一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

久しぶりにわらび将棋教室に行く(前編)

2014-08-21 00:09:42 | 蕨将棋教室
お盆が明けた2日後の19日(火)、久しぶりに「わらび将棋教室」に行くことにした。先日の「大野教室」で消化不良の将棋が続いたので、自主点検のつもりだった。
最寄り駅前でATMに寄ったので時間をロスし、「くるる」に入ったのは午後6時5分だった。
きょうの生徒はS君ら小学生4人で、講師の植山悦行七段が指導対局を行っていた。
席数の関係で私が入るスペースがない。もう少し早く来れば、有段者のS君と指せたかもしれないが、これはまあ、結果論である。わらび教室は午後6時から8時までだが、部屋は最大9時半まで借りられる。私は一局教わればいいので、まだのんびりできる。
スタッフのW氏と雑談していると、S君の将棋が終わったようだ。それで、私とS君が指すことになった。
S君に先手を譲る。▲7六歩△8四歩に、S君は▲6八銀。S君は居飛車党だが、矢倉と穴熊を得意にしているので、3手目は必然的にこうなる。
私は試したい形があったので、左美濃に構えた。S君は▲7九角から▲3五歩。S君は3筋の歩を換えるのが好きだ。△3五同歩▲同角に私は△4四銀と出て、中央で戦いが始まった。お互い玉を入城していないので、神経を遣う。
傍らではW氏が観戦している。W氏、指し将棋はすっかりご無沙汰だが、見る将棋はまだ興味があるようだ。
Fuj氏が来た。Fuj氏の「植山・大野両教室」の出席率は驚異的だ。わずかでも時間があれば、よろこんでやってくる。
私の将棋は、難しい。いま、中央で金交換が行われたところ。

ここで私の手番なので、指しやすくなったと思った。
私は△5七歩と垂らしたが、局後S君から、△5八歩▲同飛△5七銀がイヤでした、の感想があった。なるほど、確かにこちらのほうがよかった。
△5八歩は、私が20代なら指した。いまは歳を取ったので、控えて△5七歩だ。
以下、▲5三歩△4二飛▲6九飛△5八歩成▲6五飛△5四銀▲6一飛成(第2図)と進んだ。

一本▲5三歩が鋭い。△同飛は▲6四角の準王手飛車なので私は△4二飛とよろけたが、ここは△9二飛のほうがよかったか。
本譜▲6一飛成に、私の指した手は△6九金か、△5五銀か。
(つづく)
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40歳以上でA級経験かつタイトル戦未経験の棋士

2014-08-20 12:54:36 | データ
タイトル戦に出場するのは難しい。芹沢博文九段、石田和雄九段、真部一男九段などは人気、実力を備えた棋士だったが、その機会はついぞなかった。
その芹沢九段が買っていたのが先崎学九段で、河口俊彦七段著「一回の将棋、一回の人生」(1990年・新潮社)によると、芹沢九段は先崎九段が奨励会初段のころに棋才を見出し、「先崎は名人の器だ」と、ことあるごとに喧伝していたという。
事実先崎九段は17歳で棋士になり、順位戦C級2組で長いこと足踏みしたものの、2000年にA級に昇級した。しかし名人挑戦者になることはなく、現在はB級2組在籍である。この間、竜王戦と王位戦で挑戦者決定戦まで進出したことはあるが、いずれもそこで敗れた。
その先崎九段も、もう44歳である。そういえば昨年、行方尚史八段が39歳にしてタイトル戦(王位戦)に初登場して話題になった。もっともかつては、灘蓮照九段が43歳で名人挑戦者になったことがあるのだが、それは1970年の話である。現実的には、40歳までにタイトル戦に登場しなければ、以降の登場も難しいと考える。
そこで私は、「40歳を過ぎたA級経験者で、タイトル戦に登場したことがない棋士」を調べてみた。
といっても昔の棋士から調べたらキリがないので、現役棋士159人を対象とする。

