森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

マリリンモンロー ノーリターン 〈追記しました。〉

2015-12-11 01:53:45 | 同じ時代の船に乗る

マリリンモンロー ノーリターン

 

野坂昭如さんの反戦物語は、ちょっと難解だなといつも思っていました。

有名な「火垂るの墓」もそうですが、以前、中学の教科書に載っていた「ウミガメと少年」にも同じ感想を持ちました。

どこがと掘り下げて書くには深夜過ぎるので、またこの場所にて追記と言う形で書かせていただきます。

 

ただ私、本当に戦争の悲惨さを肌身で体験し
「だから絶対にダメなんだ!!!」と強く言い、私たちを守っていてくれたおじさんがまた一人いなくなってしまったんだなと、凄く寂しく思います。

 

だけど私、彼を知ったのは子供の時、上に貼った「マリリンモンロー・ノーリターン」の歌だったんですよ。

この歌でマリリンモンローがずっと身近に感じる女優さんになったかもしれません。名前の刷り込みと言うか。

 

チョイワル風おやじの雰囲気が好きでした。

安らかにお眠りください。

 

 追記:先日はかなりの深夜にこれを書き始めたものですから、書ききれなかった部分を追記させていただきます。

子供の頃には、この「マリリンモンローノーリターン」は面白い歌のようなイメージでかなり印象深かったのです。でも大人になった今、なかなか奥が深い歌だったのだなと思うのです。この歌は、野坂さんの為に桜井順と言う方が作りました。作詞作曲ですが作詞家名は能吉利人。ノ―キリストと言う意味だそうです。この方が彼のために作った他の曲には「黒の舟唄」もあります。ワタクシ、あれは違う方の歌だとずっと思っていました。

でも雰囲気や声なども野坂さんにピッタリな歌だと思います。

ワタクシ、野坂さんと言うと、あの事件が忘れられません。泥酔して大島さんの結婚記念日パーティ―で監督にパンチをしてしまったアレです。

えっ、今その話するのかって思いましたか?

ええ。

だってそう言う部分も含めて愛すべき彼だったのではないかと思うんです。喧嘩のいきさつは置いておいて、彼らはもともとすごく仲が良い人たちで、だからパンチを受けた監督も一言も返さずにマイクで二発殴り返したんですよね。

その後彼らはお互いにわび状を送り合って和解したのですって。

ここの所、大事なエピソードだと思いませんか。マスコミって面白い所ばっかり映像を送ってくれるけれど、その後の事なんか教えてくれないじゃないですか。

思わず、私「うふふ」って笑ってしまいました。

だって可愛いじゃないですか。大の男たちが「あの時はどーも」って手紙を書き合ってるんですよ。

 

ひとりの人間はある意味単純でありまた複雑でもあり。

時に、その複雑な部分を指して多才と言うのかも知れません。

 

「ウミガメと少年」は中学生の教科書に載っていたので、その問題集のテキストで読みました。読んでいて気持ちがザワザワしました。その内容にと言うより、まず文の書き方に。

次にあるシーンでは「うっ」と吐きそうな感覚に襲われました。最後に思わず首を傾げました。問題を解くためのザッと読みです。問題集の問題を解く事に不都合がなくても、ろうそくの芯がどこにあるのか分からなくて火が灯せないような感覚になるお話ってあるじゃないですか。

「こりゃ、もっと気合を入れ直して読まないと分からないわ。」と呟くと、子供たちがこぞって解説をしてくれました。

最後に少年はウミガメに生まれ変わると言うのです。

思わず、「それ、学校の先生が言ったの?」と聞く私。

「あまりにも雑に読み過ぎて分からなかったけれど、これ、そういう童話なの?」

「やっぱり後で読み直します。」と言ったけれど、私自身は読み直さなかった物語です。

 

それはあるシーンがあまりにもショックだったからです。

少年は命がけでウミガメの卵を守ろうと移動させます。でも結局その卵を食べつくしてしまうのです。

悲惨な状況下の物語を平時の私たちが読む時、その残酷さがすこぶる増す時があると思います。

命がけで守ろうとしたものを、自らが殺す。自分の為に。

凄く恐ろしく残酷なシーンです。思わず「ウッ」と吐きそうな気分になりました。

この流れで、そのようなファンタジーメルヘンになるのかなと不思議に思ったのでした。

 

誰もが号泣した「火垂るの墓」。私も一度だけ見たそのアニメで大泣きしました。でも好きなお話ではありません。同じように縁故疎開をして血の繋がった祖母にいじめられた体験を持つ母などは、はっきり嫌いだと言います。

そこに登場してくるのは強くたくましく生き抜いた少年の物語ではないからです。

「ウミガメと少年」も命がけで守った卵を守り、命を繋いだ物語なんかではありません。

戦争とは、弱者は死んでいくばかり。そして守りたいものも守れない、そんな恐ろしいモンスター。

彼の反戦物語は、かなりの辛口だと私は思っています。

 

「ウミガメと少年」を読んで、ちょっと気持ちがざわついた彼の文章。一つの物語の中で文末を揃えないと言うやり方は、、私はちょっとその後に影響を受けたような気がします。

 

 

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
野坂さん (chidori)
2015-12-11 09:00:05
いろんな形の反戦の伝え方があることを教えてくれた人です。
ご冥福を祈ります。
返信する
chidori様 (kiriy)
2015-12-12 16:56:11
コメントをありがとうございました。

.>いろんな形の反戦の伝え方があることを教えてくれた人です。

その際立つ個性と泥酔と、そしてピュア。
かっこ良かったですよね。

返信する
マリリン (ボー)
2015-12-13 07:51:25
とくれば黙っていられません!?
「マリリン・モンロー ノーリターン」の一節のみは知っていて、もしかして、その一節しかないのかどうかは知らず、「マリリン・モンロー ノータリン」という替え歌に憤りを覚え。
まあ、そのくらいですけれど。
返信する
ボー様 (kiriy)
2015-12-14 00:07:58
こんばんは~☆ そうですよね。「マリリン」と呼ばれては黙っていられませんよね。

でも替え歌の方を書くんだと、ちょっと苦笑。

これを書いていた時に、頭の中に浮かんだけれど、それを書いてはファンの皆様に斧で殴られると思って触れなかった部分だったのに(笑)

でも大丈夫。ノーマ・ジーンは本当に頭が良い人だったと言う事は多くの人に知られていますから。
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