今日は、いい天気だった。着実に秋は近づいているようだ。
政治の方は、今のところ、さっぱり君で、新米大臣の勝手発言が続いている。
また、懲りない政権になってしまうのか。
鎌倉は、小学校時代に過ごした町だし、もちろん名所もたくさんある。今度、ユネスコ世界遺産にもトライするそうだ。観光地化が進むと心配する向きもあるらしいが、元々昔からそういうところだし、そんな180度変わる話でもないだろう。
逆に、古都をぶっ壊すような開発が止まれば、街の価値は、上がるに違いない。
鉄道とバスとモノレール網は既に、充実しているし、車で、観光は、鎌倉には、似合わない。
私も、海外から友人が来ると、大体横浜と、鎌倉を案内することにしている。東京から、日帰りで、手軽に、日本の歴史、雰囲気を味わってもらうことができる。
本書は、去年出た本で、本屋で見つけた。
普通この手の本は、観光スポットがまずありきで、その歴史を説明するというパターンが多いが、本書は、本格的な鎌倉の歴史書で、観光スポットであるか否かにかかわらず、その史実が、今のどこで起こったかという観点で書かれている。
やや専門的ではあるが、すごくリアルに、当時の雰囲気がわかる。
鎌倉ファンには、是非一読をお勧めしたい。
それにしても、やはり鎌倉時代ともなると、相当詳しく資料が残っているものだ。
最近よく読んでいる仏陀の時代や、日本の古代とは比較にならない。その分、推理小説的な楽しみ方には、限界もあるのだが、逆にこれだけリアルに分かっているということから来る楽しみもある。
本書は、鎌倉時代以前の鎌倉のところから話が始まるのだが、まず驚いたのが、3.11の後ということもあるが、入江が、大仏の方だけではなく、大船・戸塚側も入江になっており、鎌倉全体が、湾の底だったらしいことだ。そういえば、昔、鎌倉山で、化石掘りをやっていたことを思い出した。
津波には、最大級の警戒が必要な街であることは間違いない。
鎌倉の名の由来についても、いろいろな説が取り上げられているが、一番古い説は、藤原鎌足の鎌から来ているという。著者は、結構きつい性格のようで、一部の説は、一刀両断に否定されている。
桓武平氏が元々強かった東国に、源氏がどう巻き返していったかも詳述される。その中で、鎌倉を何故拠点に選んだかという検討もなされている。もちろん天然の要害だったということや、すでに何代もの間、鎌倉を本拠地にしていたということもあるが、砂鉄の産地だったということもあるのではないかという。
それで、思い出したのだが、住んでいた梶原でも、雨で水が流れてくると、砂鉄が沢山とれた。流れた跡は、赤茶けた錆の色をしていた。
結構大著なので、この辺で止めるが、ほんとうに鎌倉の歴史を、総合的によくまとめてくれている。
鎌倉も、探訪を深めたい街だが、本書を片手に探訪すれば、興味も何倍も深まるに違いない。