2020年の主婦の日常日記&備忘録。
・「じっと、今を見てみる。」の続きです。
4人姉妹でlineのグループを作ってます。私にとって、もも吉の病気は大きな出来事だったので、その事を書き込みました。
みんな心配はしてくれたけれど、その時スノウさんがとんでもない事を病院で聞いて来て落ち込んでいることを知りました。スノウさんは乳癌、肺がん、脳腫瘍を患い、その後又腎臓にもがんが見つかり、この先ずっと抗がん剤を打っていくと言う治療の継続中なのです。薬が効いて、四つ目の癌が消えたとの事で、凄いなと思っていたのですが、スノウさんが聞いてしまったとんでもない事とは、「切らなくて良い癌を切った。」ということだったのです。
― 何、それ、どう云う事 ?
妹からの又聞きなので、何か誤解があってもいけないので、これ以上の事を書くのは差し控えようと思いますが、その後の気持ちのザワザワ感は収まりませんでした。
だけど、とても続けて猫の事を嘆く話は、し辛いような気がしました。
その数日後、姉の蝶子さんが新しく買った電動自転車に乗っていて、変な段差のある坂でうっかり転びそうになり、その時体をひねったのが原因で圧迫骨折でまた腰を痛めて、しばらく安静状態になってしまったのでした。
もちろんみんなは驚きました。
だけどその時、スノウさんが、フラフラが取れなくてずっと起き上がれない状態が続いているということが分かったのです。
抗がん剤を打っている時、いつ調子が悪くなっていつそれが収まるのか、だいたいそのリズムが分かってくるようになるのだそうです。でも今回は、それが関係なくずっと続いていたのでした。
「もう、私は寝たきりになってしまうのかしら。」みたいな事を言って嘆くスノウさん。
なんだかみんな吹き飛んでしまいました。
生きとし生ける者の死亡率は100%。命ある小さき者を我が家に向かい入れた時から、その避けられぬ運命は決まっていたのです。
猫の嘆きを語れるような雰囲気でもなく、そして更には、骨折すら寝ていれば治るよねと言うような気持ちにさえなってしまいました。
スノウさんの問題は、それほど私たちを憂鬱にさせるものだったからです。
「寝たきり」を嘆いているけれど、「寝たきり」で済む話なのかしら・・・・・。
この時私は湯船に深く浸かりながら、思わず「どうしよう」と言う言葉を繰り返し呟いてしまいました。
時には「ケセラセラ」と言う言葉が私を救い、またある時には「大丈夫 !!」と言う言葉に励まされ支えられたりします。ある意味、魔法の言葉だと思います。だけど今はそれらが魔法の言葉にはならないような気がしました。
「どうしよう」と言う言葉は、無策の嘆きの言葉に聞こえます。事実、私は嘆いてその言葉を繰り返したのです。
だけど言葉は不思議です。その「どうしようか」に自分自身のアンサーが見えてきたりするような気がしたのでした。
私たちは姉妹でlineのビデオ電話を使って集会をしています。
12月3日水曜日、
その時、スノウさんが明るい声で出て来て、先日の不調の原因を語りました。抗がん剤の点滴の液漏れによるものだったらしいのです。点滴の針が外れて液が体内の血管以外に漏れてしまう経験は私にもあります。そこの部分がパンパンに腫れ上がってしまうのですよね。その洩れた液が、抗がん剤だったから大変な事になったらしいです。
その事情を知ったのと、スノウさんの声が明るかったので、私たちは皆心の底からホッとしました。
「じゃあ、そのホッとしたところで、もっと蝶子さんの事も心配しよう。」と私は言いました。で、みんなでカルシウムをいかに取るのかという話題になって盛り上がりました。
そして更に
「じゃあ、ついでで良いのでうちの猫ちゃんの嘆きも聞いてもらっていいですかね。」と言いました。
本当は一番下の妹に
「名都さんは、何かある ?」と聞くべきなのでしょうが、また更に一つ心配事が増えたら嫌なので、敢えて聞きませんでした。
ごめんね、名都さん・・・・^^
今姉妹でことごとく盛り上がっている話は、来年行こうと思っている旅行の件です。
もちろん、こんな状況ですから「今」ではありません。
場所さえ決まっていません。
だけど、「みんなで温泉に行く」と言う、今までさんざんやって来た当たり前の事が、コロナ禍や病気などで当たり前ではなくなってしまった今では、その当たり前を取り戻す夢を見る事が、私たちの希望であって、私が自分に問いかけたアンサーのような気がします。
ももちゃんのお話は、また今度聞いてくださいね。