でも、吉野海岸の謎のおじさんを紹介したことがある。私は吉野海岸を15回ぐらい訪れているが、そのおじさんは、大抵そこにいた。
新聞記事のおじさんと、私が会っていたおじさんは同一人物なのか――。きょう13日は、それを確かめる目的も持って、宮古島へ飛ぶことになった。

まず、8時35分牧志発のゆいレールで那覇空港まで向かう。51分、空港着。早速チェックインする。土産物店の酒類が目に入るが、まだお土産を買うわけにはいかない。しかしLPSAは酒豪が多すぎる。
今回用意したANA株主優待券は3枚。東京-那覇の往復と石垣→那覇で1枚使うので、那覇→宮古は定価で買うしかない。しかし18,600円は高すぎる。
飛行機に乗り込む。あれええっ!? な、中村真梨花女流二段!? あ…、違うか。これは中村女流二段にそっくりのスッチーがいたものだ。いままで里見香奈女流名人・女流王将・倉敷藤花、本田小百合女流二段、山口恵梨子女流初段似のスッチーを目にしたが、彼女も相当似ている。しかし中村女流二段似のスッチーが搭乗していると思うだけで、何かミョーな安心感があるのはなぜだろう。
ボーイング737は、定刻より3分早く到着した。その足で私は、吉野海岸へ向かう。
県道78号に出て、そこを南下すると、その中途に宮古協栄バスの停留所があり、11時00分に平良営業所を出発したバスが私を拾うという寸法だ。
10時55分、名底に着く。時刻を確認したいが、時刻表が貼られていない。宮古協栄バスは路線バス事業に力を入れていないのだ。
しばらく歩くと、上りのバス停が見えてきた。ここには時刻表が貼られてあった。下りの名底発は11時08分。現在の時刻は10時58分である。これなら、次の中野原越バス停まで歩けるんじゃないか? ひとつでも先のバス停に行って、少しでもバス代を安くするのは、バス旅行の基本である。
私は躊躇なく先へ向かった。
ところが、行けども行けどもバス停がない。そのうち時刻が11時08分になり、振り返ると、後ろから路線バスがもうやってきた。
ちょ、ちょっと、早すぎないか?? これを逃したら、次のバスは2時間後である。私は恥をしのんで、手を上げた。フリー乗降区間ではないが、やむを得ない。
バスは止まり、ドアを開けてくれた。運転手さんはサングラスをかけた強面の人だ。この顔には見覚えがある。譬えれば山口英夫八段といったところか。
「吉野まで」
「……」
バスが走ると、すぐに中野原越バス停の前を通った。
「バス停のところで乗ってくれんとねえ」
「は、はい」
ちょっとちびった。
落ち着きを取り戻して車内を見渡すと、先客はおじさんの1名のみ。これでは路線バス事業の先が思いやられる。
吉野、11時32分着。運転手さんが、吉野海岸への行き方を教えてくれそうだったが、丁重にお断りする。しかしいま思えば、それがマズかったか。
いつも同じ道を行くのもどうかと思ったので、今回は別の方角から行ってみようと思った。しかしこれが大間違い。行けども行けども畑ばかりで、ちっとも海にたどり着けない。
空は曇っているが湿気がすごく、全身に汗をかいた。それよりも、貴重な時間をムダにしている、という焦りが先に立つ。
なんだか見覚えのある景色だが…と思い、近くの民家で尋ねてみると、どうも吉野停留所の近くまで戻ってしまったようだった。
しばらく歩くと、果たして停留所に出てきてしまった。時刻は12時11分。40分も時間をムダにしたことになる。
まったくバカバカしいが、ここから気持ちを入れ換えて、勝手知ったる道を行く。10分ちょっとで吉野海岸の入口に着いた。ここから急な坂道を下る。吉野海岸は、市が中心になって数年前から周辺の開発がなされた。浜辺は整備され、入口付近には立派なシャワーやトイレ、食堂が完備し、格段に便利になった。急な坂道をシャトルバス(ワゴンカー)が頻繁に行き来するようになった。
しかし鄙びた雰囲気は一変し、砂浜にはカラフルなパラソルが何本も立ち、その辺の海水浴場と変わらなくなった。これを嘆く旅行者は少なくないと信じる。
海は干潮で入る気がしないが、海に入りに来たので、入る。沖縄、夏、海と来れば水着のおねーちゃんが想起されるが、案に相違で、そんな女性はあまりいない。海中のサンゴを愛で、サカナと戯れるのを目的としているおねーちゃんは、水着よりもウエットスーツを着用するからだ。水着のおねーちゃんを鑑賞したい人は、島の北にある砂山ビーチがいいかもしれない。ただし海の中は白砂ばかりで、面白くもなんともない。
サカナと戯れたあと浜辺に戻って、前日に仕入れたお惣菜を食す。これがさみしい昼食である。一晩経ったフライドチキンは油ギトギト。大学イモは、すっかり蜜を吸っていた。しかし食べるしかない。まだコロッケが残っているが、胸焼けしそうで、これは食べる気がしなかった。
また海に入る。吉野のサカナにも馴れたから、いまでは大した感激はないが、初めて潜った人は感嘆の声を挙げるだろう。何度も沖縄を経験している船戸陽子女流二段はともかく、中倉宏美女流二段や島井咲緒里女流初段ならどんな反応を見せるだろう。一度連れて行ってあげたい。
時刻は午後2時半。おじさんが暮らしている?浜辺のホッタテ小屋に行く。ブルーシートに覆われた中を覗くと、おじさんがこちらに背中を向けていた。
「おじさん」
私は声を掛けた。
(つづく)
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第5回 私が勝手に選ぶ女流棋士ファンランキングトップ10

