CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】サードドア 精神的資産のふやし方

2020-07-08 21:16:48 | 読書感想文とか読み物レビウー
サードドア 精神的資産のふやし方  著:アレックス・バナヤン

大学まで進んだ著者が、なんか違うなと、
生活や、人生について違和感を覚え、
とりあえず何か目標をと著名人にインタビューを申し込むと定めて、
そこから数年のお話をまとめたものでした
ノンフィクション系の話だと思うのだが、
どちらかというと、私小説といったほうがよいのかと
感じたりするところであります
まぁ、ジャンルなんて意味はないのだ、ようは、本が書かれたという
その事実だけでよいのだから

と、わかったような名言風のことを書いておきつつ
なかなかエキセントリックな若い時分を過ごした著者の
面白おかしい人生の冒険を知ることができる一冊でありました
冒頭の目標のために、金がいる、どうしよう、
クイズ番組で一発当ててみるか、
と本当に当たったわというあたりからかなり面白いのでありまして、
そこから、七転八倒しながら、著名人に会うため、
何をするべきか学び、間違え、メンターを手に入れといった
人生において大切なことを学んでいく姿が
飾りなく描かれていて面白かったのでありました

誰かに会うという方法は、いくつかあるのだけども、
正面突破のファーストドア、VIPなどの特別セカンドドア、
ただ、それ以外に裏技的な勝手口サードドアが存在する
そんなことに気付く旅だったというお話でもありまして、
誰かに会うために、どこから攻めていくかという
ビジネスの進め方の極意的な内容も含みつつ
そこにいたるまで、自身がどれだけ誠実であれるか、
また、誠実というものはどういう態度、どういう方法で培われるのか
信頼とは、といったところが、
その体験から、凄くわかるような内容になっていて面白い

著者本人は、相当にやらかしている内容が多くて、
それでも負けないガッツは見習うべきところがあるのだけども、
ガッツだけでは何も解決しないということもまた、
彼が示しているというのが、一番よいところではないか
そう自身もわかっているような筆がよかった
それらの失敗を糧にして成長を手に入れたという部分が
とても大切で、当たり前のことなんだけども、
考えて、実践して、失敗してという繰り返しが
人間を磨いていくのだという感じが、気持ちよく身にしみるようでありました

様々な人との出会いが、彼の行き方を決めたという感じでもあり、
そこで、家族と対立ではないが、どうしても越えなくてはいけないものがあったりも
非常にわかるという感じもよくて、読み応えのある内容でありました

ちょっと気になったのは、彼に嘘をついていた男がその後どうなったのか、
どういう感じだったかさっぱりわからんというところでありまして、
学校を結局どうしたという決定的な部分も書かれていないのは
少々残念というべきか、もっと読みたかったなと思ったのでありました

とはいえ、バフェットやザッカーバーグ相手にやらかしたというか、
成功しなかったところは読み応えがあって、成功した内容よりも、
失敗した経験の話のほうが面白いということもまた、
学ぶことが多いのはむしろそちら側だというようで楽しいのでありました

かつて学ぼうかしらと思っていた、失敗学を思わせるそれがとてもよかった