結果は、田丸昇九段(64)、小林健二九段(57)、井上慶太九段(50)、そして先崎九段の4人だった。
田丸九段は1990年、第15期棋王戦で挑戦者決定戦まで進出したが、相手はあの大山康晴十五世名人。結果は大山十五世名人が快勝し、当時66歳のタイトル戦挑戦と話題になった。
また小林九段は四段時代の1977年、第18期王位戦で挑戦者決定戦に進出したが、米長邦雄八段(当時)に、優勢の将棋を敗れ、長蛇を逸した。
井上九段は、挑戦者決定戦の進出はなし。
そこで、冒頭の「タイトル戦に出場するのは難しい」となるのだが、「A級経験者」に限れば、そうともいえない。
現役159人のうち、A級経験者は35人。そのうち実に29人が、タイトル戦に登場しているのだ。
ちなみに、タイトル戦に出ていない残り2人は、阿久津主税八段(32)と、橋本崇載八段(31)である。
つまり「A級に昇る実力者は、その8割以上がタイトル戦に出られる」という結論になる。
先崎九段は、運がなかった。あまりにも才能がありすぎた。原稿執筆その他をやめて、将棋一本に絞っていれば、タイトルのひとつやふたつは獲っていただろうが、文才のない先崎九段は先崎九段ではない。
文才のある先崎九段のほうが、タイトル戦経験のある先崎九段より、はるかに魅力的である。
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68たび大野教室に行く(後編)・愛

2014-08-19 00:10:15 | 大野教室
フジテレビの「ネプリーグ」に告ぐ。解答者が答えようとしたときに、CMを入れるのはやめてくれないか。こちらの血圧が上がる。
今、2014年だよねえ。まだこんなCMの入れ方をしてるとは、バカじゃないのフジテレビ。

(きのうのつづき)
続いて男性氏とのリーグ戦。私の飛車落ちである。
▲2五歩と決めてきたので私は△3三銀と上がり、金矢倉に組んだ。しかし進展性に乏しく、あまり面白くなかった。人により見解は違うが、3三には角か桂がいくのがいいと思う。
私は角を転回し△4五歩と飛車を攻めたが、あまりうまくいかなかった。
しかも男性氏にうまく反撃され、上手芳しくない。こちらの頼みは下手の持ち時間で、秒読みになれば何とかなると思った。
△3七歩成に男性氏は▲1八飛。ここはいったん▲同桂があったが、男性氏には見えてなかったようだ。数手後私は△2八とと、飛車を詰ます。しかしこれも微妙で、1歩を渡すと、▲4四歩の反撃が厳しいのだ。
が、そこまで細かく読んでいたらキリがない。駒落ちの上手の極意は、「この手は下手は指さないだろう」と、タカをくくって指すことだと思う。例えば、5手目に下手に好手があっても、そこまで読まないだろう、と図々しく指す。これがよい。
本局の結果は、私の勝ち。終始難しい戦いだったが、最後は下手の秒読みに助けられた。
和服の女性は、いまは大野八一雄七段に教わっている。どこまで理解しているだろう。
W氏はパソコンとにらめっこしている。17日に蕨で将棋大会があるようで、そこで配布する「わらび将棋教室」のチラシをデザインしているのだ。
私もいろいろ口を出す。といってもこっちも素人だから、適当だが。
和服の女性はそろそろ引き揚げるようだ。周りは鬱陶しいオジサンが多いが、彼女の教室に対する印象はどうだったのだろう。
チラシはなんだかんだ言って、最終的には見やすいモノができたのではないだろうか。
かつてはLPSA駒込サロンの一顧客だったW氏、いまは大野七段と植山七段にとって、欠かせない存在になっている。
渡部愛女流初段は、Morita奨励会1級と実戦の最中。Morita君はついこの前まで6級で苦しんでいた印象があるのだが、あれよあれよという間に1級に上った。この分なら入品(にゅうほん・初段になること)も時間の問題だろう。
時間は午後7時を過ぎているが、まだ実戦は続いている。ここ大野教室の最大の特色は、生徒が将棋を指したければ、とことん指せるということである(もちろん限度はあるが)。
少なくとも熱意を持って指していれば、大野七段もそれに応えてくれる。「もう閉席の時間だから…」と生徒を追い出すことはない。
ということで、私はShin氏に「将棋指す?」と聞いてみた。
「はい」
「Shinさんも将棋好きだなあ」
というバカっぽい会話を経て、対局開始。
私の四間飛車藤井システムに、Shin氏は△7四歩から急戦できた。私は木村美濃に組み、▲7四歩と桂取りに突いて好調と思いきや、△6五桂と空跳ねされてシビレた。
しかし数手後、私も飛車を成りこみ、まずまず。どうも、Shin氏に誤算があったようだ。
終盤は明らかに私がよかったが、Shin氏も嫌らしく攻めてくる。

