一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

沈黙のジョナ研

2012-03-26 00:04:53 | ジョナ研
23日(金)、LPSA芝浦サロンを出た私は、田町から山手線に乗って、駒込で降りた。ジョナサンに入ったのは午後9時20分。ジョナ研が催されて1年半になるが、こんなに遅い入りは初めてだ。
ジョナ研の席に行くと、6人が先着していた。では席の配置とともに紹介する。

    壁
Fuj R Kun

Kaz Hon W 一公

Fuj氏とKaz氏は、真剣な顔で対局中。R氏はHon氏相手に、きょう戦った渡部愛ツアー女子プロとの将棋を並べていた。相変わらず、将棋バカ全開である。
Kun氏は愛ちゃんとの将棋を終えるとすぐ駒込に来た。W氏は仕事が立て込んだためハナから芝浦には行かず、直に駒込入りしていた。これはこれで立派な選択である。
みんなすっかり馴染んでいて、私が場違いな感じだ。こりゃオレも駒込に直行すべきだったかと思うが、もう遅い。
私はキャンペーンメニューを頼む。考えてみれば、LPSA駒込サロンや芝浦サロンでは、この時間の食事がふつうだった。
9時40分、Kub氏が来た。Kun氏とR氏の間に座る。Kub氏は芝浦サロンにも顔を出していて、芝浦→駒込のコースはこれで4人になった。
R氏、Hon氏の研究が終わると、今度はKub氏が愛ちゃんとの二枚落ちの将棋を並べ始めた。そのKub氏、通勤中に将棋の勉強をしたいから「iPad」を購入したいらしい。このブログではあまり馴染みのないKub氏、こんなに将棋バカだとは思わなかった。
Kub氏の将棋が終わると、今度はR氏とHon氏が実戦を始めた。対局するのに席料はかからないから当然ともいえるが、席の左半分が沈黙してしまい、異様な感じがする。
残った私たちはジョナ研イベントの日程などを詰めるが、うちひとつは3泊4日を予定しているので、全員の足並みがそろわない。しかしこのイベントだけは実施しないといけない。
R-Hon戦はR氏が勝った。Hon氏はKaz氏に勝つほどの実力者だから、そのHon氏に勝つとはR氏、すごかった。
これでHon氏は退席。Hon氏とはいつかまた語り合おうと思う。
再びKub氏が自分の将棋を並べ、それが終わるとKub氏も退席した。駒込へは交通の便が悪くて来にくい、というKub氏、次に会うのはジョナ研イベントの場になりそうである。
R氏、きょうは将棋会館と芝浦サロンをハシゴしたとのこと。そしてジョナ研である。R氏の将棋熱、ここに極まれり。
Fuj氏とKaz氏の将棋が終わったようだ。どちらが勝ったかは興味がないが、Kaz氏はまだ将棋を指したいようである。請われて私がKaz氏の前に座る。
きょうの私は愛ちゃんといい将棋を指し、まずまずいい気分だったのだが、某氏との2局目に不可解な負け方をして、調子が狂った。江戸の敵を長崎で討ちたいところでもあるのだが、それではジョナ研名物のおしゃべりがなくなってしまう。これってどうなの? というところもある。
振り駒で私の後手。2手目と4手目にかなり迷ったが、ゴキゲン中飛車に構えた。私は基本的に居飛車党なので、ゴキゲン中飛車の採用は、4局目か5局目ぐらいである。
ゴキゲン中飛車は、個人差はあるだろうが、角頭を守らなくてもいいというルーズなところが魅力だと思っている。しかしあまりにもルーズに指しすぎて、作戦負けに陥った。
そのさなか、Kun氏が退席。ひとり、またひとりと散っていくのがジョナ研流である。
横ではR氏とFuj氏が対局を始めている。まだ指すのか。こいつらホントに、バカじゃないの? ひとり残されたW氏は手持ち無沙汰のようだ。
局面、△5二金左が疑問手。5一の飛車が影になったので▲5四歩と伸ばされ、△6三金▲5五銀左△7四歩に▲3五歩と突かれた。これに△同歩は▲同銀△3四歩▲4四銀右で後手つぶれ。しかしほかに指しようもなく、すでに敗勢になっているのに愕然とした。
では数手後の局面を記す。