2011-08-14 09:43:53 | 女流棋士ファンランキング
旅行記は沖縄本島に着いたところだが、きょうは1回休んで、「私が勝手に選ぶ女流棋士ファンランキングトップ10・2011年8月版」を発表する。
まず、過去4回のランキングトップ10を再掲しておく。

第1回・2009年8月24日エントリ
第1位 船戸陽子女流二段(LPSA)
第2位 山口恵梨子女流1級(女流棋士会)
第3位 中倉宏美女流二段(LPSA)
第4位 島井咲緒里女流初段(LPSA)
第5位 中村桃子女流1級(女流棋士会)
第6位 岩根 忍女流二段(女流棋士会)
第7位 中村真梨花女流二段(女流棋士会)
第8位 藤田麻衣子女流1級(LPSA)
第9位 中倉彰子女流初段(LPSA)
第10位 成田弥穂女子アマ王位

第2回・2010年2月14日エントリ
第1位 船戸陽子女流二段(LPSA)
第2位 中倉宏美女流二段(LPSA)
第3位 山口恵梨子女流1級(女流棋士会)
第4位 中井広恵女流六段(LPSA)
第5位 岩根 忍女流二段(女流棋士会)
第6位 中村真梨花女流二段(女流棋士会)
第7位 本田小百合女流二段(女流棋士会)
第8位 中倉彰子女流初段(LPSA)
第9位 中村桃子女流1級(女流棋士会)
第10位 島井咲緒里女流初段(LPSA)

第3回・2010年8月15日エントリ
第1位 船戸陽子女流二段(LPSA)
第2位 室谷由紀女流1級(女流棋士会)
第3位 島井咲緒里女流初段(LPSA)
第4位 中倉宏美女流二段(LPSA)
第5位 山口恵梨子女流初段(女流棋士会)
第6位 中井広恵女流六段(LPSA)
第7位 岩根 忍女流二段(女流棋士会)
第8位 安食総子女流初段(女流棋士会)
第9位 本田小百合女流二段(女流棋士会)
第10位 中村桃子女流1級(女流棋士会)