ここでShin氏は△3六桂と跳ねたが、これに▲1七玉と上がったのが大悪手だった。Shin氏にすかさず△1四歩と突かれ、先手もうヤバい。
以下▲2一銀△同玉▲2三香成と必至を掛けたが、銀を渡したため、△2八銀以下詰まされてしまった。
▲1七玉で▲1八玉は△3八成桂を気にしたのだが、これなら銀を渡しても自玉が詰まないので、上記の3手必至を掛けて先手が勝ちだった。
「大沢さんに初めて勝ちました」
とShin氏。
「えっ? 大沢さん(あの将棋を)負けたの!?」
とOg氏が叫ぶ。私は返す言葉がなかった。
渡部女流初段とMorita君の将棋も終わったようだ。感想戦を見ていると、どうもMorita君が勝ったらしい。しかし激戦の跡が窺えた。私は奨励会員の実力を高く買っているが、その彼に互角以上に渡り合うとは、さすがに渡部女流初段、実力があると思った(注:この将棋、愛ちゃんが勝ったらしい。失礼!)。
時刻は8時を過ぎており、さすがにこれでお開きである。みなで遅い夕食に出る。きょうの参加者は多く、総勢11人となった。
お盆のこの時期、11人を収容する食事処があるのかと思ったら、カレーを食べさせる店があるらしい。大野教室も、いろいろ新規開拓しているようだ。
その道中、先ほどの和服美人の年齢の話になる。彼女はOg氏の紹介で来たようで、Og氏が正解を知っている。
私は31歳と予想したが、実際はもうちょっと上だった。ただ、ピタリと年齢を当てた猛者もいて、その冷徹な観察眼には唸った。
カレー店は、駅前のビル内にあった。インド人?が経営している、本格的な店だ。
ではここで、参加者と席の配置を記しておこう。

 Shin Og 大野 Mor Wat
              壁
一公 Is 愛 W 男性 男性
      壁

渡部女流初段は手前中央の女王席。こういう席に成人女性が参加したのは久しぶりである。そもそも渡部女流初段と食事を共にするのも久しぶりで、考えたら、2010年10月に棋友とご一緒して以来だ。
私たちはめいめいにカレー料理を頼んだ。出されたカレーは、まずまず。私はライスを選んだが、米がパサパサしていた。やはり私の口には、日本の米が合うようだ。
食事の合間におしゃべり。渡部女流初段は、来月の将棋ペンクラブ大賞贈呈式に、指導棋士として参加するという。私も出席するつもりだったので、これは好都合だ。来月の楽しみが増えた。
食事の後も、ここでおしゃべり。Og氏がパソコンを取り出して、ゴチャゴチャやっている。生年月日を入力して、相性診断をしているらしい。
私も、自分と中井広恵女流六段ら何人かを見てもらった。
気が付けば、時刻は10時を過ぎている。みなはこのあと花火をやりそうな雰囲気だったが、私と渡部女流初段、ほか2人は、帰ることにした。
渡部女流初段とは、帰る方向が同じ。期せずして、「プチ・女流棋士と語ろう」になった。渡部女流初段は私相手にもハキハキしていて、とても好感が持てた。
私が女流棋士に指導対局を受けて、「この女流棋士は強え」と感嘆したのは、上田初美女流三段ただひとりである。ただし、アマチュアの女性も加えれば、アマ時代の渡部女流初段も含まれる。そしてその見解に、こんにちまで訂正はない。
いま渡部女流初段は勝ったり負けたりの成績だが、いつか大きく飛躍するときがくる。
それまで緊張感を失わず、精進してほしい。
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68たび大野教室に行く(中編)・実戦続く

