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FC岐阜のこと12

2019-11-22 00:01:46 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 リスペクトコラムです。
 前節では岐阜さんのJ3降格も決まってしまいました。Jリーグ参戦12年目で初めてのJ3降格だそうです。毎年の事ながら下位カテゴリへの降格は心が痛みますね。岐阜さんは、地元岡山がJリーグ入りを目指していた2005年頃は、一足先にJ2入りした大先輩として眩しい存在でした。全国地域決勝を勝ち上がって、J2昇格を決めたその姿に、当時の岡山のフロント達は、自分達もいつかあの高みへ行くぞと元気をもらったものでした。それから14年が経ち、岡山はJ2で追いつき、クラブの経営規模や順位などもいつしか追い越していき、同じく大先輩だった熊本さんを追うように今回、J3行きが決まってしまいました。
 当ブログにとっては、いつまでも「大先輩」です。どうしてその大先輩が「下」へ行ってしまうのか、調べてみると中日新聞にいいコラムがありました。他の記事も探せばあったのでしょうが、この中日新聞さんで十分です。
   
【緑の落城 FC岐阜 12年目の降格(上)遅すぎた指揮官交代】
「クラブ史上初のJ3降格は、昨季クラブワーストの十連敗を喫した指揮官の体制が今季も続いたことが引き金になった。攻撃的なパスサッカーを目指し、若手を多く起用する大木武前監督の方針は裏目に出た。サイドで数的有利をつくるサッカーは、相手の対策の前に無力だった。守備のもろいチームは終盤の失点や大量失点を繰り返す。選手起用や布陣変更でも答えを導けなかった。活躍を見込まれた多くの選手がけがで長期離脱したのは事実。ただ、若手の伸びしろに過度に期待したことも不振の要因となった。」
「最下位に転落した第十三節の敗戦後、さらに負け続けること五回。ようやく監督が交代したが、残留争いを勝ち抜けなかった。大木体制で集められた選手は足元がうまい器用な選手が多く、足の速さや体の強さといったフィジカルは過小評価されていた。北野監督は少しでも勝ち点を拾うため、堅守速攻にスタイルを変更。戦術は百八十度方向転換した。新監督はディフェンス力にたけ、フィジカル面で特徴を持った選手を起用した。だが前監督の好みに合った陣容では、駒不足は否めない。」
「甲府戦(前節:ホーム最終戦)後に選手は言った。『若いチームで甘さがあり、一年間を通じてチームとして経験を積み上げられなかった』。今季一度の連勝もなく、五月に最下位に転落してから一度も浮上できなかった組織を言い当てていた。」
引用:中日新聞CHUNICHI web

 やはり、「監督」の部分でしたか。いくらクラブとして力を尽くしていても、それはあくまで運営面。プロスポーツクラブの両輪のもう片方である「現場」にはなかなか手を入れにくい面があります。あっやばいと思った時はいつもすでに遅しです。慌てて監督を更迭し、選手補強を行って、危機を回避した事例もありますが、岐阜さんは間に合わなかったようです。
 今季頭から指揮を執っていたのは大木監督。J1でも監督経験があり、J2京都では天皇杯準優勝の実績もありましたが、岐阜さんに2017年に来てからは18位、20位、22位と全くダメでした。今季6月に契約解除され、元讃岐の北野監督が就任しましたが、すでに遅しでした。
 ここのクラブが成功したから、どこでもいい成績を残せるという訳にはいきません。ネル監督がそうですから。記事によれば、今季の選手は足元は上手いが、フィジカルは低い選手が多かったようで、昔の岡山のように前半凌げば、後半になって勝手に足が止まっていくと狙われたのかな。
    
【緑の落城 FC岐阜 12年目の降格(中)選手獲得の手腕弱く】
「戦力として計算できる選手に誠意を欠いた半面、割高とされる外国人選手は近年GKを除き、ピッチで輝きを発揮することは少ない。今季も、下位に低迷してから慌てて複数の選手を補強したものの、途中加入の選手が期待に応えたかといえば、そうではなかった。」
「昨季は営業収益が初の十億円を突破し、純利益で一億円余りを計上した。宮田博之社長は「黒字額はほとんどが選手採用に流れていて、寝ているわけではない」と強調した。しかし、あるスタッフは「黒字を出すために支援しているわけではない」とスポンサー企業から苦言を呈されたことを明かす。選手獲得への投資と順位に相関関係があるプロの世界では、投資を渋ったと判断された。とはいえ、投資しようにも適切に資金を投入できたかといえば、難しかっただろう。選手獲得を担う強化担当のスタッフはわずか二人。林幹広地域振興グループリーダーは「J2では少ない」とし、「将来を見通した補強は難しい」と吐露した。
 債務超過で存続の危機も経験したクラブは、特定の企業母体を持たず「オール岐阜」の体制で歩んできた。その歩み自体は誇れるものだ。だが、十二年間もJ2で戦いながら毎年残留争いを強いられ、予算規模の小さなクラブにも先を越された。考えられる理由の一つが、継続性に欠けることだ。十二シーズンで、監督を務めたのは実に九人。次々と代わるのは指導者だけではない。数年で入れ替わる県と地銀二社の出向組が部長級でいる一方、プロパーの部長は一人にとどまる。これでは、なかなか中長期的なビジョンは描けない。」
引用:中日新聞CHUNICHI web

