J OKAYAMA ~岡山スポーツの桃源郷へ

岡山トップスポーツファミリー(ファジアーノ等)、スポーツ文化情報リスペクトブログ(共同運営)。

湘南ベルマーレの事例62

2017-11-04 00:01:48 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 リスペクト(事例紹介)コラムです。
 対戦相手が岡山で書きにくい面もありますが、湘南さん、J1復帰とJ2優勝おめでとうございます。当ブログの「二卿」として、多くの紹介記事がある付加価値の高い市民クラブ。経営的には、J1のメガクラブと比べて決して余裕が無いのかもしれませんが、ベルマーレ平塚として天皇杯で優勝し、ヒデ中田が活躍し、その後親会社のフジタが撤退して、湘南ベルマーレになって今までずっと観てきました。今でも真壁会長は尊敬するJクラブ社長の一人。J1昇格と言っても、まだ湘南さんはJ1とJ2と行ったり来たりの「エレベータクラブ」。J2からJ1クラブに固定化するまでの一つの過程になると思いますが、まだまだ苦戦しておられます。神奈川県にはJ3を合わせると6つのJクラブがひしめき合っている激戦区。とにもかくにもおめでとうございます。今回はJ1復帰について、様々なコラムを目にしました。その中でセレクトしたものを順番に引用して紹介します。まずは練習法。
   
【湘南が5度目J1、選手も驚愕の「チョウ改革」とは】
「就任6年目の曹貴裁(チョウ・キジェ)監督が今季取り入れたラグビーのタックルダミーを使った体当たりやビーチでの走り込みなどの改革が実った。」
「『今いる選手が充実感を感じられないと先がない』と、毎日違う練習メニューを考案。ある時は近隣の高校ラグビー部からタックルダミーを借りた。サッカーなら反則になるラグビー式のタックルを実践し、当たりの強さを意識させた。湘南のビーチで走り込んだ日もあった。」
「『ミーティングは練習の1つ』と多い時は週3度、さまざまな題材を用いて選手と向き合った。」
「『勝つためにやるべきことが10項目あるとしたら、8つか9つはやりたくないこと。好きなことだけやって勝とうというのは傲慢(ごうまん)』。コーチ時代を含めて4度のJ1陥落を経験した末の『チョウ改革』。」
引用:日刊スポーツ

 こういう変わった練習法というのは、過去にも他のクラブのニュースで聞いた事があります。地元のJ2岡山は開幕前の無人島脱出や雪山登山など「異色キャンプ」がバラエティ番組で取り上げられるくらいに話題になりましたが、開幕後のスタミナ不足による敗戦が続いた事から「異色キャンプじゃなくしっかり体力づくりをやるべきだった」と批判された事もありましたね。チョウ監督のコメントを読むと、飽きさせず充実感を与える目的があったのかもしれませんね。他種目の練習を取り入れて練習し、結果につながったクラブもある覚えがあるので、やはりそういう名物練習も指導者次第という事でしょうか。
 そして、湘南さんは過去に実力がついた選手を次々とJ1クラブに獲られた歴史があります。これは力学の話で、J1のメガクラブより下のクラブはみんなついて回る話。J2岡山も昨オフはそうでしたね。そのダウンした戦力からどうチーム全体を強化するかですが、湘南さんは「選手再生工場」と言われる、チョウ監督の辣腕があるようです。
   
