森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

「ルパン」

2006-05-11 00:09:48 | 映画
日本で長い世代に渡って人気抜群の「ルパン3世」が、奪ってしまったもの、それは、モーリス・ルブランの「ルパンシリーズ」を読む楽しさだと思う。

「ルパン3世」も面白いが、元祖「ルパン」も決してひけをとらない。この映画は、ルパン誕生100周年を記念して作られた。

フランス映画は昔ほど集客力もないし、それに伴って俳優の知名度も高くない。知っている人は知っているのかもしれないが、私なんかは、近頃ではリュックベンソン監督やジャン・レノやゲイリー・オールドマンぐらいしか知らないって、みんなレオンじゃん。

子供の頃ワクワクして読んだ「ルパン」だが、ロマン・デュリスはなかなかいい感じでそのルパンを演じていたし、内容も盛りだくさんで見ごたえがあった。
監督はジャン・ポール・サロメ。カリオストロ夫人はクリスティン・スコット・トーマス。クラリスはエバ・グリーン。

「カリオストロ伯爵夫人」をベースに「813」「奇岩城」などを取り入れて、と解説にあった。だからなのか、懐かしいようなシーンであり、ワクワクした。欲を言えばもっと推理の場面を膨らませて欲しかったけれど。

もし、この映画を見て怪盗紳士ルパンのイメージが違うと感じる人がいても不思議ではない。ベースにした「カリオストロ伯爵夫人」の中のルパンは若干20歳。まだ駆け出しで青二才、唯一手玉に取られたと言うより負けてしまった相手が、このカリオストロ伯爵夫人なのだ。子供の頃読んだ原作でも、この一冊は他の作品の中の華麗な怪盗紳士ルパンとは違っていたので印象深かった。

その時読んだ本は少年版だったのだろうか。「魔女とルパン」と言う題名だった。


傑作、宮崎駿の「ルパン3世・カリオストロの城」が軽妙なのにクラシカルな感じがするのは、宿敵カリオストロや、クラリスの名を用いたからだと思う。

お気楽だけれど、きめ細かいような作品がみたい時お勧めします。


原作の方は、断然「奇岩城」をおすすめ
コメント (3)
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