先手・Kaz氏:1七歩、1九香、2五歩、2九桂、3五歩、4七歩、5五馬、5七金、6七歩、6八銀、6九金、7六歩、7八玉、8七歩、8九桂、9七歩、9九香 持駒:飛、角、歩
後手・一公:1一香、1三歩、2一桂、2三歩、2九竜、3四歩、6一金、6三金、6四歩、7二銀、7四歩、8一桂、8二玉、8三歩、9一香、9三歩 持駒:銀2、桂、歩
(▲5五馬まで)

以下の指し手。△6五桂▲5六金△7三桂▲3一飛△5八銀▲7九金△4七銀不成▲1八角△同竜▲同香△5六銀成▲同馬△2二角▲2一飛成△9九角成▲8八銀△同馬▲同玉△8四香▲3二飛△5一歩▲5二歩 までKaz氏の勝ち。

香車を取らせない▲5五馬引きが味わい深い手だった。私は△6五桂だが堂々と▲5六金と立たれ、▲6五金を防いで△7三桂と跳ねるようではおかしい。
△6五桂では△8六桂と打つ予定だった。しかし▲8六同歩△8七銀▲同玉△6九竜▲7九銀打△7八銀▲同銀△6八竜▲5八歩△7九金▲7七馬の結果は、後手が攻めあぐねている。
本譜、私は△5八銀と迫ったが、冷静に▲7九金とかわされていけない。あとは▲1八角と打たれて、勝負は終わった。
感想戦に入るが、惨敗したこちらは身が入らない。後手のどこが悪かったんだろう、と徐々に遡り、最後は序盤の研究みたいになったので、もう勘弁してくれ、と申し出た。Kaz氏の熱心さには呆れる。
11時半ごろ、Kaz氏が退席。この時間でも私たちは散会しない。ジョナ研は最後の5分間がおもしろいのだ。
私は仕事の悩みを赤裸々に吐露して、みんなに励ましてもらう。しかし私の心は晴れない。
いまの私は、ゆらゆら揺れるバーの上に立っている。いつバランスを崩して転落してもおかしくない状態なのだ。
11時50分、散会。きょうはあっという間に終わってしまった。やっぱりジョナ研は、早いうちに乗りこまなければダメだ。消化不良のジョナ研だった。
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3月23日のLPSA芝浦サロン・愛

2012-03-25 00:06:33 | LPSA芝浦サロン
23日(金)は久しぶりに、LPSA芝浦サロンに出かけることにした。担当は渡部愛ツアー女子プロ。愛ちゃんは今月高校を卒業した。私は「女子高生」である愛ちゃんに大きな価値を見出していたので、「ふつう」の愛ちゃんに指導対局を仰ぐのは抵抗がある。しかし彼女は、今月中は女子高生であると考え、私は芝浦に向かった。
5時50分、芝浦サロンに入る。前回訪れたのが昨年12月2日(金)の松尾香織女流初段の回だったから、約3か月半ぶりとなる。
愛ちゃんは新規と思しき男性に指導対局中。奥ではHis氏が別のお客さんと、二枚落ちの対局をせんとしていた。手合い係は大庭美樹女流初段だった。
「さっきまでRさんがいたよ」
とHis氏。R氏、もう駒込に向かったらしい。そう、きょうはジョナ研もあるのだ。将棋オタクはなかなか忙しい。
しかしいまからジョナサンに入っても、6時半にもならない。ジョナ研は12時近くまで行われるので、私だったら愛ちゃんとおかわり対局を指すところだ。
ナマ愛ちゃんを見るのは久しぶりで、考えてみたら昨年7月、マイナビ女子オープンの一斉公開対局で拝見して以来だ。
当時「まな」といえば、渡部愛を指していた。しかしこの前後に芦田愛菜ちゃんが大ブレークし、日本で「まな」といえば芦田愛菜ちゃんになってしまった。ここは一番、本家まなちゃんの奮起が望まれるところである。
その愛ちゃん、来月からは東京に出てくるはずだが、大学に進学したのか、企業に就職したのか、あるいはLPSAツアー女子プロに専念するのか、まったく分からない。
しかし愛ちゃん、しばらく見ない間に、ずいぶん痩せてしまった。この年頃の女子はもっとむっちりしていていいはずだが、愛ちゃんにはそのカケラもない。何か精神的な衝撃でもあったのだろうか。
そこで想起されるのは、そのマイナビ女子オープンである。予選決勝で、愛ちゃんは長谷川優貴アマ戦に大優勢の将棋を敗れ、本戦トーナメント入りを逸した。一方、勝った長谷川アマはその後も勝ち星を重ね、あれよあれよという間に女王への挑戦権を獲得してしまった。
もしあのとき私が勝っていたら…。
長谷川女流初段(当時)の快進撃を目にするたび、愛ちゃんが心を痛めたとは考えられる。
しかしそれで体調を崩しては元も子もない。とにかく愛ちゃん、いまはバリバリ食事を摂ることである。
挨拶もそこそこに、指導対局開始。その最中、Kun氏も訪れた。みんな、考えることは同じようである。
愛ちゃんとの指導対局が終わり、何もなければ駒込へ…と失礼しようとすると、大庭女流初段から手合いをつけられた。先ほど愛ちゃんと指していた某氏だ。愛ちゃんには快勝していたから、かなりの手練れだ。
持ち時間20分・30秒で対局開始。振り駒で私の後手。相掛かり調に進み、▲2四同飛に私は△2三歩。しかし▲3四飛以下的確に進められ、かなり指しにくくなった。

図の局面で、某氏は▲4三金。この手は前々から見えていて、△同角は▲同角成△同玉▲2五角△4二玉▲6一角成で後手が悪い。そこで△4三同角をやめ△4一玉と指しかけたのだが、▲5三金があることに気づき、私は△4二玉と戻す。何をやっているのだ。
その直後、私は「3一飛」の存在に気づく。そう、この盤面には「△3一飛」があったのだ。私は震える手で、今度は△4三同角と取る。
以下▲同角成△同玉▲2五角△4二玉▲6一角成と、お互いの読み筋どおり進む。しかしもう一手先を、私は読んでいた。△6一同飛!
あっ!! と叫んで某氏が投了。先ほどまでふたりとも、△3一飛の横利きをうっかりしていたのだ。
勝ったのはいいが、△4一玉と指して戻すという「待った」をしているので、素直に喜べなかった。
感想戦をしたあと、習慣なのか、某氏が初形に戻す。私も消化不良だったので、彼ともう一局指すことにした。
2局目は、先手某氏が▲2五歩を早く決めたので、私が向かい飛車に振った。以下虚々実々の駆け引きが展開され、むずかしい戦いになった。
と、ミスターX氏が来席した。来るべき人が来た感じだ。
Xさん、がんばれよ。オレはダメだったけど…と心の中でつぶやき、私は対局に戻る。
ではその中盤の局面を記す。

△2六歩▲2八飛に△6四角まで。ふと後ろを振り返ると、強豪のスタッフS氏が、この将棋を眺めていた。

以下の指し手。▲4一飛△5二銀左▲1一飛成△3二金▲1二竜△3一金▲7七桂△4七歩成▲2六飛△2五歩▲2七飛△5八と▲同金△4九角▲6八金右△2七角成▲7五歩△1九角成▲7四歩△3二香▲7三歩成△同馬▲7六香△7四歩▲8五桂…以下、某氏の勝ち。

