森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

「若草物語」から「奇跡の人」へ。

2020-12-27 17:16:21 | 梢は歌う(日記)

・「彼女は強いが、私はヨロヨロ その2」

・「スナック「若草物語」」の続きです。

2012年に亡くなった父は、たぶん「奇跡の人」になりたかったのだと思う。

治療終了を宣告されて、さりげなく遠く余命宣告されても、担当医の先生に

「生きている限り、先生に年賀状を書きますね。」と言った父。それは心の奥底で普通とは違う自分を信じていたのだと思う。担当医が、だいたい一年持たないと思っても、自分は二年生きて、そして三年も生きようと信じていたのだと思う。

だけど父は、その担当医の予想通りの余命を生きて、年賀状は一通しか送れずにこの世界から別の世界に移っていった。ただ彼は、その後ちゃんと自分の死を見つめて残りの命をきちんと全うしたのだった。

だが妹は父とは違う。

まだ十分に生きたとは言えないと思う。

私はやはり思う。治療する手段があるうちは、決して諦めてはいけない。そしてもしも、もう治療終了と言われたとしても、その時は、強い意思で父が成れなかった「奇跡の人」になってくれればいいじゃない。

 

※         ※

入院中でも姉妹ラインが出来るなんて、良い時代だと思う。

私はスノウさんに言う。

「あのさ、やっぱり四人姉妹だからって、これからは『若草物語』を連想するのは止めよう。だってあれだと、どうも三女はあまり良い事ないじゃないの。

だからさ、これからは『奇跡の人』でいこう。」

だけどスノウさんは

「やだわ、花子さん。だってあれは三重苦の人の話なのよ。」

だから私は言った。

「何を言ってるのよ。今時はタイトルだけパクって別の話って言うのが流行りなのよ。」

 

細かい事を言えば、「今時は」で無くて、ちょっと前か。

まあ、そんな事はどうでも良いじゃない。

 

昨日、また情報が入って来て、どうも負担が大きすぎるので抗がん剤治療はやらない事が分かった。放射線治療が15回あるらしい。

「奇跡の人」になる。それも妄想か。

だけどそう信じる事が、一番大事な事なんだと思う、今だ。

 


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スナック「若草物語」

2020-12-27 00:36:02 | 梢は歌う(日記)

姉妹4人でlineを使って、定期的に集会を開いています。話題は多岐にわたっていますが、時々、夢を語り合って楽しい時間を過ごしています。

でもその「夢」は所謂「妄想」です。

だけど「宝くじが当たったら、こんな事をしよう、あんなものを買おう。」と、意外とその手の妄想って「こんな、あんな」が具体的なんですよね。

 

ある日、スノウさんが私に

「花子さん、スナック、やりなよ。」と言いました。

「花子さんなら出来るからさ。」

 

その時、私は

「まあ、ようやく私のある種の才能に気が付いたのね。」と図々しくも思ったのでした。

この「お店をやろう。」という妄想は、以前、友人たちの口からもあがった事があったのですが、なぜか私の担当は皿洗い係です。

なんか失礼しちゃうわ。ぷんぷん。

妄想の話なのに、心の中では許せないような気持ちになっていた私。

まあ、その理由の一番は、私があまりお酒に強くないと言う点にあると思うのですが、やっぱり、友人との会話にはニコニコ笑いながら「ふん」と思っていたのです。

 

ところが「花子さんなら」などと言われて、ちょっと調子に乗りました。

フンフン♪

「花子さんがいつも作ってる唐揚げなんかで大丈夫だから。」

「えっ、あっ、やっぱり、お料理係か。」

その時すかさず、姉の蝶子さんが

「私も皿洗いで参加する !!」

おっ、皿洗いからお料理係に私は昇格したのか。じゃ、まっいいか。

じゃあ、調理師免許なんかいるな。一人は持っていないとダメなんだよね。とりあえず持っている人を当面バイトで雇えば良いのか。などと、妄想なのに、頭の片隅で咄嗟に考えている私。

「じゃあ、蝶子さんは、レジ閉めた後のお金の計算もして。それから1か月の目標額と達成額を表にして。」

「そこは得意。任せて。」と蝶子さん。

「私、最近南瓜を美味しく煮るの、腕あげたんだ。煮物得意。冬なんかおでんなんかも良いよね。それで、静かに飲みたい人は前のカウンターに、明るく飲みたい人はスノウさんと名都さんに任せるわ。で、私が揚げものなんかしながら、指でサイン送るから、そしたら、お相手しているお客さんに、あと一杯ずつ飲ませるのよ。」

自分で言っているくせに具体案が、ちょっと怖いー。

常に妄想が暴走する。

「それでお店の名前は、四人でやるんだから、『若草物語』が良いと思うの。」と言いながら、自分で思わず笑ってしまいました。

「お店に入ってきた人が、『いったいどこに若草がいるんだい ? 』ってなるな。」

「ババ草しかいないじゃんって ?」と名都さんも笑いました。

するとスノウさんが、強く言いました。

「大丈夫よ。明かりを暗くすれば分からないから。」

「なるほど。じゃあ、ずいぶん明かりが暗いねというお客さんには、私は炙ったイカを出して、『明かりはぼんやりともりゃいい。って歌にもあるじゃないですか。』って言うね。」と私は言いました。

 

※        ※       ※

この記事は、「彼女は強いが、私はヨロヨロ その2」

の続きです。

 

私は今日、今年最後のバイトが終了しました。

今週のと思うと、そうでもないのに「一年のお仕事」の終了かと思うと気も抜けましたし、一年分の疲れが押し寄せてきたように思いました。

我が家はクリスマスは関係ないのですが、それにかこつけて年末家族忘年会をしています。金曜日までは夜が遅かったので、今日、それをしました。

 

これに、生協で買い求めた、薄いピザが三枚。分量的にはちょうど良かったです。

ケーキもあったので。

 

こんな事をしている時、私は決まって離れて暮らすラッタさんの事を思い出すのでした。

 

 

 

 


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