8月24日に見てまいりました。
最近では、ネタバレなしで映画の感想を書くことが多い私ですが、あれは自分でも後に忘れてしまうと言うリスクがありながら、熱く語る部分もないので簡単にかけると言うメリットがあって、つまり楽な方に走っているわけなのです。
ただこの作品は、じゃあ最初からネタバレ全開で感想を書こうと思っても、本筋以外からも多方面からの視点で成り立っていて、しかもみなその物語とセリフがと情報量が充実していて、私にはとてもうまく纏めて感想を書く力量が無いなと痛感するのでした。
だから「美味しい」しか言えないグルメリポーターのように、「滅茶苦茶面白くて、ずっと退屈知らずの2時間だったよ。」と書いておこうと思います。
以下は全く上手くまとまっていない感想です。
だけどこの映画を見ていて、思い出さずにはいられなかったです。
何をかって言えば、あの密林サイトのブラックフライデーの数日の楽しさをです。
良くネットでのお買い物に抵抗のないお友達とも、「なんか参加したくなっちゃうのよね~。ページ開いてワクワクしながら見ちゃうのよね~。」と笑いあいました。
かと言って、見返す余裕があるので、本当に安いのかとリサーチなんかいれたりして、逆にスーパーやショップなどのセール時よりも無駄なものを買わなかったりも出来るのですよね。意外と欲しいものが無くて、いつも飲んでいる珈琲や飲み物、いつも使っている洗剤などをまとめ買いすると言うつつましい買い物(主婦ってヤーネ(笑))
だけどこの時に買った扇風機は、エアコンが壊れた翌日に届き大活躍したのです。
と、特に扇風機のくだりは話したかったから話しただけで、映画とは関係のないことを書いてしまいましたが、じゃあ、この楽しいイベントの時にその密林サイト、注文したものを運んでくれる黒ネコさんたちの大変さを想像していたか否か・・・・。
などと書くと、「思いもよらなかったです。」とか「想像すらしなかったです。」とか続け、上手く文をまとめたりできると思うのですが、まさかまさかですよ。
しっかり想像してました。こりゃ、密林サイトの人たちも、猫さんたちもかき入れ時だなって。大変だなって。そう思っていました。
だからこの楽しいイベントを成り立たせて、汗水流し長時間働いてくださっていた方々には深く感謝していました。
―「感謝する。」
だけど購買者が出来ることはそこまでですよね。
人間を数字化しまたは1本のネジ化のように扱えば、必ず弊害は起きるー。
上記のは私が思った事ですが、作中には本当に鋭いセリフが多くて、心に突き刺さりました。
また冒頭の密林サイトを思わせるような倉庫に、このブラックフライデーのための臨時に雇われている人たちが並ぶシーン、ちょっとワクワクしました。
このシーンで、こういう感想を言う人もあまりいないと思うのですが、
―ああ、今、膝が故障してなかったらなぁ・・・
ここで臨時に働く選択肢もあったのになぁーと残念に思ったのです。
1日1万歩は優に超えるらしい倉庫のお仕事、経験してみたかったです。
ただし、爆発物が混入していなかった場合に限ります(笑)
爆発シーン、本当にちょっと怖かったです。容赦しないという感じなんですものね。
作中で岡田さん演じる孔が満島さん演じるエレナに「ブルドーザーのように働く」と言う言葉を使うのですが、本当にその通りでかっこ良かったです。
彼女には不穏な言葉、怪しい態度といろいろ戸惑わせられますが、満島さんの魅力・エレナの魅力に引き付けられました。
岡田将生さんには何も言うことが無いです。大好きな人で、今凄くノッてますよね。
ディーン・フジオカさん。悪役をやろうと思えば出来る人なんだなぁと思いました。
本当にキャストが豪華ですよね。
大好きだった「MIU404」。伊吹の声が聞こえて来ただけで嬉しくなってしまいました。
いつもお世話になっている映画サイトに、「アンナチュラル」の画像がなかったので載せられませんが、やっぱり楽しかったです。
セリフはけっこうドライです。
だけど私は時々、思わず涙でドライアイの瞳が濡れました。
以下は完全なネタバレ。
未見の方はご遠慮ください。
最初の犠牲者は・・・・・。
一番先に自分を罰していたのですね。だけど最終的のは彼女はレーンを止めたのですよ。
それなのに、彼女はその結末を知ることはなかったのです。
と言っても、その途中の爆発で、多くの人を犠牲にしたわけですから、同情なんか出来るわけもなくという所なのですが、やっぱり哀れに感じてしまったのです。
ブルドーザーのように働いたエレナ。本当に良い仕事をしていたと思います。だけど働く人たちにとって改善をしていたとしても、会社に数字的のみを見たら損害を与えているわけで、解雇もやむなしと言う所でしょうか。
だけど彼女は優秀。どこに行っても通用しますよね。
戦い済んで日が暮れてと言う所でしょうか。彼女がパトカーの中で勝手に仮眠・・・・もとい、爆睡している姿にもジーンとしました。ずっと深く眠ることが出来ていなかったのではないかと思いました。
末端の委託配送業者の視点から描かれたのはこの親子から。
宇野祥平さんと火野正平。
関係ないけれどお名前が面白いですよね。「ウのしょうへい」さんと「ヒのしょうへい」さんなんですものね。
で、この最後の爆弾を阻止したものが、品質の向上を求め続けゆえにコスト競争に負けて敗者となってしまったメーカーの製品だったと言う所に、またも涙が出たのでした。
いろいろと詰まっていた作品だったと思います。