CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】幽談

2016-11-15 20:00:07 | 読書感想文とか読み物レビウー
幽談  作:京極 夏彦

怪談じゃなくて、幽談
たぶん、そういうことなんだろうと思うんだが
不気味な短編をいくつか収録した
とらえどころの無い小説でありました
面白かったかといわれると、難しいな

最後の話のインパクトが強すぎてというか、
そもそもの話は、何が怖いということか、
それについて考えた内容なのかとも思われるのであります
なぜ怖いのか、わからないから、という答えに対して
どうにか、肉薄しようという試みだったのか
読んでいて、おぞけ立つ何かというのは
残念ながら、自分にはなかったのでありますが
描かれていたこと、感覚が合う人には、それこそ
飛び上がるほど怖い話だったのかもしれないと
感じたのであります

得体の知れない感じというか、
上手に狂っていく様みたいなのを描いていて、
途中から、物語でもないが、話が、語り手が破綻していくという話が
それこれと出てきて、ある種気持ち悪い、だから怖いと
なるかどうかというところでありました
読んでいて、結局なんなんだと思わずつっこみたくなるような
不思議な感じで、これまた、
怖いというか、日常をたんたんと描いただけみたいな
むしろ、笑わせているのかという会話劇なんかもありつつで
とらえどころが、本当に難しいと感じたのであります

個人的には、ベッドの下に意味のわからないものが居るという話が
すこぶるお気に入りというか、妖怪の話なんかにもありそうだなと
これをだんだん受け入れていく滑稽さみたいなのが
凄いよくわかったというか、面白かったと思われるのでありますが
怖いってなんだろうねと、改めて考えてしまったのでありました
やっぱり、わからない、理解できないというのが怖いと
そんなことなんだろうか
死が怖いんだろうか、どうしてかしらとか

どうどうにめぐりつつの読書でありました