▲2六飛に△2五歩では、△5七と▲同金△4八角で分かりやすい勝ちだった。とけっこう後まで後悔しながら指していたのだが、△4八角には▲2七飛で受かっている。
したがって、本譜の順で飛車を取ったのは正解だと思う。あんまりあっさり飛車をくれたので、私は温泉気分になった。
某氏は長考で▲7五歩だが、ここで私の△1九角成が、駒得に目がくらんだ疑問手だったようだ。▲7四歩と取りこまれて▲7三歩成からのコビン攻めが厳しく、以下急転直下の敗勢となった。
局後はS氏を交えて感想戦。途中△2七角成としたところでは、馬の働きがいまひとつだが、飛車香交換の駒得ではさすがに後手がいいのだろう。
直後の▲7五歩に△1九角成はやはり問題だったようで、△7五同角がイヤだった、と某氏の感想だった。
ただ、△7五同角でも後手に明快な勝ちがでない。これもダメ、あれもダメと局面が遡り、結局△6四角の局面まで戻っても後手がハッキリせず、将棋のツクリが悪かったのでは、という結論になったのには呆れた。

時刻は8時45分。いい加減、早く駒込に行かなければならない。ありがとうございました、と述べるや私は席を立つ。しかしこれは、大野教室のシステムに慣れたゆえの「疑問手」だった。
部屋を出るとき振り返ると、S氏が駒箱に駒を仕舞っていた。しかしこれは本来、私の役目である。駒をそのままにして、帰るバカがいるか。大野教室では駒を仕舞う手間を省いているのだが、その習慣がここに現れてしまったのだ。
私はS氏に心の中で謝ると、芝浦サロンを出た。
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Minamiちゃん、お誕生日おめでとう!!

2012-03-24 13:35:23 | プライベート
きょう3月24日は、大野教室の生徒である、Minamiちゃんのお誕生日。おめでとうございます!!
私の好敵手であるMinamiちゃんは、いつも笑顔を絶やさず天真爛漫。将棋もおおらかで、私も見習うところが多いです。
これからも「右往左往」の精神で、健やかな毎日を過ごしてください。また、将棋を指しましょう。
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二十三たび大野教室に行く(後編)・最高の誕生日

2012-03-23 00:13:10 | 大野教室
ちなみに戦型は向かって左から、ひねり飛車、対ゴキゲン中飛車、通常の定跡、相居飛車となった。
植山悦行七段との将棋は角換わり模様に誘導したが、△4四歩と角道を止められ、△3一角とされた。これで△8六歩からの歩交換が受からず、失敗した。
大野八一雄七段は、私が指すと間髪(かんはつ)入れず指す。
「大沢さんがこちらを見たときは、いつも大沢さんの手番ですから」
と大野七段。それは助かるが、どうもやりにくい。
Hanaちゃんは短考と熟考を交互に。Minamiちゃんは熟考。植山七段は基本的にはノータイム指しだが、ときどき数秒考えてくれる。
Minamiちゃんとの将棋は、私が△5五歩と位を張り、指しやすくなったと思った。Minamiちゃんは銀交換にきたが、これはこちらも歓迎である。私は△5四銀と打つ。次に△4五銀右と桂得すれば必勝だ。
ところが大野七段、植山七段が口を揃えて「チャーンス!!」と叫ぶ。
うん? どこが? ああっ!!
ここでMinamiちゃんに▲2六飛と廻られたら、次の▲2三飛成が受からないではないか!
実戦もMinamiちゃんにそう指され、一気に敗勢となってしまった。う~、これも多面指しの弊害か。
大野七段との将棋は、中盤の入口まで私がまずまず指し、大野七段も、
「(アマが多面指しを行っても)意外といい勝負になるな…」
とつぶやく。これが定跡のありがたさというべきだろう。しかし中盤で私に緩手が出てからは、一方的に攻め潰された。
順当な結果ではあるのだが、もう少し大野七段をてこずらせる手順があったはずで、それが指せなかったのが悔しかった。
HanaちゃんとMinamiちゃんの将棋に専念していたら、
「こっち忘れられちゃった」
と植山七段がつぶやき、表にタバコを吸いにいった。余興の早指し戦ということもあるが、かくも多面指しは忙しい。
Hanaちゃんにも一方的に攻め潰されて負け。Minamiちゃんも、寄せをややもたついたものの、順当に負かされた。予想されたこととはいえ、多面指しはここまで0勝3敗である。
残るは植山七段だが、こちらも当然ながら敗勢になっていた。最後はみんなが観戦する中、…△6八金▲同玉△3八飛成▲7九玉△6九馬▲8八玉△6四桂、まで、私の投了となった。
これにて、前代未聞の「プロを相手に逆多面指し」は、つつがなく?終了。結果は情けなかったが、とてもいい記念になった。誕生日特別企画に快く悪ノリしてくれた、大野七段、植山七段には、改めて御礼を申し上げたい。
まだ食事会には行かないようだ。と、珍しいことに、W氏が将棋を所望してくる。W氏、こんなに将棋が好きだっただろうか。ともあれ、ジョナ研生徒会長と副会長という、一部では垂涎の対局がここに実現した。
この将棋はHanaちゃんが記録係を買って出てくれた。せっかくなので、この棋譜も全部載せてしまおう。