第4回・2011年2月13日エントリ
第1位 船戸陽子女流二段(LPSA)
第2位 島井咲緒里女流初段(LPSA)
第3位 中井広恵女流六段(LPSA)
第4位 中倉宏美女流二段(LPSA)
第5位 室谷由紀女流1級(女流棋士会)
第6位 松尾香織女流初段(LPSA)
第7位 岩根 忍女流二段(女流棋士会)
第8位 山口恵梨子女流初段(女流棋士会)
第9位 石橋幸緒女流四段(LPSA)
第10位 中村桃子女流1級(女流棋士会)

ここまで、船戸陽子女流二段が4回連続の1位。船戸女流二段を殿堂入りにしたほうがいいのでは、という声もあったが、ヒトの心は移ろいやすい。
では第5回を発表する。

第1位 島井咲緒里女流初段(LPSA)
今回はキュートキュート島井女流初段を1位とした。LPSA先月の芝浦サロンで、私は3時間近く、島井女流初段を独り占めにしてしまった。そのときの感想戦で大いにお互いの読み筋を述べたのだが、それまでは島井女流初段は無口、というイメージがあったので、「しゃべる島井女流初段」は、とても新鮮だった。先日の握手攻撃もポイントが高かった。この順位づけに後悔はない。

第2位 室谷由紀女流初段(女流棋士会)
パーフェクト室谷女流初段を2位とした。先月の女流棋戦の公開対局では、アイドルやモデルと見まがうばかりの仕種に、目が奪われっ放しだった。倉敷藤花戦など各棋戦で頑張っており、このまま強くなればマスコミも放っておかず、メジャーデビューする日も近いだろう。

第3位 船戸陽子女流二段(LPSA)
船戸女流二段は今回3位とした。5回連続の首位ならず。船戸女流二段はかねてから、「ファンの女流棋士に、順位をつけるのは意味がない。ファンならそれでいいじゃない」と何度も私に訴えていた。いつまで1位を守れるか、妙なプレッシャーもあったのかもしれない。一応3位にはしたけれど、もし女流棋士のパーティーがあれば、私は船戸女流二段を真っ先に探す。やっぱり、気になるひとである。

第4位 中井広恵女流六段(LPSA)
LPSAの影の顔、中井女流六段を4位とする。中井女流六段は不思議で、鬼のように恐ろしい存在のときもあれば、マリア様のように神々しい存在のときもある。私のそのときの気の持ちようで、中井女流六段がいかようにも見える、ということだろう。これからも素敵なママさん棋士であり続けてほしい。

第5位 中倉宏美女流二段(LPSA)
宏美女流二段は最近パッとしないと思うが、どうか。ブログが休眠状態になっているのもどうかと思う。本人はツイッターにシフトを移したようだが、私はツイッターは読まない。何となく、宏美女流二段の存在が薄くなりかけている。将棋も含めて、今後の一層の活躍に期待する。

第6位 山口恵梨子女流初段(女流棋士会)
山口女流初段は髪をバッサリ切ったが、女子大生っぽくなって、一段と魅力的になった。熊倉紫野女流初段がフェードアウトして、関東の現役女子大生は彼女しかいなくなった。これからもっと強くなって、駒桜に入会していない私にも、その姿がどんどん露出されることを祈る。

第7位 松尾香織女流初段(LPSA)
人妻・松尾女流初段は手堅く7位。のほほんとした話し方、性格は、癒し系の代表格。松尾女流初段は酒豪の誉れ高いが、本当は酒が強くない、という噂もある。酒が入ると目がトロンとして、一段と女っぷりが増す。私がイケル口ならどんどん誘ってしまうのだが、下戸では仕方ない。あとはもう少し将棋のほうを勝ってくれれば、言うことはない。

