京都南座に 三谷幸喜の新作文楽 「其礼成心中」を観に行った。
人気の三谷幸喜さんが いったいどんな文楽作品を
つくられたのだろうと 興味深々だった。
近松門左衛門の 名作「曽根崎心中」をヒントにした作品。
たっくさんの観客が息をひそめて 舞台に集中する。
今までの文楽にない スピード感あふれる舞台に時間があっという間に過ぎた。
時間が短いことと わかりやすい言葉とで
親しみやすい。
涙あり 笑いあり 人生によくあるできごとが凝縮されていて
さすがのさすがに 名脚本家だと感動した。
演出も 床本(文楽の台本)さえも、斬新でびっくりする。
今までの古典的な文楽作品も もちろん素晴らしい。
あまりにも ゆったりと流れる時間のなかで 時には眠くもなるけれど、
独特の節回しと 三味線の音色と 人形の優雅さに魅了される。
でも、若い人々や初心者の方が、古典芸能の扉の前に立つは
ハードルが高すぎると思うのだ。
三谷文楽のような 斬新な作品で、
多くの方が もっと気軽に楽しく文楽の世界の扉を開いてほしい。
きっとそれが 可能になると思う。