2014-08-18 00:31:47 | 大野教室
きのうのNHK杯将棋トーナメント、久保利明九段と金井恒太五段は、ともにサウスポー。こういうときは、盤の左側に駒台を置けばいいのにといつも思う。

(きのうのつづき)
局面――。植山悦行七段の△8六歩に、私は▲9七角と上がる。
「よく分からないけど、よさそうな手ですねえ」
と植山七段。
以下△8七歩成▲7五角(金を取る)△7八と(金を取る)のあと、▲7五の角が5三金取りに当たっているのが自慢だったが、△6四金と強く出られてみると、角を渡せば△8七角以下の詰みがあり、それほどでかしていなかった。
以下▲8七歩△7五金▲同飛△7三歩▲7四歩△6四角の局面で、ちょっと遅い3時休憩となった。
「すぐ終わりますよ」
と植山七段がつぶやいたが、下手がうまくやっているのだろうか。
室内は20人近くの人がいる。人いきれから逃げるべく、表へ出ようとすると、Is氏が来た。Is氏に会うのは久しぶりで、1年ぶりぐらいではないか。
続いてHon氏も来た。私は貧乏性なので、この時間まで遅れたらその日は教室に行かないが、2人は気にしていないようだ。
表で休んでいると、そのHon氏が来た。私が沖縄へ行かなかったテンションの低さを嘆くと、Hon氏も最近は肉体の衰えを感じているとのことで、ふたりで「歳取ったね」を連発した。
そこへ植山七段とW氏も来る。と、その途端に大粒の雨が降りだし、私たちは軒下へ避難した。植山七段、さすがの雨男ぶりである。
その植山七段、私をじっと見るのだが、私は関係ないだろう。
室内に戻ると、Og氏が、
「あれっ? 大沢さん、(そういえば)久しぶりですねえ」
と大声で言う。
シッ!! 確かに私が教室に訪れたのは5月以来で不義理だったが、その事実を誰にも知られず乗り切ろうと思ったのに、Og氏が盛大にバラしやがった。私は小さくなった。
ま、しかし大野教室はこのところ大盛況だから、私の出席率はもはや関係ない。
3時休みも終わり、対局再開。では、指し掛けの局面から終局までの手順を記そう。

以下の指し手。▲7三歩成△同桂▲7四飛△8八歩▲7五銀△1九角成▲5四飛△5二歩▲8八玉△8三香▲8四銀打△同香▲同銀△2九馬▲7七歩△8六歩▲同歩△4七馬
まで、植山七段の勝ち。