先手:W氏
後手:一公
▲7六歩△3四歩▲7五歩△8四歩▲7八飛△6二銀▲4八玉△4二玉▲3八玉△3二玉▲1六歩△6四歩▲1五歩△6三銀▲2八玉△7二金▲3八銀△5四銀▲6八銀△6三金
▲6六歩△7二飛▲6七銀△4四歩▲4六歩△4二銀▲5六銀△4三銀▲5八金左△8五歩▲6八飛△8二飛▲7七角△5二金▲6五歩△同歩▲同銀△同銀▲同飛△7六銀
▲6三飛成△同金
まで、42手で一公の勝ち。

W氏十八番の、石田流三間飛車。私は古風な陣立てだが、早々に▲1五歩と伸ばされ、玉の囲いもままならず、指しにくさを感じた。22手目に△7二飛と寄ったがこれは意味のない手で、△7四歩▲同歩△同金は▲8三角や銀の筋があるので、うかつに動けない。ここでは作戦負けだと思った。
途中から植山七段が観戦する。プロにまじまじと見られると指しにくいが、ありがたいことである。
そこへW氏▲6八飛。7筋から離れてくれたので、ありがたかった。そして▲6五歩からの開戦だが、これがどうだったか。銀交換後、△7六銀と飛車角取りに打って、一遍に終わってしまった。
終局後は、植山七段の懇切丁寧な講評があった。聞くと、W氏の指し易い将棋だったが、やはり▲6八飛が疑問だったとのこと。飛車が7筋でよく利いているので、転戦するのはマズかったらしい。
プロのアドバイスはやはり参考になる。教室の開講時間は終了しているのに、こんなに恩恵を受けていいのかと思う。
時刻は午後8時近く。さすがにこれで上がりである。きょうは逆多面指しを含む8局を指して2勝6敗。最後はW氏に癒された形だ。
食事会には、大野七段、植山七段、中井広恵女流六段、W氏、Minamiちゃん、奨励会M君、私と、7人の参加。近くの和食屋へ行った。
私と中井女流六段は対角線の席だったが、トイレから戻ってきた大野七段と私が席を替わり、さらにMinamiちゃんと私が入れ替わって、以下の配置に落ち着いた。

