CLASS3103 三十三組

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【読書】交通誘導員ヨレヨレ日記――当年73歳、本日も炎天下、朝っぱらから現場に立ちます

2019-10-31 21:23:55 | 読書感想文とか読み物レビウー
交通誘導員ヨレヨレ日記――当年73歳、本日も炎天下、朝っぱらから現場に立ちます  
著:柏耕一

タイトルの通りであります
高齢者にあたる70過ぎた爺さんが、交通誘導員という仕事をしている
よくよく考えてみると、確かに年寄りが多いなと
思っていたんだが、実際にその当事者が書いたというところが
なかなか面白いところでありました
もっとも、著者は素人というわけではなく、
なにかしら、文章で飯を食っていた時期のある人だそうで
ドキュメンタリとして、やや愚痴も多いのだけども
面白く、わかりやすく、現場が見えるようでありました

働きたいという人が少ない、
それがゆえに、根性のあるような、ないような老人が多く勤めている
そんな按配でありまして、自分をかんがみても
父親が、似たようなところでバイトして小遣い稼いでいるのを考えると
老人にあう仕事ともいえるのかもしれない
なんて思っていると、炎天下にずっと立たされ続けていたり
案外、交通整備という仕事が難しく、
法律としては、特に権限がないのに、何かやらないといけない義務感というか
仕事が重くのしかかって、様々な人から罵倒されるし
散々な目にあうという大変なお仕事だというのが
説明されていたのでありました

毒の少ない話で、まぁ、そういうことありそうだなと
その日常を見ることができるといった感じで、
特に感銘を受けたり、なんか心にきたすものがあるわけではないのだけども、
結構、著者であるこの爺さんがくせものでもないけど、
しゃらっとした文章だし、朴訥とした人柄かと思わせながら、
奥さんとの酷い喧嘩というか、罵詈を伺うかぎり
この男もたいてい酷いことをしてきたんだなと
なんとなし、わかるようでもあって、
人生を見たようにも思うのであります

誘導員の仕事には、コミュニケーション能力というか、
それなりに人と話をするという役目があって、
そういうのに年寄りは長けているのではないかと
控えめながらに、主張されているのは
なるほどとも思えるところでありました

とはいえ、一緒に働く人、また、自身も
何か自分を卑下してしまうというか、
誘導員という仕事は人に怒鳴られても仕方ないなんて
思ってしまいがちなのが、不思議だとも触れていて
それを払拭しようという強い動機があるわけでもないが、
何か、気にかかっているといった感じの筆が
面白いと思えたのでありました


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