石屋のカミさん日記

仕事に趣味に 好奇心の赴くまま楽しいこと追求します!

冷蔵庫のうえの人生

2008-07-15 11:45:24 | Weblog
強烈に暑いですね~
寝苦しいですね~
でも、まだ梅雨はあけてなくて
今日は どんより・・・湿度も高くしんどいですね

いやいや、こんなマイナス言葉ばかり
言ってちゃダメだ
夏、万歳!

アリス・カイパース著
「冷蔵庫のうえの人生」読む。




アリス・カイパースさんは 1979年ロンドン生まれの詩人。

先日読んだ中国残留孤児の本も作者は 32歳
芥川賞をとった川上未映子さんは31歳
素敵な年代だ

産婦人科医の母親と 15歳の娘クレア。
離婚をし、超多忙のなか母ひとりで娘を育てている。

新しい命の誕生を手助けする母は仕事を愛し
すれ違いの多い生活のなかで、
娘と冷蔵庫にメモを貼り付けて
お互いの言葉を伝言する。

買い物のリスト
学校であったこと
新しい命の誕生
ボーイフレンドのこと
おこづかいの催促
他愛もないメモのなかに母と娘の愛情が満ちている。

本書は、この母と娘の冷蔵庫の伝言メモだけで
構成されているのだ。

ある日、突然、母親の乳癌が見つかる。

時に喧嘩して相手を傷つけあったりしながら
支えあい、燃え尽きていく命をふたりで
見つめていく。
これがすべてメモで交わされていくのだから
とても新しい手法の小説だと思う。

言葉を操る詩人の著者だから できることかもしれない。

ちょうど私の娘は15歳
この親子の関係が すごくよくわかる。

明るい未来に希望をもち、若い芽が大きくふくらんでいる娘に対し
燃え尽きそうな命に 恐れおののき取り乱す母
柔軟な心と角質化した心・・
この対象が見事だった。

誰でも15歳のころは そうだったなと思える。

母親の燃え尽きそうな命と同じくらい大事なボーイフレンドとの恋

「死」なんて 自分の人生の辞書にまだなかった年代。

メモのやりとりだけの本なので
あっと言う間に読めた。

15歳の少女の心は 素晴らしく上手に描けているが
私と同年代の「母」の気持ちが よく見えてこない。
29歳の著者には 15歳の娘をもつ母親って
死ぬ前にどんなことを思うのか
どんな行動に出るのかを
想像できないのかも。

そして、この本は 絶対絶対、英語の原文で読まないと
真の素晴らしさは 伝わってこないだろう。

原文で読んだら・・
日本語に訳されたものを私が読んで理解しているよりも
もっともっと 美しさや哀しさ・切なさが
心のなかを渦巻くと思う。



コメント
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