以前、野村萬斎の「陰陽師」を見に行っていた頃、寅さんシリーズのように毎年やってくれないかしらと、友達と話し合っていました。
野村萬斎、一種独特の雰囲気があるじゃないですか。「陰陽師」の物語が好きですが、誰がやっても良いとは思えない・・・・・。
だけど若き日の晴明の山﨑賢人と、その相棒である(この場合相棒になる)博雅の染谷将太、演技派である二人には期待しかありませんでした。
「砂の惑星」をお誘いする友人はいなくても、この映画にはお誘いできます。
私はなんだかんだと言っても、山﨑賢人が好きなのです。お友達が言いました。
「この年になると美しいものを見ると言うことは大事な事よね。」と。
確かに。
もちろん美しいのは彼ばかりではなく、佐藤嗣麻子監督の描く平安の世界が美しかったのです。
今どきは「女性らしい感性」などと言ったら、少しも誉め言葉にはならないのかも知れません。
だけどやっぱり女性ならではの感性と言うものはあるのではないかと思えてしまいました。
映画が始まる前に、
「私、『陰陽師』って凄く好きなんだけれど、お話自体は意外とばかばかしいのよね。」と、お誘いした友人にがっかりされたら嫌だなと思って、ちょっと本音を言ってしまいました。(平安の妖怪大戦争みたいな感じのところがあるじゃないですか、今までは。)
だけど本編を見ていて、なんて余計なことを言ってしまったのだろうかと映画館の闇の中で後悔しました。まったくばかばかしいなんてことはなかったからです。
恐ろしいのは見えぬ妖たちではなく、人の果てしない欲望ー。
愛ありサスペンスありアクションありで、見応えもありました。
涙もろい私はちょっと泣いたかも^^
作中に
「博雅は良い男だな。」と言う言葉が出てくるのですが、これは原作にある言葉なのかもしれませんね。
野村萬斎の「陰陽師」にも同じ言葉が出てきました。
源博雅は心の穢れのない、本当に良き男なのですよね。
私的には、続編希望です。
そう言えば、陰陽寮での講義のシーン、「ハリーポッター」のホグワーツの授業のシーンみたいで楽しかったですね。