CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】ハヤブサ消防団

2022-10-17 21:26:08 | 読書感想文とか読み物レビウー
ハヤブサ消防団  作:池井戸潤

田舎を舞台にした推理小説でした
著作をたくさん読んでるわけではないので、今回のように金融関係の話がまったく絡まない作品は
驚いてしまったんだが、他にもあるんだろうか
割とスタンダードなミステリで、作家が田舎に引っ越したことで、
ひょんなことから事件に巻き込まれるという
ある意味古典的な出だしながらも、現代劇として面白くて、
妙な風習とも異なる、エッセンスは横溝的世界観のような気がするんだが、
全然そんな風じゃなくて、ごくありふれた、現代日本の田舎の事件といった感じが
なかなか面白かったのでありました

物語の中核を担うというか、犯人と思しきそれらについてが、
なかなか面白いというか、そういうことありそうだよなと
現代の田舎の闇でもないが、ありそうな感じが面白いと思ったわけだが、
タイトルの消防団についての詳細さの方がかなり面白くて、
自分の田舎にはない組織だけに、なるほどなと考えさせられるというか
知識として、楽しめたのでありました
大なり小なり、消防団という組織はこういう感じなんだろうか
他にそういう組織のある田舎に住んでいる人の感想が聞きたいわ

先生が、岐阜のどのあたりの出身なのかわからないんだが、
出てくる言語がおそらくは岐阜のどこかの訛りで、その表記がいかにも中部的というべきか、
東海地方の民にはなじみの深い感じなので、イントネーションまでおそらく完璧にトレースして読めたと
楽しんでしまったわけだが、文字起こしにすると、案外関西弁ぽいつづりというか、
言葉の形があるんだなと、まったくイントネーション違うのにとしょーもないことに驚いたりして読んだのでありました
ともあれ、物語はU県S郡という謎の土地なので、違うかもしらん
だけど、「だもんで」とか、なかなか他のところで使わないだろうて

内容は結構スリリングだし、なにより、ちょっとさすがに火事多すぎだろうと
おそらく村の規模に比して、全国ニュースになってもおかしくなさそうな頻度でのことなんだが
それはそれとして、犯人とそのバックボーン、そして、村の過去なんかがうまく合わさって
最終的に怪しい人物が二人に絞られたと思いきやみたいな、どんでん返しも楽しめたので
非常によかったのでありました
というか、終盤は、ひっくり返りすぎて、結局どういう話だったっけとか
わからんようになっていたんだが、まぁ、面白かったからいいか
とりあえず解決したようだしと読み終えて思うのであった(ひどい読み方だ)

面白い内容だったけども、これだけ人間関係が親密だと
やっぱり田舎は暮らしづらいよなぁと、改めて思い知るのでありました
そういうところへの移住とか、ちょっと考えることもあるが
自治体を形成する一員になるという自覚が希薄だと
えらい面食らうことになるなと思うのであったとさ

そういう人間はやはり、都会に住むしかないのであるな
一人で生きるというぜいたく税が、都会の喧騒という税金なのだとか
いらぬことを考えたのであった