 監督が好みで、主力選手に中で誠意を欠いていたというのは良くないですね。よくクラブの対応に腹を立てて移籍で出ていく事例は、いくつも観ましたが、明らかに監督が不満で出て行かれるのは珍しいかも。あと、補強にも失敗したのですね。やはり、補強力が今のJクラブには必要なのかも。強化担当スタッフが少ないというのもよくないですね。高本GMがおられますが、ネットで調べると何か出てきますね。そういう部分も補強力を高められなかった遠因かもしれませんね。
 このコラムでは「特定の企業母体を持たず」とありますが、スポンサー色が濃い印象があります。前節のホーム最終戦のセレモニーの様子をDAZNで観ましたが、なぜかどなたかの挨拶シーンが他の映像でぼやかされている。有力スポンサーだった様子で、他のクラブでは見られない珍しいシーンでした。
 12年間で9人の監督というのも珍しい。クラブ部長職もコロコロ変わり、中長期的なビジョンが描けないとありますが、経営体制が安定していないんですね。

【緑の落城 FC岐阜 12年目の降格(下)再昇格へ問われる覚悟】
「戦力の低下を最小限に抑えてJ3を戦えるのは有利だ。しかし来季に再昇格できなければ、いばらの道が待っている。大手コンサル『デロイトトーマツグループ』が九月に公表した資料によると、昨季の集客力はJ2とJ3で2・6倍の格差があったという。」
「チケット代やスポンサー料、選手獲得を含むチーム人件費をどう設定するのか。チームスタッフを刷新するのか、継続させるのか。岐阜もJ3で、多くの選択を迫られることになる。」
「今季の長良川競技場は、黒星が続いてもにぎわった。アイドルグループのSKE48がライブでファンを魅了。元イタリア代表のデルピエロ氏のサッカー教室が行われるなど、スポンサーらの協力で“お祭り化”に成功したからだ。順位は二十二位でも観客動員数は十二位。一試合平均で六千六百人余りが足を運んだ。
 チームの存在感は会場だけにとどまらない。Jリーグ屈指とされるホームタウン活動は今年、サッカー教室や体操指導などで六百七十回と過去最高を記録した。十二年で積み重ねた回数は計五千五百回。延べ四十二万人と触れ合った。その価値は降格によって下がることはない。」
引用:中日新聞CHUNICHI web

 ちょっと驚いたのが、観客動員数がJ2で12位と少なくない事。6,600人余りと地元岡山より低く見えますが、ホームスタジアムには徒歩で行けないという環境です。駅から徒歩で20分だったらどういう結果になるのかと思います。つまり、数字が良くても現場の力が低かったら、J3へ降格してしまいます。岡山もいくら数字を追っても、監督の扱いに間違えたりして現場が失敗すれば、J3に降格する可能性は十分にあります。
 
 岐阜さんの今までを思い起こすと、まずはルーツの森山氏の存在。黎明期の後はJ2に昇格。その後は岡山にも関係のある今西GMの時代。選手による地域貢献活動を熱心に行い、Jリーグ一の頻度を誇る。毎週選手が地域貢献活動でそわそわするという現象がありましたが、経営危機を招いてしまい、今西GMは辞任。その後の経営危機で、Jトラスト等のホワイトナイトが現れて蘇生する。ラモス監督や川口選手など煌びやかな人材が参集して、数字の向上とともにクラブ自体も盛り上がる。その後は徐々に成績が低迷していく。そんな流れを思い起こしていました。最近ではデルピエロ氏が来たりとか、話題性がありましたね。
 それにしても、ホームタウン活動が過去最高数というのは驚きです。今西GM時代よりも多かったのかな。でも今西時代と同様にクラブが低迷してしまいました。当ブログではバランスだと思っており、地域貢献活動自体は何も問題ありません。
 という事で岐阜さん、1年でJ2に戻ってきてください。来季も北野監督でいくのかわかりませんが、「監督」と「補強力」ではないでしょうか。
J2岐阜関連⑰:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20190426
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