  M   W  大野

  中井 一公 Minami 植山
     壁

当たり前のように中井女流六段の横に座るが、一世を風靡した女流棋士の隣に座れるとは、一将棋ファンにとって過分な待遇である。この幸せを忘れてはいけないと改めて思う。
みんなの注文は、イクラ丼定食やマグロ丼定食など。食事を摂りながら、大野教室とジョナ研の合同イベントなどを話し合う。旅行やイベントは、計画しているときがいちばん楽しく、みんな笑顔だった。
会計。きょうは大野七段が食事代を出してくれた。たぶん私が誕生日だったからだろうが、それをハッキリといわないのが大野流である。何度も書くが、ありがたいことだと思う。
中学生のM君とはここでお別れ。彼が将来四段になったら、深夜まで付き合ってもらおうと思う。
引き続いて、連日のガストに行く。ここでの席の配置は以下のとおり。

  W 植山 大野

  一公 中井 Minami
   壁

クルマで先に着いた私とW氏が奥の席に先着したので、植山七段と中井女流六段が向かい合わせになった。これは珍しい。
右を見ると、中井女流六段とMinamiちゃんがいる。このふたりがそっくりで、双子を見ているようだ。
ここでもイベントの話が中心となる。みんなが好き勝手に要望を出し合うが、それが楽しい。爆笑爆笑、また爆笑だった。
ここのお茶代は、植山七段が持ってくれた。これも植山流で、私への誕生日プレゼントであろう。中井女流六段のメールも含め、三棋士には本当にお世話になりました。ここでいま一度、厚く御礼申し上げます。
11時45分散会。W氏のクルマで駅前まで送ってもらう。そこでスマホを開くと、時刻が「00:00」になっていた。
きょうは数十年ぶりに、楽しい誕生日だった。それがいま、終わったのだった。
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二十三たび大野教室に行く(中編)・前代未聞!逆多面指し

2012-03-22 00:08:40 | 大野教室
右ではW氏が、中井広恵女流六段に指導を受けていた。スタッフのW氏、ふつうに将棋を指しているが、これでは一般生徒と同じではないか。
私は中井女流六段と対局開始。きょうは誕生日スペシャルとして、全棋譜を載せてみよう。

上手(後手)・中井女流六段
下手(先手)・一公
▲2六歩△8四歩▲2五歩△8五歩▲7八金△3二金▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲2六飛△7二銀▲9六歩△9四歩▲7六歩△8六歩▲同歩△同飛▲7七桂△3四歩
▲3六飛△4四角▲4八玉△3五歩▲4六飛△4二銀▲9五歩△8七歩▲9七角△8四飛▲8五歩△8二飛▲4四飛△同歩▲6五桂△5二王▲2二歩△3三桂▲2一歩成△8五飛
▲1一と△6五飛▲2一角△4三銀▲1二と△3一金
まで、46手で中井女流六段の勝ち。