▲7四飛に、△8八歩が厳しかった。▲同玉は△8六歩▲同歩△同角で下手一手一手。
私は▲7五銀と攻め合いに出たが、植山七段は黙って△1九角成。そこで得た香を△8三に据えられ、私は泣く泣く銀を手放した。
さらに△8六歩から△2九馬と桂馬を取られ、次に△8七歩▲同玉△6九馬や、△6五馬の狙いがあり、下手は収拾がつかない。ここで私は投了した。
感想戦では、▲7五銀で▲5五歩を指摘された。以下△8九歩成▲5四歩は、この局面も難しいが、△6四角がいなくなれば▲5三歩成があり、下手もまだまだ楽しみがあったようだ。
大野八一雄七段に続き本局も敗れ、残念だった。
先の女性は、植山七段に八枚落ちの指導対局を受けていた。しかし植山七段の教えが今一つ理解できていないようで、彼女に実戦はまだ難しいように思った。
果たして植山七段はW氏に講師をバトンタッチした。これは適切な選択と思う。
私は少年とリーグ戦。私の飛車落ちである。
少年は向かい飛車に振った。私は△3五歩から△4五歩。これを少年が▲同銀と取ったので、私は△5五歩。次に△4四歩の銀殺しを見せられ忙しくなった少年はなおも攻めてきたが、私は丁寧に対応する。もっともそこは飛車落ちだから簡単ではなかったが、何とか勝ちを収めることができた。
感想戦で少年は、▲4五同銀で▲6五歩を指摘した。なるほどこうやって角交換に持ち込めば下手に手が多く、どの変化も下手が有望だった。
負けはしたが少年、なかなか強いと思った。
さてこれだけ人がいるのに、意外に指す相手がいない。私は他の対局を観戦したりするが、何しろ人が多いので、そこにいるだけで邪魔になる感じだ。
傍らにはWatanabe君もいるが、先のアマ大会で県代表になったという猛者に、私が対局を申し込めるわけがない。あまりにも強すぎるアマは、敬遠される定めにある。
そのうちOg氏に請われ、自由対局となった。振り飛車党のOg氏、本局は四間に振った。
私の居飛車急戦に、Og氏は袖飛車の趣向。大山名人みたいだ。
左の盤では、W氏が和服の女性に将棋を教えていた。女性側には歩がない「青空将棋」である。
▲1一竜△4一金、5一玉、6一金の局面で、女性は▲5三桂。
ところが△6二金に、女性は▲6一桂成とやった(4一、ではない)。
どうも女性は、駒を取る、あるいは駒得をする、という概念がまだないように思われた。
私見だが、彼女に実戦はやっぱり無理だと思う。以前中井広恵女流六段から聞いた気がするのだが、初心者に将棋を教えるときは、▲2三歩△2二角の局面で、次の手はどう指しますか? と問うくらいがいいと思う。
初心者はみなが思うより、ずぅっと将棋の指し方を知らないのだ。
さて、私の局面。△6二金で飛車の横利きが消えたので、私は▲4五歩と仕掛ける。これを△同歩なら、▲4四歩△同銀▲同銀△同角▲3二飛成(金を取る)が理想手順。将棋はまず、虫のいい手順を考えることが肝要だ。
Og氏は△6五歩▲7七銀を利かしてから△4五歩としたが、私はやはり▲4四歩とし、△5二銀▲3四銀△4六歩▲3三銀成△同桂と、角銀交換の成果を上げた。
しかし次の▲5七金が悪手。△4七銀の打ち込みを防いだものだが、Og氏にすかさず△3七歩と叩かれ、シビレた。これを▲同飛は△4八銀があるので、私は▲1八飛と逃げたが、これものちに△2七銀が残ってよくなかった。ここは▲2八飛とひとつ寄るべきだった。
本譜も△2七銀と飛車を殺され、私のジリ貧となった。さらに△6四桂と好所に据えられ、戦意喪失。ここで私は投了した。
感想戦では、▲5七金で▲4八飛を指摘された。さらに私指摘の▲7九角もよかったかもしれない。これに△4七銀なら、▲4六角の王手で、4七銀を抜ける。
「こういうところ(5七)に金が出ていくのは、だいたい良くない」というOg氏の指摘には、大いに唸った。
大野七段、植山七段はもちろんだが、Og氏の教えにも学ぶところは多い。
(つづく)
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68たび大野教室に行く(前編)・美女二人

