
本書は、12年前に出た本。学者である、羽矢さんが書かれた。
大学時代から、インドの研究をされていた方だから、内容もしっかりしている。
書かれた当時は、羽矢さんは、まだ40代だったことになる。
しかし、言葉の意味はわかっても、その文章が意味するところが、わかったようで、わからない部分がある。
仏教の解釈というか、解釈した内容の表現方法が独特のように思う。
例えば、”問題は、みずから磨きあげた壁によって、自己と自己以外のものとのつながりが断たれると同時に、自己の存在の根拠も見失われてしまうところにあります。”
わかったようで、わからない。
”世界から分離され孤立した自己をつくってしまうのはしかたないが、それは転換できるというのが、ゴータマ・ブッダの根本的な考え方です。”
ふーむ。
実は、これらの件は、線が引いてあった部分。古本をGETしたため、前読んだ人が引っかかったところに、線が引いてあった。その他にも、たくさん線が引いてあり、似たように、言葉としては、わかるのだけど、意味としての理解が難しい部分だ。
現代文の読解問題に出たら、答えるのに、窮しそうだ。
たぶん、すべてのものは、相互依存しているからこを存在し、すべてのものは、相互依存しているからこそ消滅するということを言っているのだと思うのだけど。
もうちょっと頁を割くか、逆にさらっと流して、仏教についての考察は、別の機会に譲ってもよかったかもしれない。
ブッダの生涯についての記述部分は、極めてオーソドックスなのだけど、仏陀の教えの部分についての表現が独特なので、ちょっと専門家向け?