左側垂直に立っている柱石の延長線上に古墳の中心があって右側の柱石は古墳自体の傾斜に合わせてあるようだ。問題は天井石を載せるという作業である。単純に考えればピラミッド建設における石の載せ方であろう。土を盛って傾斜を作り、石を引っ張り上げるという方法で天井石をスライドさせて載せるということを思いつくだろうがそうではなかった。
石室の真上に石を引き上げ左右奥の三方の壁石にきわどく載せるという頭脳的なやりかたであった。そこには恐らく三本の脚を立て、定滑車と動滑車の組み合わせを利用しているように思えるのだ。この古墳を造ったのは借り出された人達ではなく古墳築造のプロ集団だったことがこれらのことから判明したのである。面白い面白い。