2014-08-17 01:52:20 | 大野教室
16日(土)。私のテンションが高かったら今頃は沖縄にいて、宮古島の吉野海岸か新城海岸で泳いでいるはずなのだが、自ら予定を破棄したのだから仕方がない。
たまたま時間が空いたから、というわけではないが、私は「大野教室」へ向かった。
教室へは午後1時27分に入った。下駄箱と三和土は靴でいっぱい。お盆の時期だから生徒は少ないと思いきや、その逆だった。みんなどこにも行かないのか。
大野八一雄七段は5面指しの真っ最中。しかし知った顔がほとんどない。また、壁には大盤が設置されていた。これから生徒全員を対象に、実戦解説ができる。大野教室、生徒も増え設備も充実し、ますます好調である。
私は端の盤の前に座り、まずは大野七段に角落ちでお願いする。
私は居飛車。展開次第では急戦の用意もあったが、ガッチリ金矢倉に組んだ。
奥の部屋には、植山悦行七段の姿が見える。4面指しをしているようだ。その左側にも自由対局をしている人がいる気配だが、和田あき女流2級とHanaちゃんはいないようだ。
私の右側では、詰将棋を解いている新人さんが2人いる。注目すべきは奥の生徒で、何と妙齢の和服美人だ。顔はさっぱり系で、名前が思い出せないが、似ている女優がいる。
チャイムが鳴って、新規の客が来た…と思ったら、大野七段の一番弟子だった。Watanabe君で、大野七段は私と彼が初対面とフンでいたようだが、彼はかつて私に角を落として勝った猛者ではあるまいか? 私はヒトの顔を憶えないタチだが、よく似ているように思う。
「きょうはワタナベが3人だね。マナちゃん…」
とか大野七段が言っている。ワタナベ…マナ? 渡部愛女流初段が来ているのか? 部屋の奥には彼女がいるのか? まさか。
しばらく経って渡部女流初段が顔を出し、挨拶してくれた。ああ、いたんだ…。か、かわいい…!!
渡部女流初段は、新規女流棋士ファンランキングの2位である。私の感激がいかばかりだったか、お分かりいただけよう。
今回は沖縄に行かなくてよかったかもしれない――。
今回初めて、そう思えた。
局面――。△5五同金に私は▲5八飛と回り、△5四金には▲5五歩から▲5六金。6七の地点が空いたので▲6七金と上がり、形を整えて▲7八玉と上がる。位を張って好調のようだが、駒が上擦ってしまった。
満を持して▲4五歩と仕掛けたが、△4五同桂から桂交換の数手後、△5五桂から金を取られ、よく分からないうちに下手が敗勢になった。
さらに△4七金と飛車取りに打たれ、この将棋は負けたと思った。
では、その局面から終局までの手順を記そう。

以下の指し手。▲3三銀△同銀▲同歩成△同玉▲3四歩△4二玉▲2八飛△5七金打▲2三飛成△6九銀▲8八玉△6七金▲2二竜△3二歩▲1一竜△8二飛▲5四桂△同金直▲2四角△5三玉
▲5一竜△6四玉▲5六歩△5二歩▲6一竜△6三歩▲5一角成△7八銀成▲9八玉△7七金▲6五香△同金▲同歩△同玉
まで、大野七段の勝ち。

私は▲3三銀と打ち込む。これに大野七段が△同銀と付き合ってくれたので、数手後に▲2八飛と回って、棋勢の好転を感じた。
△8二飛にはじっと▲6一竜が読みだったのだが、眠っていた角を働かせようと、私は▲5四桂捨てから▲2四角と出る。しかしこれが疑問の構想で、△5三玉で紛れてしまった。
以下は大野七段に着々と包囲網を狭められ、無念の投了となった。
感想戦では、▲2二竜で▲3五桂を指摘された。次は▲4三桂成~▲5四桂の狙いで、上手はこの手順が分かっていても受けにくい。▲3五桂は私の第一候補だったのだが、考えすぎて次善手を指してしまった。
さらに上記の通り▲5四桂~▲2四角もやっぱりマズく、角は6八にいたほうが、いろいろ働きがあった。
また▲4五歩と仕掛ける前に私は、形とばかり▲7八玉と上がったが、これは△7三桂と替わって損だったらしい。すぐに▲4五歩と仕掛ければ下手がよかったらしい。
なおこの場合、玉が一段目のほうが、アタリが少なくてベターとのこと。いやはや本当に将棋は難しい。
負けて言い訳するわけではないが、私の私生活がもう少し充実していたら、この将棋は私が勝ち切っていたと思う。繰り返すが、残念無念だった。
3時休みまではあと20分ほどだが、さっき来たW氏が、植山七段との手合いを付けてくれた。私は休憩モードに入っていたのだが、甘かったようだ。
植山七段は駒を落としたがらないが、強引に角を落としていただく。大野七段と違って、こちらの上手はすぐにラクをしようとするからいけない。
「さっきはShinさんに、大沢流をやられましたよ」
と植山七段。どうも、受けの強手を指されたらしい。
本局は急戦調になった。こういうチャンバラのほうが、将棋を指している感じがする。
すると、先ほどの女性が、今度は植山七段の前に座った。植山七段に教えを請おうというわけだ。
ああ、彼女は女優の長谷川京子にそっくりだと思った。
(つづく)
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