品種改良の世界史 作物編 著:鵜飼保雄
久しぶりにがっつりと読み込みました
学術書というには、くだけているものの、
内容はかなり濃い、しっかりとした農業史というか
歴史と作物を描いた本であります
イネ、ムギなどの穀物に加えて、
サトウキビ、ビートなどの嗜好加工原料、
イモ類の救荒作物、野菜としてのトマトや、
世界を揺るがす果樹かんきつ、ブドウ
そして、最も改良の進んだ園芸植物バラ
などなど、その他にもいくつかの品目にクローズアップして、
その品種改良の歴史を書いておりました
物凄く面白かった、人類の歴史と
こんだけ密接に関わりあっていたのかと思うと
なんというか、目が啓くという
久しぶりによい体験ができた本であります、凄い、素晴らしい
歴史というと、人物や、社会の変遷みたいなのを
凄いイベントとともに追いかけるといった
そういうイメージで捉えていましたが、
考えてみれば当たり前のこと、
どんなジャンルでも歴史という見方はできるのでありまして、
この作物を作る、そして殖やすということが、
どういう足跡を残したか、軌跡を描いたかと
それをつまびらかにするというのは、これまた、
非常に楽しいものでありました
資料の当たり方といいますか、引用元が、
中国なら漢の頃の書簡であったり、あの詩経であったり、
史記にも、その栽培についてのノウハウや、
作った人の物語があるとか、楽しくて仕方なかった
また、作物そのものの広がったルートみたいなのも楽しくて、
新世界であった、アメリカからナス科植物がヨーロッパに渡る
このあたりの様々なひきこもごも、
そして、それに限らず、中世の頃から暗躍というか、
活躍していたプラントハンターたちの仕事、
そして、それが国家事業であったことなどなど
黒船とともに、日本の植物を持って帰ったアメリカ人が、
何人もいたというのが、個人的には驚愕でありましたが
それらを育種だねにして、品種改良を進めた
また、新たな病気に勝つために野生種から
その抗体を見つけ出したりだとか、
かいつままれているというのに、その壮大さというのが
ひしひしと伝わってきて凄かったのであります
品目ごとに著者が違うため、その文章形態が
様々なのも面白いところでありましたが、
個人的には、イネ、サツマイモ、テンサイのあたりが
俄然面白くて、サツマイモはもっと流行してもいいんじゃないか
あれは、もっと凄いものなんじゃないかと
ミラクル作物だと認識を改めたりしたのであります
あとは、ソルゴーなんかも面白かった
飼料用というのもいいんだが、
なんというかな、品種改良の歴史が素晴らしい
と、そんなことを感じたりしながら、
イネは矮性だから、あんなに肥料入れても伸びないんだと
当たり前すぎて気づいてなかったことに衝撃を覚えて
なんというか、久しぶりに農学に戻った心持であります
もっと、作物学とかちゃんと勉強しておけばよかった
そう思えるほど、とても楽しい、素晴らしい本でありました
名著だ
久しぶりにがっつりと読み込みました
学術書というには、くだけているものの、
内容はかなり濃い、しっかりとした農業史というか
歴史と作物を描いた本であります
イネ、ムギなどの穀物に加えて、
サトウキビ、ビートなどの嗜好加工原料、
イモ類の救荒作物、野菜としてのトマトや、
世界を揺るがす果樹かんきつ、ブドウ
そして、最も改良の進んだ園芸植物バラ
などなど、その他にもいくつかの品目にクローズアップして、
その品種改良の歴史を書いておりました
物凄く面白かった、人類の歴史と
こんだけ密接に関わりあっていたのかと思うと
なんというか、目が啓くという
久しぶりによい体験ができた本であります、凄い、素晴らしい
歴史というと、人物や、社会の変遷みたいなのを
凄いイベントとともに追いかけるといった
そういうイメージで捉えていましたが、
考えてみれば当たり前のこと、
どんなジャンルでも歴史という見方はできるのでありまして、
この作物を作る、そして殖やすということが、
どういう足跡を残したか、軌跡を描いたかと
それをつまびらかにするというのは、これまた、
非常に楽しいものでありました
資料の当たり方といいますか、引用元が、
中国なら漢の頃の書簡であったり、あの詩経であったり、
史記にも、その栽培についてのノウハウや、
作った人の物語があるとか、楽しくて仕方なかった
また、作物そのものの広がったルートみたいなのも楽しくて、
新世界であった、アメリカからナス科植物がヨーロッパに渡る
このあたりの様々なひきこもごも、
そして、それに限らず、中世の頃から暗躍というか、
活躍していたプラントハンターたちの仕事、
そして、それが国家事業であったことなどなど
黒船とともに、日本の植物を持って帰ったアメリカ人が、
何人もいたというのが、個人的には驚愕でありましたが
それらを育種だねにして、品種改良を進めた
また、新たな病気に勝つために野生種から
その抗体を見つけ出したりだとか、
かいつままれているというのに、その壮大さというのが
ひしひしと伝わってきて凄かったのであります
品目ごとに著者が違うため、その文章形態が
様々なのも面白いところでありましたが、
個人的には、イネ、サツマイモ、テンサイのあたりが
俄然面白くて、サツマイモはもっと流行してもいいんじゃないか
あれは、もっと凄いものなんじゃないかと
ミラクル作物だと認識を改めたりしたのであります
あとは、ソルゴーなんかも面白かった
飼料用というのもいいんだが、
なんというかな、品種改良の歴史が素晴らしい
と、そんなことを感じたりしながら、
イネは矮性だから、あんなに肥料入れても伸びないんだと
当たり前すぎて気づいてなかったことに衝撃を覚えて
なんというか、久しぶりに農学に戻った心持であります
もっと、作物学とかちゃんと勉強しておけばよかった
そう思えるほど、とても楽しい、素晴らしい本でありました
名著だ
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