森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

軍師官兵衛最終回「乱世ここに終わる」&総集編

2014-12-28 01:24:23 | ドラマ (大河)

「軍師官兵衛」は結構好きで、毎回楽しみに見ていました。でも最終回は、私的にはそんなに心に食い込むようなものもなく、「ああ、終わったな。」と言う感じがしてしまったのでした。

特別に回想シーンが多かったわけでもなく、しっかりと最後まで物語の骨をなしていた回であったと言うのに。

それと言うのも、やっぱり官兵衛さんがこの世を去ってから11年後に本当の乱世が終わった事も一因かもしれません。

黒田官兵衛と言う人のドラマ的大きな見せ場は、やはり幽閉時代とそして最後の九州大進撃だと思うのですが、その九州進撃の最後を最終回にまで持ってきて、そしてあまりにもあっさり終了させた為に感情移入度が低くて。本当だったらかなり無念だったのではないかとか想像したり、また長政に言う「これで良かったんだ」との思考に至るまでの過程もそのセリフひとつで終わり、歴史教本を読んでいるような感じになってしまったのが感動を薄めてしまった理由のような気がしたのでした。

それでも臨終の時、彼の

「悔いる事が何もない。」の言葉には、「すべてうまくいった。」と言って死んでいった私の父と重なって胸が熱くなったのでした。

人生の道をただ歩んでいる時には、すべて上手くいっていたはずなどなかったはずです。それは官兵衛にとっても同じだと思います。悔いる事がないはないはず。でもその言葉が人生の最後に出てくることが素晴らしいと思うのです。

辞世の句は「おもひをく 言の葉なくて つゐに行く 道はまよはじ なるにまかせて

59歳。

今の時代だったら、なんて若くして死んでしまったんだろう。やっぱりあの長い幽閉時代がいけなかったんじゃないのかと考えてしまいそうですが、この時代で言ったら普通に長生きで人生を全うしたと言っていいのだと思います。

 

関ヶ原と言う天下分け目の戦いのさなか、九州にて天下を取る夢を最後に見た官兵衛。それはあまりにも早い関ヶ原の戦いの終結によって官兵衛の見た夢も潰えてしまったわけですが、その関ヶ原の戦いの終結を早めたのは、長政の調落の成果だったわけですから皮肉に感じてしまいます。それともそれが神の啓示か・・・・って、たぶん描かれていないけれど官兵衛さんならそう思ったんじゃないのかなと思ってみたりもしたのでした。

 

ところで27日の昼間は、この「軍師官兵衛」の総集編をやっていました。

かなり前から大河の総集編は見ていませんでした。でも今日は昼間やっていて私一人が家にいたものですからなんとなく見ていたのです。

その内容は深くはなくても、一年通して見てきた物ですから、、あの時この時と記憶が呼び起されいろいろとしみじみとした気持ちになりました。

そしてちゃんと見てなかったと気が付いたシーンもありました。

それは臨終間近の秀吉を官兵衛が見舞うシーンです。

最後の最後まで秀吉に偽りのなあなあの言葉を言わない官兵衛に、ちらりと朝ドラの猪頭の男の事が頭に浮かんだのですが、でもこのシーンは今見ると結構良いシーンだったのですね。

ある時までは同じ方向を向き同じ夢を見ていたに違いない二人。

その官兵衛の望んでいたような天下をみせる事が出来なかったと秀吉は言いました。いつしか二人は違う道を歩いていたのですね。

その別れに、官兵衛はその部屋を出てから声を殺しながらもむせび泣きます。

 

晩年の秀吉には何の魅力も感じてなかったので、その臨終の時もながら見かチラ見だったのかもしれません。見るべきシーンを見られて良かったです。

 

最後なのでちょっと正直に本音を言ってしまうと、このドラマの三成は完全にヒールとして登場していました。その三成を演じる田中さんの中にも迷いがあったように思います。彼は優しい容貌をしていますがいろいろな役をこなせる好きな俳優さんです。でもこの役は萩原正人さんあたりで演技派である岡田君とバトルしていただきたかったです。

茶々に二階堂ふみ。

怪演が出来る彼女にあの程度のシーンで終わりかとこちらも少々残念。

やっぱり私の中では「功名が辻」の永作さんの茶々が一番で、二階堂さんにはそれを超えるかその次かになって頂きたかったのに、力を発揮できるシーンも少なかったように思いました。

 

総集編で秀吉との最後のシーンと家康との関ヶ原の後の対話が同じ時間内で描かれると、非常に分かりやすかったのは家康の

「天下は一人の天下に非ず、天下は天下の天下なり。」でした。

この言葉を聞いて、官兵衛の「これで良かったのだ」に繋がっていったと思うのですが、最終回の時にはやっぱりあっさりしすぎていて分からなかったのです。

でもそれはこちらサイドの見る力の不足と言えるのだと思います。

村重エピ以降、なんとなくテンション下がり気味だったものですから、いろいろちゃんと見てなくて勿体なかったなと、こんな所でも悔いる私です。

 

だけど一人の人の人生をほぼ一年にわたって見続けると言うのは、やはりその終わりには感慨深いものがあります。

最後に自分のセリフで終わると思ったら中谷美紀さんは緊張したかしらなんて、くだらない事を思ってしまったのですが、

「殿、よく生き抜かれましたな~。」と言う最後の静かなセリフには感慨深いものを感じる事が出来ました。

 

「軍師官兵衛」、良かったです。

また来年の大河も楽しみです。

 

 

 

 

 

 


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