CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】クリスマスの殺人 クリスティー傑作選

2022-06-13 21:10:41 | 読書感想文とか読み物レビウー
クリスマスの殺人 クリスティー傑作選  作:アガサ・クリスティー

アガサクリスティーの短編集、
ポアロ、マープル、トミー&タペンスといった
おなじみのキャラクタたちの冬にまつわる短編がいくつも編まれた
実に素晴らしい一冊だった

クリスティー作品をほとんど読んだことがなかったので、
短編の面白さもまるで知らなかったため、
ものすごく新鮮に読めてよかった
子供向けとはいわないけども、老若問わず読める内容がまた素晴らしく、
謎解きもいいんだが、それ以上に機微といえばいいのか、
キャラクタたちの姿が浮かんでくるような展開と会話が素敵すぎた

一点、まるで毛色の違う短編があって、
「エドワード・ロビンソンは男なのだ」というのが、
これまた、なんというか、清々しい、実にいい、とてもいいと、
漫画みたいな展開で、夢見がちな内容だとわかっていても、
こういうのがいいんだと、快哉となる一作
男女の機微の描き方が絶妙で、コミカルさとロマンが実に素晴らしいと
滑稽なほどの展開が素敵だとかみしめたのでありました
男なのだ、とは、このご時世この短編もやり玉にあがるのかと思ってしまうのかもと
いらぬ心配をしてしまうけど、こういうのがいいなと思ってしまうのである
キャラクタを作るのが上手いんだと
改めて思い知った

殺人事件もあるけども、泥棒との対決があったり、
知恵比べなのは基本だけど、展開がそれぞれ、なんだかんだ違っているのがすごいと思うところ
物語の余白というか、意味のなさそうなテンポをつくる会話と、
展開の鮮やかさ、滞りのなさが本当にすごいなと、
あれよあれよと読み終わって、一つ事件が解決してしまった、
その瞬間を見たとなれるのがとても楽しい読書になった
もうちょっと、クリスティーシリーズは読まないといけないかもなと
思ってしまった