なぜ私たちは燃え尽きてしまうのか バーンアウト文化を終わらせるためにできること
著:ジョナサン・マレシック
アメリカにおける燃え尽き症候群についての本
著者も実際に燃え尽きてしまった経験があり、
どうしてそうなるか、どうすればそうならないかを探求した
ルポのようでもある本でした
バーンアウトという言葉が
ある種の流行になっているようで、
日本でも、うつ病の概念というか範囲というか、何か大きくなったと思った
それと同じようなものではないかと思いつつ読んだのだが
根本原因は「期待に裏切られることで疲弊が蓄積すること」のようで、
これは人間というものが社会で活動していくと
どうしても受けるそれではないかなとも思ったりするのだが
それが、より先鋭化というか、ひどく人間を苦しめるようになっていると
まずはその最初のあたりから解説が始まり、
症状の進行と、社会情勢の関係なんかが説かれていて
興味深いものでありました
示唆といっていいのか、労働をどうとらえるかという問題が
アメリカには相当に根強いのだそうで、
労働の尊厳というものが、一種の脅迫を生んでいるというのがミソのようで
働くことが良い、勤勉であることがよいという
約束めいたものに人間が縛られてしまっている、
そのために、働くということがとても息苦しくなっているというお話だったんだが
著者の場合は、学校で教授をやっていたけど、学生がまったくやる気をださないということに
幻滅して、次第に心が疲弊したというところで、
これもまた、自分が頑張ってやっていることが報われないということが
物凄いダメージになるということで、労働尊厳の棄損にあたると
まぁそんなところでありました
解消でもないが、そういう状況からどうしたら逃れられるかということで、
様々な労働環境や、コミュニティをあたっていくあたりが結構面白くて
この本の主題とは異なるのだが、ベネディクト会の修道士の生活というのが、
物凄くよくできていると感激している下りが結構衝撃的で、
祈りの時間のために、労働はしっかりと切り離されていて、
それでいて勤勉であり、さりとて、誰に追い立てられることもないという状況、
そして、皆から尊敬というほどでもないが、敬られるというのが
精神衛生にものすごくよいというお話になっていた
彼らが、それをなし得ているのは、子供もおらず家族がないから、と
そんなことを修道士が語っているわけなんだけども、
まさに、修道士でもないのにそういう状態の俺は、どうしたらいいんだろうかと
目を見張ったのでありました
バーンアウトしないということなのか、どうなんだ
ともあれ、アメリカにおける社会圧みたいなものは
相当に大きい様子で、そこで苦しんでいるという状況は
個人の心に必ずあるんだろうなと思わされるばかりで
みんながみんな、そういう幻想に苦しめられているというのも
なんだか不思議だと思いつつ
それが社会を形作っているというのがまた、繁栄にもつながっているようでもあるし
そのために犠牲となっているようでもあるし、
エデンはどこにあるかと思わされるばかりでありました
著:ジョナサン・マレシック
アメリカにおける燃え尽き症候群についての本
著者も実際に燃え尽きてしまった経験があり、
どうしてそうなるか、どうすればそうならないかを探求した
ルポのようでもある本でした
バーンアウトという言葉が
ある種の流行になっているようで、
日本でも、うつ病の概念というか範囲というか、何か大きくなったと思った
それと同じようなものではないかと思いつつ読んだのだが
根本原因は「期待に裏切られることで疲弊が蓄積すること」のようで、
これは人間というものが社会で活動していくと
どうしても受けるそれではないかなとも思ったりするのだが
それが、より先鋭化というか、ひどく人間を苦しめるようになっていると
まずはその最初のあたりから解説が始まり、
症状の進行と、社会情勢の関係なんかが説かれていて
興味深いものでありました
示唆といっていいのか、労働をどうとらえるかという問題が
アメリカには相当に根強いのだそうで、
労働の尊厳というものが、一種の脅迫を生んでいるというのがミソのようで
働くことが良い、勤勉であることがよいという
約束めいたものに人間が縛られてしまっている、
そのために、働くということがとても息苦しくなっているというお話だったんだが
著者の場合は、学校で教授をやっていたけど、学生がまったくやる気をださないということに
幻滅して、次第に心が疲弊したというところで、
これもまた、自分が頑張ってやっていることが報われないということが
物凄いダメージになるということで、労働尊厳の棄損にあたると
まぁそんなところでありました
解消でもないが、そういう状況からどうしたら逃れられるかということで、
様々な労働環境や、コミュニティをあたっていくあたりが結構面白くて
この本の主題とは異なるのだが、ベネディクト会の修道士の生活というのが、
物凄くよくできていると感激している下りが結構衝撃的で、
祈りの時間のために、労働はしっかりと切り離されていて、
それでいて勤勉であり、さりとて、誰に追い立てられることもないという状況、
そして、皆から尊敬というほどでもないが、敬られるというのが
精神衛生にものすごくよいというお話になっていた
彼らが、それをなし得ているのは、子供もおらず家族がないから、と
そんなことを修道士が語っているわけなんだけども、
まさに、修道士でもないのにそういう状態の俺は、どうしたらいいんだろうかと
目を見張ったのでありました
バーンアウトしないということなのか、どうなんだ
ともあれ、アメリカにおける社会圧みたいなものは
相当に大きい様子で、そこで苦しんでいるという状況は
個人の心に必ずあるんだろうなと思わされるばかりで
みんながみんな、そういう幻想に苦しめられているというのも
なんだか不思議だと思いつつ
それが社会を形作っているというのがまた、繁栄にもつながっているようでもあるし
そのために犠牲となっているようでもあるし、
エデンはどこにあるかと思わされるばかりでありました