第8位 岩根 忍女流二段(女流棋士会)
前回の発表で、「岩根女流二段は女性誌に子育てのエッセイを書くべき」と書いたが、岩根女流二段は何と「NHK将棋講座」に、その類の連載を始めた。さすがNHK、お目が高い。岩根女流二段は各棋戦でコンスタントに勝ち上がり、実力者の印象がある。再び檜舞台に立つ日も近いだろう。

第9位 中村桃子女流1級(女流棋士会)
中村女流1級は、とにかく美人である。最強。それだけでランクインしていると言っても過言ではない。某棋戦ではチャレンジマッチ行きになってしまったが、彼女の力がそんなものでないことは、全国の将棋ファンが知っている。今後の巻き返しに期待する。

第10位 井道千尋女流初段(女流棋士会)
今回は10位に井道女流初段をランクインさせた。いつぞやもチラッと書いたが、女流王座戦の発表会のとき、右端にいる女性が気になった。あの美人は誰か? それが井道女流初段だった。7月の某棋戦の公開対局では、井道女流初段の将棋を指す手つきがしっかりしていて、一層の好感を持った。

以上、今回も10名が決まった。今回は船戸女流二段が3位になり、鈴木環那女流初段はランクインしなかった。
船戸女流二段の「3位」は、周りから非難されることは承知している。しかし1位から5位までは僅差である。その日の体調によっても、順位が違う。いまは、島井ちゃんに癒されたい気分なのである。
女の中の女、鈴木女流初段もランクインしたかったが、トップ10の層は厚かった。だから3位とは、相当スゴイ位置なのである。
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沖縄へ

2011-08-13 01:25:02 | 旅行記・沖縄編
夏――。今年も沖縄旅行の季節がやってきた。
夏の沖縄旅行、冬の北海道旅行が定番となってだいぶ経つが、観光する場所に違いはあれど、訪れる季節を変えようと思ったことはただの一度もない。冬の北海道では極限の寒さを体感し、夏の沖縄ではギラつく太陽の熱を全身に浴びる。そのたびに私は日本の広さを実感する。この行程が逆だったら――。冬に沖縄、夏に北海道を旅しても、これほどの感慨は持たなかっただろう。
12日(金)午後6時、荷物をまとめて自宅を出発。船戸陽子女流二段にいただいたパスケースをピッとやって改札口を通過し、浜松町でモノレールに乗り換える。時間に余裕があるので空港快速を待たず、各駅停車に乗った。ゆったりと座って、18時56分、空港第2ビル着。
まずはチェックイン機で手続きをする。1階中央、1階後方、2階中央の3つが選択できたが、2階からの眺めがよさそうなので、それにする。
検査場を通過して、搭乗窓口で待つ。私の乗るべき飛行機はANA20時ちょうど発の139便だが、飛行機の到着が遅れ、出発は20時10分とのこと。以前も書いたが、時間の正確さでは、列車にはかなわない。
ついに搭乗開始。お盆の時期だけあって、飛行機は満員だ。2階は左右に3席ずつされていて、私は「B」だから、つまり左側の真ん中の席だった。「中央」とは、そうい意味だったのか。
しばらくして、左に女性が座る。男性より女性のほうがいいのは言うまでもない。
20時10分からさらに11分遅れて、20時21分、ボーイング747は離陸した。
2階の担当スッチーは2人。これはうっかりした。1階のほうが、もっと多くのスッチーが拝める。マズッた、失敗した…。しかし2階のスッチーも少数精鋭で、魅力的だ。そのうちのひとりは、誰かに似ているような似てないような…というところ。髪を後ろで、キュッとまとめている。船戸女流二段は現在髪を長くしているが、後ろで束ねたら、また別の魅力が出るのではなかろうか。
しばらくして、そのスッチーが、飲み物のサービスにやってきた。いまは航空会社も厳しいので、お茶とジュースは無料だが、それ以外の飲み物はカネを取る。コーヒーも有料である。と、左の女性が千円札を差し出して、小瓶を受け取った。赤ワインだった。
機内でワインを所望する乗客を初めて見た。もっとも船戸女流二段は、機内のワインは常識かもしれない。私はさびしく、ただのお茶。こんなところで見栄を張っていられない。
ヘッドホンで音楽を聴く。私は音楽鑑賞の趣味はないので、こんなときぐらいしか音楽を聴く機会がない。
KARAの「GO!GO!サマー」が流れる。これは覚えやすくて、いい曲だと思う。いまの私にピッタリである。
22時40分、ボーイング747は、那覇空港に静かに滑り込んだ。私見だが、着陸時のテクニックは、ANAがいちばんだと思う。まるでお手本のように、スーッと着陸することが多い。
そのまま「ゆいレール」のりばへ向かう。本日の宿は国際通りにある。最寄り駅は牧志だ。ところが牧志までの値段が290円になっているので、愕然とした。30円も値上げしている!
ふらふらとゆいレールの乗車する。最後尾に、運転席から前方を望める2人掛け用の席が空いていたのだが、ひとりで座ってもむなしいので、ロングシートに座る。
23時16分、牧志下車。すぐに宿には向かわず、深夜1時まで営業しているサンエーに入り、2リットルのさんぴん茶と、半額のお惣菜を買う。さらに牛丼と沖縄そばの専門店に入った。晩ご飯は自宅で済ませたが、ここは入るのがスジである。
牛丼は具のないみそ汁がついて330円。これはお値打ち価格であろう。私もこれを頼み、かっ食らう。いかにも牛丼、という味で、うまかった。
午後11時45分、某ホテルに旅装を解いた。明日からいよいよ、沖縄旅行の始まりである。
(15日につづく)
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LPSA芝浦サロン・船戸陽子女流二段10・船戸陽子を堪能する

