とうとう兼続の「愛の兜」が登場してきましたね。前半の終わりにこの兜が登場してきた事、再び回想ではない子供時代の与六と喜平次に出会えた事、なかなか面白かった23回「愛の兜」でした。
上洛に悩む景勝を上田の庄に誘う兼続とお船。過去の自分と向き合い迷いを払拭する景勝の物語と、兼続が「愛の兜」を被るまでのお話でした。
久し振りの与六と喜平次、この二人の存在はやっぱり大きかったですね。
物語に関係なく、加藤君は可愛いです。
思わず「困った時の与六」と呟いてしまいました。
今回の納戸に篭ってしまった喜平次を、与六がやってきて、彼の気持ちを聞きだすシーンは良かったですね。
「大丈夫。私が側にいますから。私はもっと学問もします。武術も頑張ります。」
与六が立派な武将になろうとしているのは、立派な家臣になるため。側にいて喜平次を助けたいが為だと言っているのです。
二人は別々の腹から生まれ出て、立場も主従の関係に位置していますが、実は二人の見えない部分で繋がっていて離れることが出来ない、二人で一つと言う関係なんだと、しみじみと思うことが出来ました。
「天地人」はもっと前半で繰り返し、こういうシーンが必要だったと思います。
「紅葉のような家臣」「北斗の七星」という超抽象的な言葉では、どうも沸き立つような感情移入が出来ません。
やっぱり物語の中で、視聴者も登場人物と同じように思い出を刻む、そこになんともいえない感情移入が出来るのだと思います。そしてそんな二人に微妙に絡むほかの人のささやかなエピソードも必要だったような気がするのです。
冴えない喜平次を心配して物陰から覗く安部政吉(子供の頃)が、与六と喜平次の会話を聞いて、嬉しそうにほっとしているとか・・・
だからなのか今回、一番違和感を感じたのは、「愛」と言う字を見ながら、兼続が今までの人生を思い描いて、「私の・・」と語るシーンです。いや、彼は良いんです。その回想シーン。みんなが口々に「カネタン、カネタン・・」と言っているでしょう。どのシーンも再び見て泣けてくるようなシーンがないんです。役者様はみんな熱演の良いシーンなのにね。
「兼続、お前さえいれば・・」と言う言葉に「?」が浮かんでしまうからです。でも、記憶の中にこの納戸のシーンや物陰から覗く安部のシーンが記憶としてあれば、ぜんぜんその言葉だって変わって聞こえてくるじゃないですか。
「天地人」が私にとってイマイチ感が拭い去れなかったのは、奇抜なT氏演出より、どちらかと言うとそっちに理由があったのでした。最初の方でもこの事は書いているんだわ、私、たぶん。
でも知り合いのおば様方が(母も含めて)、一番このドラマが楽しみと言うのを聞いて、彼女達のドラマの見方を取り入れて、その後は結構楽しく見ることが出来るようになりました。
要するに、たかがドラマ、何も考えずに「アハハ」と見る。
でも今回は少年達の助けもあって、とっても良かったので、心の奥底にグチグチしていた部分が再び噴出してしまったと言うわけなんです。
スッキリした所で後半に突入しましょう。
おっと、これでは終わってしまいます。書きたいことが後三つ。
景勝が自分の気持ちを吹っ切って、過去の謙信公と対話するところ。
回想シーンを上手く使って、とっても良かったですね。どちらかと言うと、私はこのシーンが一番良かったなぁ。この謙信公との語らいは、いわば景勝にとって原点なんですね。やっぱり「原点」を持っている人間は強い。景勝は迷うことなく「義」の旗を掲げたのでしょう。
迷い模索しながら「愛」と言う言葉を見つけ掲げた、兼続。
机でいろいろな文字を書いているとき、床には既に「愛」と言う文字が。フムフム成る程。ここにお船さんがやって来て
「あなた、これになさいませ。」と言うんだなと思いました。
ああ、あまりにも思ったとおりの展開~・・・
まっ、いいけどね。微笑ましくて。
でも、悪意ないけど笑ってしまいました。兜をかぶって廊下を行くところ。
「おお、りっぱじゃ。」「おお、すばらしい」って人々の声が・・・
「なんじゃ、あれは~」と言う人はいなかったのですね。
ラストに書くようなことではないのですが、先週は見逃してしまって、真田幸村、私には今日お初。なんか面白いキャラで、弟、実頼との掛け合いも面白い。今後の楽しみが一つ増えました。
昔から二人の間は何も変わっていないんですよね。
そしてそれは一生続く。
これって考えてみれば凄いことなのでは?って思いました。
城田君演じる幸村もなかなかいいアクセントになっているので、ドラマに風が吹けばいいなと思います。
「まったくもう、gooったら~」とか思っていたのですが、ミチさんにはとんだお手間とご迷惑を掛けてしまいました。申し訳ございませんでした。それとそれでも二回目を入れてくださって、ちょっと嬉しかったです。ありがとうございます。
ドラマのお話ですが、二人の子役が、まるで前に撮ってあったかのように、まるっきり雰囲気や時間を感じさせなかった事も凄いなと思いました。子供には叶いませんね。
一生変わらない二人の関係。それって本当に凄い事なのかもしれませんね。
城田幸村には、なんとなく期待してしまいそうです