どうも最終回視聴率では裏の「僕のヤバイ妻」に敗れてしまったみたいだ。
このフジテレビ系の「僕のヤバイ妻」も相当面白いらしく、姉などにも勧められていたのだったが、何とタイミングが悪くPCの録画機能が壊れてしまったために、表と裏とでの二番組が見る事が出来なかったので観なかったに過ぎない。もしもPCの録画機能に不具合が無かったら、私は両方見たと思う。
この同じ時間帯に良い番組が重なると、ドラマ好きとしては辛いものがあるが、視聴率の事を考えると、どちらを録画して見ようかなと言う好みで現れてくると思う。
ワクワクさせて胸を躍らせて、そしてしみじみと泣かせる「重版出来!」はどちらかと言うと録画して後からと言う選択をされやすいのではないだろうか。
ネット記事のタイトルなどに書かれているような「期待はずれ」なんてお門違いも甚だしいわい。
何かに挑戦して夢が叶わなかった人にも、きっとだめに違いないと思って何も挑戦してこなかった人の胸にも、このドラマは小さく何かがうずくような感覚を与えたと思う。
毎回の漫画家たちとのエピソードも面白かった。
編集者たちのエピソードも然り。
毎回がっかりする事なんか一度もない物語だったと思う。意外とクールな仕事ぶりの安井さんのエピソードは深い感銘を受けた。
どんなに熱い想いがあって、漫画家と編集者の間に固い絆があろうとも、その発表の場である雑誌を潰してしまっては話にならないのだ。
安井は雑誌がつぶれないように売り上げに貢献する編集者になっていく。そしてそのお蔭で、他のみんなは冒険が出来たり、思い切り夢に向かって邁進出来たり出来る。何よりも素敵に感じたのは、それを編集長である和田が理解している事だった。
絵のドヘタな天才中田伯。
その生い立ちと育った環境から、たった一人の自分の世界の具現化に勤めていたように思う。だけれど描くことによって、それが他者の世界に通じ、彼はたった一人の世界から脱出できたのかも知れない。
オワコンと言われた三蔵山先生。
漫画賞を受賞して、なんか映し方もさながら引退宣言かに見える展開。
が、新作を描くと言う宣言。
いくつになったって、前に進もうとする者の前に道は現れるんだと、これが励まされずにはいられようか。
毎回ジンワリと心が暖かくなった。
終わってしまって、来週の火曜日からなんて寂しい事か。
とりあえず最後に言いたい事は、このドラマを見ていたおかげで、「月間フラワーズ7月号」の重版のニュースに感激をすることが出来た。じゃなかったら、
「ふーん。増刷するんだ。」で終わっただろう。
今の時代、紙の雑誌を売る事は大変な事だと思う。萩尾氏が「ポーで描きたいことが出来た。」と言ったかどうかは知らないけれど、似たような事を言われたとして、それを聞いた編集の人はどんなにか嬉しかったことだろう。そしてその雑誌があっという間に売れ切れて、重版が決まった時、やっぱり言ったのだろうか。
「重版出来しました~ !!」って。
ああ、想像しただけで涙が出ちゃうわ。
漫画からもだけど、ドラマからもたくさんいろいろな事を教えて貰えるなって、私はやっぱりそう思います。