2011-08-12 01:03:56 | LPSA芝浦サロン
1月25日は火曜日だったが、LPSA芝浦サロンは船戸陽子女流二段が担当だったので、ふらふらとお邪魔した。
午後7時前にサロンに入ると、客がいない。月曜日は駒込マンデーレッスン、金曜日は駒込金曜サロンの流れがあるからある程度の集客は見込めるが、火曜と水曜は厳しい。もっともそれは経営側から見ればの話であって、私からすれば、船戸女流二段が担当のときは客が少ないほうが、極論すれば誰もいないほうが、ふたりの時間を楽しめるからよい。今回はその狙いがピッタリはまった形となった。
本日の手合い係は大庭美樹女流初段。お姉さんの美夏女流1級も遊びに来て、指導対局前に雑談をした。
話の中身は、1月21日(金)に行われた「ジョナ研」のことだ。
大庭姉妹「(そんなに楽しいなら)私たちも駒込に行こうかな」
船戸女流二段「偶然を装って」
3人は、ジョナ研の存在が気になるようである。女流棋士がジョナ研に参加してくれるならそれはWelcomeだが、大庭姉妹と船戸女流二段が、そんなに将棋が好きだとは思われない。ジョナ研が芝浦サロンの脅威になる可能性を感じて、3人が警戒したものだろう。
いよいよ船戸女流二段との指導対局である。しかし客は私ひとりだから、私は緊張の極みだ。そこへ
「まだ2時間あるからたっぷり指せますよ」
と船戸女流二段が言った。確かにそうで、それ以外の意味は見つからないのだが、なんだかミョーに興奮する。きょうは最初から最後まで、このもやもやした思いが私の頭の中を支配した。
▲2六歩△3四歩▲7六歩△4四歩。
通常なら上手(後手)の振り飛車だが、船戸女流二段は雁木も得意だから、まだ上手の作戦は分からない。その後も△6四歩や△7四歩と態度を決めず、16手目に△7二飛と寄った。袖飛車だ。
私は自然に駒組を進め、▲2四歩△同歩▲2三歩△同金▲2四角と攻勢に出た。
改めて、広い室内に船戸女流二段と私、それに大庭手合い係の3人。
顔を上げれば盤上没我の船戸女流二段の顔がある。まったく、何という美しさであろうか。思わず見とれてしまう。
△2二歩と凹まして下手好調。しかしここからの数手がひどかった。

