CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】自閉症のぼくは書くことで息をする

2022-10-26 21:05:30 | 読書感想文とか読み物レビウー
自閉症のぼくは書くことで息をする  著:ダーラ・マカナルティ

自閉症への理解が乏しいので、驚いたというか感心してしまったんだが
タイトルの通り、書くことで世間とつながること、生きることができると思わせられる
とても面白い読み物だった
ブログからの書き起こしなのか、日記形式で、14歳の少年でもある著者の日常と
思うところ、自閉症だから起こることなんかがつづられているんだが、
一番は大好きな自然への敬愛についてで、
鳥や昆虫、植生なんかへの感動が正直な言葉で語られていて
本当に好きなんだと思わされるのである

周囲との接触がうまくいかない部分は理解していて、
それはそれとして、自分が思っていることを文章では
こんなにスムースに伝えられるんだなと感心してしまうくらいだったんだが、
自然への愛着というか、愛情の強さが明確な意思として記されていて
非常に興味深いと思えたのでありました

よくある、何かに夢中になってしまいがちという部分が、
本人の中でどう処理というか、認識されているのか
文章で読んでいると、何かを見つけて、気づいたら数時間経っていたみたいな記述があって
本当にじっとそれを見ているということに全力になってんだなと気づかされたりして
社会性としてはどうかと思うが、その情熱というか、
鋭い視点が新たな発見や、興味への掘削を後押ししているんだと
改めて思い知るようで感心したのであった

本人語りなので、いまいちすごさがよくわかってないんだが、
かなり著名な学者なんかともやりとりをしているようで、
そういう専門分野においては、もはや天才といっても過言ではない様子で、
こういうところは、わかりやすくいうと、さかなクンみたいなもんなんだろうかと思うんだが
実際はどうなのか、ちょっとこの本だけではわからないのが残念である
もっと、本格的に好きな対象物について
がりがりと語りつくしてほしいというか、そういうものを読みたかったとも思うんだが、
多分、そういうのに意味を見出せないというか、
自分が知っていることをひけらかすとか、そういう人ではないんだろうなと思うのである
でも、こういう人が、これこれのここが良いという話を書いてくれると
その先鋭さというか、先端みたいなのに触れられて楽しいと思うんだが
また、そういう本でも出してくれんだろうかと
大学生となって、さらに研究者として大成しそうな少年の生きざまを見る本でありました