【湘南ベルマーレをJ1に昇格させた「選手再生工場」】
「2009、2012、2014シーズンに続く4度目のJ1昇格は、北海道コンサドーレ札幌と並ぶリーグ最多タイ。指揮を執って6年目になる曹貴裁(チョウ・キジェ)監督は、同一チームをJ1へ3度導いた初めての監督となった。もっとも、昇格する回数が多いことは、J2への降格が多いことも意味する。ベルマーレ平塚時代から4度を数える降格も、コンサドーレと並ぶワーストタイ。いわゆる「エレベータークラブ」を強いられてきた歴史は、相次いだ主力の移籍と密接にリンクしている。」
「曹監督をして「ゼロからのスタート」と言わしめた苦境で屋台骨を支えたのが、期限付き移籍で加入しているMF山田直輝、MF岡本拓也、MF秋野央樹の3人だった。」
「23歳の秋野は昨シーズンの柏レイソルで出場試合数、先発回数、プレー時間ですべて自己最多を記録。ゲームキャプテンも託される試合もあったが、心の片隅には「このまま試合に出ていても、自分の伸びしろはそれほどないんじゃないか」と大きな不安を覚えていた。
 違うチームでプレーする必要があると決断し、レイソルの強化部へ志願したところへ、ベルマーレから期限付き移籍のオファーが届いた。交渉には曹監督が出馬。編集してきた秋野のプレー映像を見せながら伸ばせる長所、改善できる短所を熱く語る姿に感銘を受けた。」
「『サッカーに向き合う時間が一番長かった。この先のサッカー人生を含めても、ものすごく濃いと思える時間を過ごしてきました』厳しさと熱さ、優しさを放つ曹監督のもとで選手たちは大切な原点を思い出し、輝きを取り戻す、あるいは成長を加速させるきっかけをつかむ。サッカー界全体にも寄与するサイクルは「選手再生工場」の異名を取った、野村克也監督に率いられたヤクルトスワローズをほうふつとさせると言っていい。」
引用:THE PAGE
   
 「再生工場」といえばやはり野村監督ですね。確か、湘南さんは「チョウ監督のもとでプレーしたい」と選手が集まってくると聞いた事があります。上の記事を読むと納得できます。J1柏の秋野選手もアカデミーからトップへ上がった生え抜き選手でしたが、確かに余りパッとしなかった印象でした。その秋野選手の優勝シーンでの生き生きとした表情を見ると、彼は湘南さんで再生してもらったのかなと思ってしまいます。レンタル移籍なので、大きく成長してまた黄色いチームに帰ってきて欲しいです。航輔(代表外れちゃいましたね)選手のように。移籍時にチョウ監督自ら改善点を解説してくれるというのも魅力ですね。確かに今季は最初のうちは独走はおろか確か首位でもなかった気がします。その転機となった試合があったようです。

【湘南菊地J2優勝転機は5・27“緊急会談”と語る】
「湘南ベルマーレMF菊地俊介(26)は、14年以来3年ぶりのJ2優勝を決めた転機として、0-1で敗れホーム初の連敗を喫した、5月27日のモンテディオ山形戦後の“緊急会談”を挙げた。」
「高山薫(29)の主要4選手は、BMWスタジアムの1室に呼ばれた。そこで約1時間半にわたって行われた会談の中で、4人は曹監督から選手の自立心のなさを厳しく指摘された。試合中、ピッチ内で選手が意見を言い合えないことに対して「自分が出来ないから周りに要求できず、テンションが下がって決めきれない。まだまだ甘い。自分が出来ないから人に要求できないという、くだらない善人ぶりをやめてほしい」などと叱責された。」
「昨季、J1残留を逃した要因の1つが、曹監督の高いカリスマ性に選手が依存し、監督の言葉に頼るあまり、自立性を欠いたことだった。曹監督は今季『共走』という造語をテーマに掲げ、3つの意味を込めて、1月16日の始動日から選手に要求してきた。
 (1)みんなで走っていく
 (2)勝つために、いい競争をする。日本の他のクラブ、社会に対して自分たちがやれること、表現できることで勝負する
 (3)今日、走る。今できることは今やる
 山形戦を境に、選手が「共走」への道を走り始めたことが、この日の優勝につながった。」
引用:日刊スポーツ

 そうですか、負けた山形戦の後に緊急会談があり、考えるサッカーを改めて植えつけて強くなったのですね。試合中言い合える関係っていいですね。思い出しますが、昔強かった磐田さんは、喧嘩のように選手間で言い合っていたと聞いています。つまり選手間の競争が激しく、まずは相手の前にチームメイトがライバルだと。今季はこの「共走」というチームスローガンをよく聞きました。まさに監督と選手、ファン・サポーターが共走して勝ち取ったJ1への切符ですね。
 あと、最近湘南さんはホームタウンを増やしています。改めて神奈川県の地図でチェックしましたが、面白かったですね。その話はまたそのうち触れます。さすが、「二卿」クラブ。もう一方の川崎さんは、明日初タイトルを懸けて、ルヴァンの決勝ですね。さっきまでずっと、前夜祭のJリーグ配信動画を観ていました。とにかくこの3連休は忙しい。
J1湘南関連:6463626160595857565554535251504948474645444342414039383736353433323130292827262524232221

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする