本書は、一昨日出たばかりだ。新聞広告で、見つけてAMAZONですぐ買った。
届いた時の第一印象は、中途半端な、写真集という感じだった。この値段だったら、ハードカバーにして欲しいとも思ったし。表紙の写真も、誰でも知っている有名な場所だったし。
でも、読み進むにつれて、これは、すばらしい本だという印象に変わった。
まず、著者の福岡さんだが、年齢が似ており、ビートルズとの出会い辺りは、私の体験とほぼ重複する。ポールのコンサートに初めて行ったのも89年のロンドン。その年に、私はシカゴで、同じツアーのポールを見た。
私は、音楽とは全く関係のない世界に入ったため、ビートルズとの距離は、遠ざかった訳だが、福岡さんは、写真家兼、ミュージシャンとして、ビートルズにますますのめり込み、ビートルズにかかる聖地には、ほとんど足を伸ばした。それも、かなりディープに。
自ら、アビーロードスタジオで録音した時に撮った機材の写真や、廃墟と化したインドのリシケシのアシュラムの様子や。普通のビートルズ所縁の地巡りの写真集とは突っ込み方が違う。
極めつけは、クォリーメンのメンバーから送られたという1957年7月6日の写真。
福岡さんは、クォリーメンのCDのジャケット写真を撮ったそうで、その縁で、送られたという。
この日が何の日か知っている人は少ないかもしれないが、ビートルズファンであれば、誰もが知っている。
ジョンとポールが出会った日なのだ。この一日を描いた小説すらあるぐらい。
ジョンが、教会のお祭り会場で、歌っている写真は、有名なのだが、その前のパレードで、コンサートの舞台ともなったトラックの荷台で、まだ16歳のふてくされたようなジョンが写っている。
この数時間後に、ジョンは、ポールと出会い、ビートルズの奇跡が始まったのだ。
福岡さんのコメントも、写真を邪魔しないように、でも、福岡さんの、それぞれの写真への思いがよくわかるようになされており、心地よい。
ちょっとディープめのビートルズファンには、お勧めできる。