かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

手塚治虫 ブッダ

2011年09月15日 | Books


手塚治虫さんは、ブッダという大作を遺している。1972年から1983年にかけて、連載されたものという。
結構前に買っていたのだが、読み直してみた。
全8巻(今売っているのは、全12巻だが、内容が違うのであろうか)で、新書より少し大きなサイズで、比較的立派な装丁だ。

ブッダの生涯をモチーフにしつつ、手塚ワールドが繰り広げられる。登場人物も、架空の人物が多い。赤塚不二夫的ギャグも、随所に散りばめられている。
手塚さんが、最後に後書きっぽいものを遺している。自ら、仏伝に対し多くの改変を行ったことを認め、一部悔み、一部は成功だったと言っている。特に仏伝は、物語というよりは、多くの弟子との対話の中で、仏教の教義を展開するケースが多く、それを物語にするにあたり、まとまりに欠けたことを悔いている。確かに、相当の創作を交えないと、ドラマティックな展開にするのは、難しいだろう。
その難しいテーマの作品を、これだけの大作として完成させた情熱はすごい。

今年映画化されたが、続編は作られるのだろうか?
そういえば、トーハクの原画展も見に行ったっけ。

各巻に地図と、関連する仏跡の写真が載っている。第五巻のシュラーヴァスティの写真と紹介されているものが、サールナートの写真になっている。単純な誤りだが、現在のものでは訂正されているのだろうか?

映画の”釈迦”といっしょで、エンターテイメントとして楽しみたい人向け。
コメント
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