CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】個が立つ組織 平和酒造4代目が考える幸福度倍増の低成長モデル

2022-02-23 21:00:52 | 読書感想文とか読み物レビウー
個が立つ組織 平和酒造4代目が考える幸福度倍増の低成長モデル  著:山本典正

和歌山の酒造会社の新社長が実現してきた
低成長モデルによる組織改革についての本でした
年のころは、おそらく私と同じくらいなので、
働きだした時代背景だとか、その後に考えているところというのが
なるほどと、同意できるところが多くて
面白く読めたのでありました

低成長モデルというワードで押し出しているけども
その実は、しっかりと人材を育てていくという話で、
これからは中小にかなりチャンスがあるんじゃないかと
自身の経営方針、戦略を明確に語った本でもありました
物凄く大きく伸ばしていくというのではなく
かたい仕事を、確実にすることで、しっかりと地場を固めて
着実に大きくなっていこうという感じが
今の時代にあっているのではないかというお話でありました

実際に、それで実績をあげているので
まさにその通りなのかもしれないけども、
酒造会社の御曹司なので、なかなか大変な地位というか
もともとそうである人なのだけども、
酒造という独自の文化圏において、革新を進めることへの挫折なんかが
かなり早い段階でいくつか体験していたようで、
社員と仲良くしようと企画した旅行で、社員に置いて行かれたという経験は
笑話として書いていたが、相当つらいというか、
経営者という立場でそれを受けたら、ヘビーすぎて立ち直れなさそうだよなと
物凄く、この会社というか、酒造というものにおける
経営者、従業員というへだたりを象徴としたイベントだったんだなと
割とさらっと書いてあったけど、この本で一番インパクトのあった事件で
それをもとに奮起というか、変わったというのは
本当じゃないかと思わせられる内容でありました

若い人を入れていかないと当然新しくなっていかないし、
そこでどういう人材をという明確なビジョンが生まれて
そういう人を育てられるように、また、育つようにしていくというのは
経営の中でも、よくある人事の問題だけど
成功している例だということもあって、とてもよさそうに見えるのでありました

幸運もいくつかあったりしたんだろうけども、
それをつかみ取るために、挑戦を続けるということも大切で
成功というものをちゃんと定義して、そこに共感できる仲間でことをなしていくというのは
働くということの意味をよくよく考える
とても大切なものだなと思われたのでありました

低成長というか、ゆっくりと成長していくために必要なことはこれだと
そういう感じに読めて、興味深い本だったと思うのであります