リスペクト(事例紹介)コラムです。
昨日、Jリーグ理事会が開催され、ルヴァン杯へのJ2クラブの参戦が決議されたようです。まあ、前から出ていた話ですが、正式に決まりましたね。フットボールチャンネルで丁寧に解説されていました。以下、抜粋して紹介。
【ルヴァン杯、17年ぶりJ2クラブ参戦という一大改革。日程面の問題と競技上の公平性は?】
25日のJリーグ理事会で、ルヴァン杯に、来季からJ2で最大2チーム参加させることを決議。対象となるのは前年のJ1で16位及び17位となり、J2に降格した2チーム。前身のナビスコ杯時代を含めて、J2クラブが参戦するのは'01年以来。
〔ルヴァン杯が抱えていた問題。17年ぶりのJ2勢参戦〕
4チームで4グループという、非常にわかりやすいグループステージをACLの裏で開催していくことで、決勝トーナメントに進む可能性がないチーム同士の対戦が減るという考え方がまず基本となって合意。16チームにするために、最大で2チームをどのような形で出していくのかを議論し、競技力で最も近いところで前年までのJ1の2チームという案が浮上した模様。
ルヴァン杯は'09年、ACL本戦に臨む4チームを除いた14チームによる2つのグループステージで実施。上位2位までの4チームにACL勢が加わる形で、8チームによる決勝トーナメントに移行。しかし、7チームによる1回戦総当たりのグループステージだと、試合のないチームが1節につき1チーム発生し、最終節が近くなれば決勝トーナメント進出への可能性がほぼなくなったチーム同士の対戦が増え、モチベーションの意味でも課題。
今季からは両グループの1位だけがまずは決勝トーナメントへシード、残る2枠をグループステージで2位及び3位に入った4チームによるプレーオフで決める新たな大会方式を導入されたが、根本的は解決策には至らず。
〔J2勢は必然的に過密日程になるが、ポジティブな意見が多数派に〕
ルヴァン杯は今季から、ACLのグループステージとスケジュールを重複。週末のJ1リーグ戦を戦っていく上で、同じインターバルで戦っていくほうが競技上の公平性が保たれるため。昨季の形式ではどうしても矛盾が発生。これをACLのグループステージと同じく、4チームによるH&A方式の全6節のリーグ戦とすれば、ほぼ完全にスケジュールが合致。
更にはグループステージの1位が自動的にノックアウトステージに進出するのではなく、たとえば2位チームとのプレーオフを設ければ、ACLのラウンド・オブ16にもスケジュールが合致。消化試合を増やさないことと含めて、16チーム制で一石二鳥の効果。
もっとも、J1とJ2の試合数の差も議論。年間34試合を戦うJ1に対して、J2は42試合という長丁場で、必然的にスケジュールが過密化するが、それでもポジティブな意見のほうが多かったようです。
「メリットとデメリットの中では、若手の出場機会を増やすなど、ルヴァン杯でいろいろなことに挑戦して、そこからリーグ戦に上がっていくチャンスもあると。来シーズンからは降格救済金がスタートしていく中で、財政的な基盤を含めて、降格チームがいいのではないか、というのが総意」と村井チェアマンのコメント。
〔J1昇格を目指すクラブほど、難しくなっていた舵取り〕
今季からのパフォーム・グループによる巨額の放映権契約を結んだJリーグは、分配金に関して様々な改革をすでに設定。例えば均等配分金は、J1で1億8000万円から3億5,000万円とほぼ倍増。これがJ2降格時で大きな損失が発生するため、来季からは「降格救済金」が創設されることも決定。更にルヴァン杯のグループステージを3試合、ホームで開催できることでリーグ戦以外の収入増も若干ながら見込め、「財政的な基盤」を固定化。
また、降格してJ2に移る場合、実戦の場が減るという課題があったが、リーグ戦だけを戦うとなると、どうしても若手に経験を積ませる真剣勝負の場が減少。翌期のJ1昇格を目指して、戦力をある程度整えているクラブほど、選手起用や育成で難しい舵取りを強いられてきたのが現状。J2では公式戦が少ないが、J1ではルヴァン杯や天皇杯など公式戦が多く、J1リーグ戦以外の選手のモチベーションが高くなるという結果につながり、必然的に厳しい競争が生まれ、チーム全体のクォリティーが向上。
〔カップ戦ならではの下剋上は生まれるか〕
'99年から3年間、J1にJ2を加えて、決勝戦を除いてH&A方式のノックアウトステージ方式でヤマザキナビスコカップが開催されてきた。J2が4回戦総当たりのリーグ戦となり、過密スケジュールとなった'02年以降のナビスコ杯はJ1勢のみの参加となった。果たしてルヴァン杯に名称を変えて3年目となる'18シーズンは、どのような下剋上が生まれるかも含めて楽しみと締めくくっています。
という内容でした。改めて説明を受けると、なるほどと納得できました。確かに今季はいつの間にプレーオフができたの?と非常にわかりにくい形式でした。一時期J1首位に立っていた某黄色いチームも、ターンオーバーを貫き、早々にグループステージ脱落状態になり、何試合か消化試合がありましたね。なるべく長く緊張感が持続するのが理想ですね。そりゃ4チームの方が可能性は高くなるし、いいと思います。
J1リーグは限りなくリーグ戦を追及する代わりに、ルヴァン杯はいろいろ面白い形式を取ってみてはいかがでしょうか。個人的には、バレーのようにファイナル8、ファイナル4でリーグ戦を行い王者を決めるのも面白いかなと。ただ、日程は過密化しますが。そうそう、カップ戦ではなく、リーグ戦ですが、かつてなでしこリーグで、レギュラーラウンド優勝、ファイナルラウンド優勝と2つの王者が出た年がありましたね。いわゆるスプリット制のプレーオフ制度でしたが。いろいろな形がありますね。
フットボールチャンネル該当記事:https://www.footballchannel.jp/2017/07/26/post223578/
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