ここで▲2五桂がどうだったかと思うが、まあ、そう指した。しかし△2四金に▲1三桂成が悪手だった。△2三歩▲2二歩に、△1三桂と成桂を取られて、飛び上がった。船戸女流二段も笑いをかみ殺して、
「▲1三桂不成とすべきでしたね」
という。やはり平常心を欠いていたのだろう。大ポカだった。
それでも私は飛車切りの猛攻を仕掛け、▲4三金と貼りつく。まだむずかしい局面である。
と、あれはどの局面のときだったか、大庭手合い係が
「何かあったら知らせてください」
といって事務所に引き込もうとするので、3人とも同じことを考えて?顔を見合わせて、大笑いになった。
何かあってからでは遅いのだが、まあ、私にそんな度胸はない。
しかし実際、大庭手合い係に事務所に戻られてみると、絶対に起こり得ない状況に、私の頭はスパークした。ついに、この部屋に船戸女流二段と私だけになったのだ!!
船戸女流二段を恐る恐る眺めてみる。彼女は私の視線に気づいているのかいないのか、体を前傾姿勢にし、くちびるに指をあて、読みに没頭している。それはまるで、モデルがポーズを取っているかのようだった。
何て綺麗なんだろう…。本当に、爆発しそうだった。
しそうではあったが、そこへ大庭手合い係が戻ってくる。
ところが私が平静を取り戻すと、再び大庭手合い係が再び事務所に消える…というふうに、その後もおかしな展開が繰り返されたのだった。
そんななか局面は進行し、大詰めを迎えた。私は▲2一飛成と角取りに迫る。
しかし、ここで自陣を見る船戸女流二段ではなかった。船戸女流二段の目は私の玉に注がれている。それを見て、ああ、私の玉は、詰まされるんだな、と思った。ふたりの濃密な時間に、終わりのときが来ようとしていた。
船戸女流二段、じっくり読みを入れて、△6八角成。私は、▲同歩。
船戸女流二段、ビシリと重い駒音で、△8九銀と打った。
「そうか…。負けました」
と私は投了。濃密な一局が終わった。本当に、船戸陽子を堪能した思いだった。
「いやしかし厳しい」
私は嘆息する。怪訝そうなふたりに、私は続けた。
「鼻血が出そうでした」
「興奮した」
「ムラムラしてしまいました」
神聖なる指導対局の場で、指導の女流棋士にこんな思いを抱き、それを吐露することが不謹慎極まりないと承知しつつ、私は言わずにはおれなかった。
本局、船戸女流二段は、たったひとりの指導対局にもかかわらず、真剣に対局に臨んでくれた。その船戸女流二段に指導を仰ぎたい将棋ファンは、全国に大勢いる。その中のひとりである私は、何の障害もなくそれが叶えられる、稀有な状況にある。その幸せを私はきょう、改めてかみしめたのだった。

参考までに、上に記した局面から投了までの棋譜を、以下に記しておく。

▲2五桂△2四金▲1三桂成△2三歩▲2二歩△1三桂▲3四歩△3五歩▲2一歩成△同銀▲2四飛△同歩▲4三金△2八飛▲3七銀△3八飛成▲4四金△6五歩▲3三歩成△6六歩
▲同金△6七歩▲同玉△4七竜▲7八玉△6七歩▲5三銀△6八歩成▲同金△5九角▲7四歩△7六歩▲同銀△7七歩▲同桂△3七竜▲6九歩△5二金▲4二歩△5一王
▲4三と△6三金▲7三歩成△同金▲5二と△同飛▲同銀成△同王▲2三飛△3九竜▲5三金△6一王▲2一飛成△6八角成▲同歩△8九銀(投了図)
まで、106手で船戸女流二段の勝ち。
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