中井女流六段に教えていただくのは、昨年11月の将棋合宿以来。本局はひねり飛車の作戦を採った。ひねり飛車は私の好きな戦法である。
▲3六飛のタテ歩取りに、中井女流六段は△4四角だが、ここで▲4八玉が後悔した一手。精神的な敗着といってよい。ここは▲3四同飛と歩を取りたかった。
感想戦では、△8七歩▲9七角△7六飛が示された。以下▲4四飛△同歩▲5三角成は、△5六歩▲5四馬△7四飛で下手悪そうだ。よって△7六飛には▲8七金として、一局の将棋か。
△8七歩で△3五歩も示されたが、▲4四飛△同歩▲6五桂△4二銀▲4四角△2四飛▲7七角打△8九飛成▲2八歩で、これもむずかしい戦いとなる。
以上冷静に分析すれば、▲3四飛と歩を取らず▲4八玉は立派な手で、中井女流六段もこの手を推していたのだが、私は▲3四同飛と踏み込むべき、と最後まで譲らなかった。
本譜に戻り、▲4六飛に△4二銀と備えられ、私はやむなく▲9五歩。もし△同歩なら▲9二歩△同香▲4四飛△同歩▲6五角で下手優勢だが、この順が実現するわけがなく、イヤイヤの突っかけだった。しかし中井女流六段は、機敏な仕掛けをされて困ったという。つまりお互いが不利と思っていたわけだ。
ちなみに私の中井女流六段との成績は、この前まで平手1勝13敗である。まあ当然といえば当然なのだが、これだけ負けが込むと、いつも形勢判断が悲観的になってしまうものなのだ。本局も、△3五歩▲4六飛を利かされてからは、勝てる気が失せていた。
▲6五桂に△5二王が、見落としていた手。ここは△4三金の一手と読み、そこで▲3二角で下手おもしろい、と考えていたのだからお話にならない。
私は▲2二歩だが、証文の出し遅れ。▲6五桂の前に利かすべきだった。
▲2一角から▲1二とに、中井女流六段は△3一金。これで角が死んで、いまはこれまでと私は投了した。
早い投了にみんなが驚いたが、私が戦意喪失してしまったのだからしょうがない。私の年齢に合わせた、46手の終了だった。
感想戦を聞きにきたHis氏は、
「大沢さんは中盤で投げちゃうことがあるからね…」
と述べた。大野八一雄七段が投了以降を指し継いでみたが、中井女流六段は自信があったとのこと。
ハァ…。せっかく中井女流六段に教えていただいたのに不甲斐ない将棋で、情けなかった。
W氏の指導対局は、途中から感想戦に代わっていた。W氏は会話をしながら指すことがあるので、いつの間にか感想戦になっていることがある。
教室の終了時間はとうに過ぎているのだが、まだ私たちはまだ粘る。
Hanaちゃんが、実戦詰将棋を出してくれた。ウンウン唸っていると、その隣で大野七段が駒を並べ始める。私には、大野七段が何をしようとしているか分かった。先日の王将戦、野月浩貴七段との一戦を並べてくれるのである。
この将棋、大野七段が終始うまく指したのに、逆転負けしたと聞いていた。今回大野七段の解説を拝聴するとまさにその通りで、ああ指しても勝ち、こう指しても勝ち、という場面が随所に出てくる。
ところが終盤時間に追われ、「ふたりがかり」で、急転直下、野月七段の大逆転勝ちで終わった。
大野先生…。私たちに指導するときは厳しいのに、どうして公式戦では乱れてしまうのだろう。ここが実戦の恐さか。対局相手を私たちと思えばいいのに。
Hanaちゃんはまだ帰らないようだ。そこで彼女と指すことになったが、Minamiちゃんも手空きだったので、私が2面指しをすることにした。将来の美女と2面指しとは、こちらが恐縮してしまう。
いつも大野七段が座っているところに私が座る。地位がヒトを造るというが、なんだか自分がプロになった気分だ。
多面指しは、LPSA駒込サロン時代に、高校生相手に2面指しをしたことがあるが、頭の中がぐるぐる回って、とても将棋にならなかった。まあ今回も、だましだましやるしかない。
…と、大野七段と植山悦行七段もその仲間に加わってきた。それぞれHanaちゃんとMinamiちゃんの横に座る。
バ、バカな! 私が誕生日なので、プロ相手に逆多面指しという趣向らしいが、それは困る。
おふたりとも悪ふざけがすぎますぞ…と私は辞退したが、両プロともやる気満々である。W氏も、それブログ用の写真に撮りますから、と乗り気だ。
大変なことになったが、じゃあ…と駒を並べ、4局同時に対局開始となった。席の配置を詳細に書くと、左から大野七段、Hanaちゃん、Minamiちゃん、植山七段である。それぞれ私の先手、先手、二枚落ち、先手の手合い。
W氏が写真撮影を終わり、これでプロのおふたりにはお引き取り願おう…と思いきや、おふたりともそのまま指し手を続けている。
マジか…。もうなるようになれ、と、私もそのまま指し継ぐことにした。
(つづく)
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